黒澤明の映画「醉いどれ天使」舞台化、三船敏郎が演じた松永役に桐谷健太

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黒澤明が監督を務めた映画「醉いどれ天使」の舞台化が決定。蓬莱竜太が脚本、三池崇史が演出を手がけ、9・10月に東京と大阪で上演される。

左から桐谷健太、高橋克典、佐々木希、高嶋政宏。

左から桐谷健太、高橋克典、佐々木希、高嶋政宏。

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映画「醉いどれ天使」撮影の様子。(写真提供:三船プロダクション)

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「醉いどれ天使」は、黒澤と三船敏郎が初めてタッグを組んだ映画。同作は映画が公開された1948年4月の約半年後に、映画とほぼ同じキャストとスタッフによって舞台版が上演されている。2021年版となる今回は、出演者に桐谷健太高橋克典佐々木希高嶋政宏が名を連ねた。

作中では闇市を支配する若いやくざ・松永と、酒好きで毒舌な貧乏医師・真田のぶつかり合いを中心とした物語が展開。蓬莱は「若くしてどう生きるのかという問題に直面した主人公のもがき苦しむ姿は、僕たちに向けられた応援歌ではないかと。そう思って、新たな気持ちで執筆させてもらいました」と語り、三池は「マスク越しの呼吸にも少し慣れてきた今、凍えた体と心を温めに来て下さい。劇場で小さな陽だまりを作ってお待ちしています」と呼びかける。

映画版で三船が演じた松永役を務める桐谷は「東京に出てきて間もない頃、色んな人に目がギラついてるねと言われたあの頃、ひとりのおっちゃんに『お前の眼光は往年の三船敏郎みたいやな』と言われ、ちょっぴり嬉しく想ったことを覚えています」とエピソードを明かし、「無事に生きて帰れるか分からないですが(笑)、全力で入り込んでいきます。見届けていただけたら幸いです」とメッセージを送る。さらに映画版で志村喬が演じた真田役を担う高橋は「今回演出の三池監督とは映画『サラリーマン金太郎』以来にご一緒させて頂けることも嬉しく、三池監督の世界観で“人間味の溢れる男たちの葛藤”をどう演じていくのか今後始まる稽古を楽しみに台本と向き合っています」と意気込みを述べた。

公演は9月3日から20日まで東京・明治座、10月1日から11日まで大阪・新歌舞伎座にて。蓬莱と三池、出演者のコメント全文は下記の通りだ。

蓬莱竜太コメント

戦後の闇市に流れる「どこに向かうのか」という空気は、質は違えど今この時代に強く感じることがあります。

若くしてどう生きるのかという問題に直面した主人公のもがき苦しむ姿は、僕たちに向けられた応援歌ではないかと。

そう思って、新たな気持ちで執筆させてもらいました。

三池崇史コメント

冬の曇天。わずかな雲の隙間から差し込む陽の暖かさに触れ、幸せを感じたことはありませんか?

「明日は晴れるかな」という小さな灯りが見えるだけで人の心は癒され、生きる喜びを感じる。「醉いどれ天使」はそういう芝居です。マスク越しの呼吸にも少し慣れてきた今、凍えた体と心を暖めに来て下さい。劇場で小さな陽だまりを作ってお待ちしています。

桐谷健太コメント

醉いどれ天使……黒澤明監督と、新人で初主演だった三船敏郎さんの黄金タッグ。

東京に出てきて間もない頃、色んな人に目がギラついてるねと言われたあの頃、ひとりのおっちゃんに「お前の眼光は往年の三船敏郎みたいやな」と言われ、ちょっぴり嬉しく想ったことを覚えています。

そこから時も経ち、こうして三池監督とタッグを組めることを、嬉しく、本当にありがたく想います。

戦後の闇市で不器用ながらも情の深い漢たち。この時代の漢を演じ、生きることは、とてつもないパワーとエネルギーが必要です。無事に生きて帰れるか分からないですが(笑)、全力で入り込んでいきます。見届けていただけたら幸いです。

高橋克典コメント

4年ぶりに舞台に出演することとなり、嬉しさや怖さも含めて楽しみです。

そして日本映画史に残る黒澤明監督「醉いどれ天使」という作品の舞台に参加させて頂けることが光栄です。

今回演出の三池監督とは映画「サラリーマン金太郎」以来にご一緒させて頂けることも嬉しく、三池監督の世界観で“人間味の溢れる男たちの葛藤”をどう演じていくのか今後始まる稽古を楽しみに台本と向き合っています。また桐谷健太君とはがっつりと共演したことがないので、こちらも楽しみであり一緒に素晴らしい作品を作り上げていきたいと思っております。

佐々木希コメント

今回「醉いどれ天使」の舞台のお話を頂いた時は、本当に驚きました。舞台の出演が約6年ぶりでしたので、正直怖さもあり悩みました。ですが、台本を読ませていただき、人間の綺麗な部分だけを描いているのではなく、もがきや葛藤する姿など人間味溢れる人々の物語にとても引き込まれました。それと同時に、この世界を三池さんがどのように演出してくださるのだろう……と考えると楽しみに変わり、自然と参加させていただきたいという気持ちが高まっていきました。気さくながらも真っ直ぐに松永を支え寄り添う“ぎん”という女性が愛おしく、そんな女性を演じる事が今から楽しみで仕方ないです。

高嶋政宏コメント

僕がもっとも敬愛する映画の神様のおふたり、黒澤監督と三船敏郎さん。

この世界を仰天させた空前絶後のゴールデンコンビの大進撃の始まりの記念すべき作品「醉いどれ天使」。

この作品の舞台化へのオファーを頂いた時、喜びのあまり、思わず家で叫んでしまったことは言うまでもありません。

僕が初めて観たのは高校生の頃。当時、VHSが擦り切れそうになるほど何度も何度も観ました。

あの衝撃はいまだに忘れません。その衝撃の作品の舞台化に出られるなんて!と今から興奮してはいますが、冷静に、そして、この興奮のエネルギーはそのままにお客さんが楽しんでもらえる舞台になるよう精進します。

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「醉いどれ天使」

2021年9月3日(金)~20日(月・祝)
東京都 明治座

2021年10月1日(金)~11日(月)
大阪府 新歌舞伎座

原作:黒澤明、植草圭之助
脚本:蓬莱竜太
演出:三池崇史
出演:桐谷健太高橋克典佐々木希高嶋政宏

※高嶋政宏の「高」は「はしごだか」が正式表記。

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