グルメマンガの中から実際に作って食べられる料理レシピを、毎回お題に沿ってピックアップし紹介する「コミックナタリーお料理部」。今回のテーマは「滋養たっぷり料理」。ちょっとした風邪であっても気になるこのご時世、熱っぽかったり、喉が痛かったり……そんなときに作りたいメニューを紹介する。体調を崩したときにはしっかり栄養を摂って、しっかりと休んでおこう。
イラスト
「長ネギと生姜たっぷりつみれ鍋」(福本伸行・萩原天晴・上原求・新井和也「1日外出録ハンチョウ」より)
「1日外出録ハンチョウ」2巻収録の9話に登場。いつものように「1日外出券」を使って地上へ出た班長・大槻だったが、外のベンチに放置されたことが仇となり風邪っぽくなってしまう。翌日の遊ぶ予定に間に合わせるため、大槻はひとりデイリーマンションへと引きこもり、完璧な食事と休養で風邪の撃退を図るのだった。
材料(2人分)
(A)豚ひき肉…200g、(A)生姜のすりおろし…大さじ1、(A)ゆず皮・塩・こしょう…少々、(B)だし汁…600ml、(B)みりん…大さじ4、(B)醤油…大さじ2、(B)酒…大さじ1、長ネギ…2本、白菜…1/4個、しめじ…1パック、人参…1/2本、おろしポン酢…適量
01. 長ネギを1/2本分みじん切りにして、(A)の材料と混ぜてよくこね、粘り気が出てきたら小さい団子状に丸めていく。
02. 白菜、しめじ、人参、残りの長ネギは一口大に切っておく。
03. 鍋に(B)を煮立て、沸いたら1を入れる。
04. つみれに火が通ったら2の具材を入れてさらに煮立てる。
05. 火が通ったら完成。おろしポン酢でいただく。
ポイント
基本的に鍋料理なので、具材は入れたいものを入れてよい。スープはめんつゆを希釈したものでもOK。残った汁は、軽く水洗いしたごはん(軽く2膳分)と溶き卵(2個)を入れて火にかけ、雑炊にして〆にしよう。
作品紹介
「1日外出録ハンチョウ」は「カイジ」シリーズに登場するE班班長・大槻を主役とした物語。帝愛グループの債務者たちが収容される強制労働施設で班長を務める大槻が、「1日外出券」を使って地上で飲み食いを楽しむ様子が描かれている。ヤングマガジン(講談社)にて連載されており、単行本は8巻まで発売中。2018年には「中間管理録トネガワ」のアニメをジャックする形でアニメ化を果たした。
「大水炊き展」(小林銅蟲「めしにしましょう」より)
「めしにしましょう」2巻収録の16話に登場。風邪を引いて寝込んでしまった广(まだれ)と青梅川のために、新人アシスタントの馬場くんが初の食事作りに挑戦する。包丁づかいもままならない彼が、妙に高性能なロボット掃除機の助言のもと、なんとか作り上げたのは……。
材料(3~4人分)
白菜…1個、鶏もも肉…2kg、塩…少々
01. 白菜と鶏もも肉を一口大に切る。
02. 鍋に水少々と白菜、白菜から水分を出すために塩少々を入れて火にかける。
03. ひたすら煮込んで白菜を煮崩す。
04. 白菜を半分取り出し、鶏もも肉を入れて、取り出した白菜を鍋に戻してさらに塩を振る。
05. 強火で10~15分煮込んだら完成。ゆずや七味など、お好みの薬味や味付けでいただく。
ポイント
鶏肉を水分少なめで煮込んだ際に出るダシが決め手。食欲のないときは汁だけ飲んでもあたたまる。よい鶏肉を使うと如実においしくなるが、煮込み過ぎると硬くなるので注意して。あまった分はシチューにしてもおいしい。
作品紹介
「めしにしましょう」は売れっ子マンガ家・广と、そのアシスタントである青梅川を中心とした異色の料理マンガ。いつも締め切りに追われている广に、青梅川は常軌を逸した材料や調理方法の「やりすぎ飯」を振る舞い、やる気の回復に務めるのだった。イブニング(講談社)にて連載され、単行本は全8巻が発売中。
「豚と野菜の煮込みあんかけうどん」(ふじつか雪「トナリはなにを食う人ぞ」より)
「トナリはなにを食う人ぞ」1巻収録の1話に登場。家事の苦手な女子大生・すずなは、マンションの隣に住む男子・瀬戸から料理を教わっていたが、ある日彼が風邪を引いてしまう。瀬戸にお世話になりっぱなしであることに引け目を感じていたすずなは、瀬戸のリクエストに応え、初めて独力で煮込みうどんを作ることにする。
材料(1人分)
冷凍うどん…1玉、豚こま肉……50g、卵…1個、大根…3cm(100g)、人参…1/5本(30g)、長ネギ…1/3本(50g)、かぶ…1個、かぶの葉…1個分、生姜…1かけ、だし汁…2・1/2カップ、(A)酒…大さじ1、(A)みりん…大さじ1・1/2、(A)醤油…大さじ1、(A)塩…小さじ1/4、(B)片栗粉…小さじ1、(B)水…小さじ2
01. 具材を切る。大根・人参は短冊切り、長ネギは斜め切り、かぶは皮をむいてくし切り、かぶの葉はざく切り。生姜は皮をむいてすりおろす。
02. 冷凍うどんを水にくぐらせ、耐熱容器に入れてラップをし解凍する。(B)は合わせておく。
03. 鍋に大根、人参、長ネギ、だし汁を入れ強火にかける。沸いてきたら(A)を加える。
04. 豚肉を入れてアクを取り、かぶ、かぶの葉、うどんを入れて蓋をし、中火で5分煮る。
05. (B)を回し入れてとろみを付ける。1分ほど煮たら溶き卵を回し入れる。
06. おろし生姜を乗せたら完成。
ポイント
かぶは葉にも栄養が多く含まれているので入れるようにしよう。具材の大きさを揃えるのが、味を均等にしみさせるコツ。とろみを付けてから少し煮込むことで、卵が汁を濁らせることなくふんわりと固まってくれる。
作品紹介
「トナリはなにを食う人ぞ」は大学進学を機に一人暮らしを始めた生活力ゼロ女子・すずなと、その隣人にして料理が得意なクラスメイトの瀬戸を軸としたグルメラブコメディ。LaLa、AneLaLa(どちらも白泉社)にて連載され、単行本は全3巻が刊行されている。アプリ・マンガParkでは、同棲する2人を描く新シリーズ「トナリはなにを食う人ぞ ほろよい」が連載中。
※記事初出時より、一部表現を変更しました。
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ちなみにほんっっっっとうに美味しかった。滋養強壮とかそういうレベルじゃなく毎週食べたい味してる
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