近藤ようこ、メディア芸術祭大賞受賞で原作者と登壇「自由に描けた」

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第18回文化庁メディア芸術祭受賞作品の発表会が本日11月28日に都内にて行われ、「五色の舟」にてマンガ部門大賞を受賞した近藤ようこらが登壇した。

左からアート部門優秀賞を受賞した五島一浩、同じく真鍋大度、マンガ部門大賞を受賞した近藤ようこ、同じく津原泰水。

左からアート部門優秀賞を受賞した五島一浩、同じく真鍋大度、マンガ部門大賞を受賞した近藤ようこ、同じく津原泰水。

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近藤は原作小説を手がけた津原泰水とともに挨拶し、作品について「すでに定まっている原作の評価を損なわないよう、35年間マンガ家として学んできたことをいろいろ投入して描きました」とコメント。津原は「原作小説はマンガのために書いたものではないが、今では戦友のような思いを抱いています。近藤さんの美しい作画や演出が、受賞という結果につながったのだと思う。本当におめでとうございます」と、自ら近藤へ祝いの言葉を述べた。

すがやみつる

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マンガ部門の審査委員を務めたすがやみつるは、満場一致で大賞に決まったという「五色の舟」について「作家、マンガ家、そして編集者や出版社の勇気をすごく感じた」と評価。さらに受賞作全体について「今年はメジャーなものよりも、マンガファンから好まれる作品が増えた。この機会に人々の目に留まってもらえれば」と語った。また「たまたまだと思うが、面白いと思ったマンガが載っている雑誌に限って休刊ということが多くなってしまった」と、昨今の状況を憂う一幕も。

発表後に取材に応じた近藤は、作中の見世物小屋などの表現について「むしろ私のほうが『大丈夫かな』と思うぐらいで、自由に描かせていただけました」と執筆時を振り返る。また津原も「どちらかといえば危険なアイデアなので、『途中で連載を切られないように』とは思った」と、コミカライズへ抱いていた懸念を明かした。

文化庁メディア芸術祭は、メディア芸術の振興を目的とした祭典。ここのほかマンガ部門の優秀賞は、島本和彦「アオイホノオ」、李昆武とフィリップ・オティエによる「チャイニーズ・ライフ」、沙村広明「春風のスネグラチカ」、山上たつひこ原作によるいがらしみきお「羊の木」が受賞。また新人賞にはルネッサンス吉田「愛を喰らえ!!」、阿部共実「ちーちゃんはちょっと足りない」、池辺葵「どぶがわ」が輝いた。2015年2月5日からは、東京の国立新美術館を中心に受賞作品展が催される。無料で受賞作に触れられるチャンスなので、気になった人は足を運んでみては。

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木村航/茗荷屋甚六 @J_Myougaya

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