華やかな袴姿で登場した広瀬は満席の会場を見渡し、「ここまで長かったような、早かったような……不思議な感覚です」と感無量の面持ち。初主演となる今作に「みんなとの絆が深まっていって。撮影現場で、役柄そのままの雰囲気を自然と作り上げてくれたみんながいたので、関係性がリアルでした。逆にこんなに仲が良すぎて不安になるくらい。みんなには助けてもらいました」と、ともに映画を作り上げてきた「チームちはやふる」のメンバーに感謝を述べた。
小泉監督は広瀬について「初めて会ったときは、声が小さくてボソボソしゃべる女の子で、『この子が千早?』と思ったこともあった。でも撮影初日に、突然千早のようにパーンッと弾けた芝居をしてきて、『これは本物の女優だ』と。来たな!と思いました」「当時16歳の、普通の高校1年生の少女。撮影を通じて、大人に近づいていった貴重な瞬間に立ち会えた気がしています」と思いを明かす。広瀬も「1年前に監督にお会いしたとき『大丈夫か?』って思われたろうなって確信があった(笑)。でも今言ったように思っていただけてうれしい」と顔をほころばせた。
なぜかこの日野村は、終始仰々しい口ぶりで言葉を発し続け、「初日というのは、何回経験しても慣れないものでして。自分が出演したものが世に発信される。これほどまでに感動的なことがあるでしょうか!?」と“大御所風”に挨拶。また矢本は印象深いシーンとして、瑞沢高校かるた部のメンバーで山に登るシーンを挙げ、「(森永演じる)“机くん”がギブアップしちゃうんですけど、みんなで押して登るんです。あれは僕たちじゃないとできなかったんじゃないですかね?」と得意げに小泉監督を見やる。小泉監督からは「カットかけても止まらないんですよ。みんな、役っていうより楽しんでやってたよね。お前ら全員うるさかったぞ?」と返され、一同は喜びをあらわに。
“かるた王国”とも呼ばれるほど、競技かるたが盛んな福井県で合宿した真剣佑。「“地獄の特訓”なんて言われてますが、つらいとは思わず楽しんでやりました。今後の俳優人生においてとても大きな存在の作品になりました」と振り返る。それぞれの思いを受け、広瀬は「ここにいるみんなとの出会いが、今だけじゃなくて大人になってからも大きいものになるんだろうなと、撮影期間に感じていました」と感激。「笑顔を出すお芝居が難しいとずっと思っていんですけど、この作品ではそれがリアルにできたと感じられる瞬間や、初めての感覚がたくさんありました」と真摯に語った。
さらに広瀬は「平均年齢が若いから、若さってすごいな!と思っていました」とも。年長組の野村から苦笑されるも、広瀬は「みんなのエネルギーや活力がすごすぎて、負けてられないなって」と勢いよくしゃべる。続けて「一番はしゃいでやろうって思ってたんですけど、やっぱり(年上の)矢本さんとか周平くんには敵わなかったですね。次に会うときにはもっと追いつけるようになりたいです」と宣言すると、野村は余裕の笑みで「まあ、人生経験の差だね」とサラリ。そして「この映画を通して得たものは、広瀬すずと上白石萌音が、すごーくかわいかったっていうことですね」と述べ、女子2人を大いに照れさせた。「ちはやふる -上の句-」は本日より全国ロードショー。後編にあたる「
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