マンガ大賞2016が本日3月29日に発表され、
授賞式ではまず、昨年「かくかくしかじか」で大賞を獲得した
司会の吉田尚記アナウンサーから受賞のコメントを求められた野田が「『ダンジョン飯』に勝ててうれしいです」とポツリと語ると、会場からは拍手が。また作品の成り立ちについては「主人公の杉元佐一という名前は、屯田兵だった自分の曾祖父ちゃんの名前なんです。いつかその話を描きたいなと思っていたんですがなかなか広がらなくて。そんなときに担当の大熊さんが、『これを野田さんが描いたらおもしろいんじゃないか』と、北海道を舞台にした狩猟の小説を持ってきてくださって。この2つをくっつけちゃえばいいやというところから始まったんです」と説明する。
さらに野田は「ゴールデンカムイ」を綿密な取材を繰り返した上で執筆していると前置きし、「この前、猟師さんと一緒に鹿を撃ちに行きました。脳みそを生で食べさせてもらったんですが、猟師さんも『さすがに脳みそは食わないよ』と若干引いていて……」と取材のエピソードを披露。吉田アナウンサーから脳みその味を質問された野田は「味のないグミみたいな感じです。そのときは塩を持っていかなくて、『ちくしょう、なんで塩を忘れたんだ』ってなりました」と、マンガさながらのやりとりがあったことを明かした。
続けてマンガ家を志したきっかけを問われ「宙ぶらりんで、20歳過ぎくらいまでは何もすることがなくて。マンガを描き始めるまではニートに近い生活を送っていました」と告白。この発言に吉田アナウンサーが「20歳過ぎで(マンガ家を志して)画力もすごいというか……」とコメントすると「がんばりました」と控えめに述べる。アイヌ文化という題材については「特に気を使って、徹底的に取材しています。アイヌの道具とかを詳細に描くことで、(アイヌの方々も)『こいつ本気だ』と思ってくださっているという関係性が築けているんじゃないか」と語った。
また会場からはさまざまな要素が詰め込まれている同作に対し、「このマンガを何マンガと捉えているのか」との質問が。これに対し野田は「狩猟の要素が最初にあるので、それを見せられれば。これから(劇中の)季節も変わってくるので、その中で食べられるものもいい配分で描いていきたいですね」と語り、最後に一言「(この作品は)恋愛マンガですかね」と付け加え会場を笑わせた。
野田の後には大熊氏もスピーチ。大熊氏はさまざまな要素が含まれた本作を「和風寄せ鍋ウェスタン」と称する。吉田アナウンサーからの「『ゴールデンカムイ』は野田先生と編集、どちらからの発案なのか」との問いかけには、「野田先生の引き出しの中にしっかりとあったものですね。作家さんをピッチャー、編集をキャッチャーとするなら、野田先生に持ち玉を要求したらすごくいい球がきた。それと、読者の方々が今読みたいと思ったものとがきれいに一致した結果だと思います」と回答した。
「ゴールデンカムイ」はアイヌが遺した莫大な埋蔵金を狙う元兵士と、アイヌの少女を軸にした冒険活劇。単行本最新7巻は4月19日に刊行される。なお野田は、本日24時よりニッポン放送にて放送されるラジオ「ミュ~コミ+プラス」に出演する予定だ。
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マンガ大賞2016最終結果
大賞
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
11位 イーピャオ/
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