昨年11月に逝去した
会場に設置された祭壇は、生前より水木と親交が深かった
会に先立ち、京極、荒俣、布枝夫人が取材に応じる。どんな家庭だったかと聞かれた布枝夫人は、「別に何が合っても衒うこともなく、どなたにお会いするときでも自然体でやってました。このたび遺影にて、自然体すぎる写真を提供したことを反省しております」と笑顔を見せる。水木の弟子として知られる荒俣は、「話していると幸せにさせてくれる人で、『幸せ菌』をばらまいているのではないかと思うくらい。水木さんは日本の宝のひとつ」と別れを惜しんだ。京極は祭壇について「中央の丸い輪が開いている間は、向こう側の世界と行き来ができるんです。先生はとりあえずあちら側にいますけど、輪が開いているうちは先生に会える。皆さんには向こう側へ話しかけてほしい」とコメント。さらに水木のことは「まだ亡くなっていないですね。人間としてはご逝去されましたけれど、生前からそうでない部分が非常に多い方だったので」とも語った。最後に布枝夫人は、「かけてあげたい言葉は?」と問われると「53年間、ありがとうございました。まもなく私もついていきますので、あの世でもよろしくお願いします」と優しい表情でメッセージを送った。
関係者のみで行われた「お別れの会」第1部では、京極による挨拶のあと、荒俣が水木の功績を紹介。続いて、水木とは貸本時代からの付き合いだという
最後に、布枝夫人があらためて来場者へ挨拶。「皆様に認めていただき、温かく支えていただいたからこそ今日に至ったと思います」と感謝を述べ、「まだまだ頭の中には構想があったはずです。それらが日の目を見なかったことはとても残念」「とはいえ主人がいる、あちらの世界にはきっとマンガのタネがたくさんあって、たくさんストーリーを思いついているでしょう。だって生前から妖怪やあの世とは親しかったのですから。発表できなかった作品だけでなく、新しいマンガをあの世の読者に読んでもらっているかもしれません。きっとそうだと思います。生前は水木しげるを温かく見守ってくださってありがとうございました。今、主人もきっとこの会場にいて、皆様に感謝申し上げてることと思います」と締めくくった。
終了後の囲み取材には、
この第1部終了後には、誰でも参加できる第2部も執り行われ、多くのファンが参加。献花台に花を供えたほか、水木へメッセージを送ることができるという妖怪ポストに手紙を投函する姿も多く見られた。
※記事初出時、祭壇の説明に誤記がありました。お詫びして訂正いたします。
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きっと来世でもいい作品を。そんな言葉が自然に出てきました。