アニメ「サンダーボルト」試写、太田垣康男「ガンダムの歴史に入れたのは誇り」

太田垣康男原作によるアニメ「機動戦士ガンダム サンダーボルト」の第1話限定試写イベントが、本日11月23日にベルサール秋葉原にて行われた。

これは「ガンプラEXPO ワールドツアージャパン 2015」の一環として実施されたもの。第1話の先行上映後のトークショーには太田垣康男、松尾衡監督、サンライズプロデューサーの小形尚弘ほか、シークレットゲストとしてイオ・フレミング役を務めた中村悠一、ダリル・ローレンツ役を演じた木村良平が登壇した。

イオがジャズを好んでいるなど、音楽も肝となっている今作について太田垣は「（音楽を担当している）菊地（成孔）さんの楽曲が、イメージしてたものとピッタリでとてもうれしかったです」と絶賛。続けて「やっぱり効果音がすごい。ビームライフルの音が入ると、本当にガンダムになりますね（笑）」とコメントし、嬉しそうな表情を浮かべた。

今作は連邦軍のイオとジオン軍のダリルという2人が主人公であり、どちらかに肩入れするのではなく、両方から見た物語にしたかったと語る太田垣。松尾監督も「イオもダリルも根本は似た者同士。どっちかに主体を置いた話ではなくて、扱いとしては対等のつもりで、同じくらいのバランスで観られるように意識しました」と思いを口にした。小形プロデューサーは「今作は『ガンダム』シリーズ初の4K映像作品と銘打っているので、背景の密度感とか3Dのデブリのあたりとか、がんばったところにはそれだけの効果が出ているんじゃないかと思います」と作品の出来をアピールした。

声の収録が先に行われるプレスコにて制作された今作について、中村は「掛け合いのシーンは絵のガイドよりも横にいる演者さんが掛けてくるものを軸に動くことが多いので、信頼できる役者さんたちがズラッといる環境でやらせていただけることはありがたかったです。1人で撮ったり、バラバラだったら生まれなかったものもあると思う」と収録を振り返る。対する木村もダリル役で出演が決まったと知らされた際に「『イオ役は？ 中村さん？ よし来た楽しい！』って思ったんです」と微笑む。「掛け合いのシーンはそれぞれ一緒に録ることができたので、僕たち役者にとってももちろんなんですが、完成する作品にとってもきっと大きかったと思う。一緒にできてよかったし、贅沢でしたね」と感想を述べた。

そんな2人の演技を聞いた太田垣は「（劇中の台詞を）脳内で再生するときは自分の声がベースになるので、イオとダリルももうちょっと老けてたんです。それが中村さんと木村さんが声を宛ててくださったことですごく若返って、エネルギッシュになりました」と笑顔を見せる。さらに「せっかく映像にしていただくので、音楽が入る、SEが入るということでより魅力が増してほしいという思いがあって。そういう点ではとても満足のいく完成度だと思っています」とアニメの出来栄えに太鼓判を押した。それを受け松尾監督と小形プロデューサーは「最後まで裏切らないようにがんばります（笑）」と顔を見合わせ笑顔をこぼした。

最後に太田垣は「完成した映像を観終わったあとはちょっと目頭が熱くなりました。中学のときに初めて『ガンダム』に出会って、その『ガンダム』の歴史の中に自分の作品が入れたということは、とても誇りに思ってます。この感動を作品に触れた皆さんと共有できればと思っているので、2話3話4話と、完成したときにさらに一緒に喜びたいと思います。皆さんもそれまでどうか見届けてください」と集まった観客にメッセージを送った。

「機動戦士ガンダム サンダーボルト」は、アニメ「機動戦士ガンダム」を題材にしたオリジナル作品。一年戦争を舞台に、コロニーの残骸が大量に舞う「サンダーボルト宙域」をめぐるジオン軍と連邦軍の戦いが描かれる。アニメは全4話構成で展開され、第1話の最速先行配信はスマホ向けアプリ「ガンダムファンクラブ」にて12月11日に実施される。12月25日からは有料での配信も開始。配信サービスなどの詳細は後日公式サイトにて発表される予定だ。