この劇場から王者が生まれる瞬間をたくさん見てきた、豪快キャプテンと天才ピアニストが語るよしもと漫才劇場

大阪・よしもと漫才劇場、森ノ宮よしもと漫才劇場が、2年ぶりとなる夏フェス「マンゲキカップ2026」を開催! ベテランMCの天才ピアニスト&フースーヤ、新MCの豪快キャプテン&ジョックロックを中心に、マンゲキメンバーがチームに分かれて2つの劇場を行き来しながら15以上の公演を実施する。

お笑いナタリーでは、各チームのリーダーを務める豪快キャプテンと天才ピアニストの2組にインタビュー。お互いの印象や仕事への向き合い方を聞くと、スタンスは違えどどちらのコンビにも自分たちが目指すお笑いへの真摯なまなざしが見えてきた。

「マンゲキカップ2026」にはそんな彼らを含めた100組以上が大集合。いろんな個性を持つ芸人が力を合わせて作り上げる夏フェスは、見逃せない1日になること間違いなし。豪快キャプテンと天才ピアニストが明かす注目芸人も要チェック!

取材・文 / 狩野有理撮影 / 浜村晴奈

信頼と実績の2組

──大阪・よしもと漫才劇場、森ノ宮よしもと漫才劇場の今年の夏フェス「マンゲキカップ2026」MCに、新しく豪快キャプテンとジョックロックが就任されました。これを記念して、かねてから大型イベントのMCをはじめ劇場の中心メンバーとして活躍されている天才ピアニストと、新MCとなった豪快キャプテンのお二組にお話を伺います。

豪快キャプテン・山下ギャンブルゴリラ MCという立場はうれしいはうれしいですけど、「そんなタイプでもないやろ」とは自分らで思ってます。だから、まだようわかってないですね。

豪快キャプテン・べーやん ほんまの中心より、参謀的な立ち位置のほうが自分たちには合っている気がします。

山下ギャンブルゴリラ まあ、実績がついてしまったからしゃあないかなって感じですね。

天才ピアニスト竹内 うるせえなあ(笑)。でもこれまで一緒にMCを務めていたダブルヒガシさんとカベポスターさんが東京へ行かれて、めっちゃデカい穴が空いた喪失感はあったんですけど、そこに豪快キャプテンさんとジョックロックが来てくれたので、楽しみではありますね。我々とフースーヤは一昨年からMCをやらせていただいていますけど、“まったく新しいMC4組”というふうに見えると思います。

天才ピアニストますみ ダブルヒガシさん、カベポスターさんには申し訳ないですけど、「全然大丈夫です」と言ったところです。

べーやん いいねえ。

左から竹内、べーやん、ますみ、山下ギャンブルゴリラ

左から竹内、べーやん、ますみ、山下ギャンブルゴリラ

ますみ 正直、私たちがMCをやるのは3年目で、ありがたい反面、そろそろ交代もあるんちゃうかなとも思っていたんですよ。

べーやん でもやっぱり信頼よね、劇場からの。

ますみ そうですね。トロフィーをいっぱい持ってしまっているので。

竹内 やめて! 山下さんに引っ張られてるわ。

山下ギャンブルゴリラ 実績だけはあってしまうからなあ。

竹内 嫌やねんな、この2人(笑)。

ますみ もっとフレッシュで勢いある子たちもいるんですけど、また選んでいただいたからには劇場のお姉さんという自覚を持って、後輩たちをシバいていきたいなと思います。

べーやん ビシバシね。

──すでに仲良しな雰囲気が感じられますが、お互いの印象をお聞かせいただけますか?

山下ギャンブルゴリラ 天才ピアニストは劇場に入る前からなんやかんや知っていて、そのときは面白いけどスベったりもする、みたいな状況でした。

ますみ スベったりもする(笑)。

山下ギャンブルゴリラ 僕は前のコンビで劇場に入ったり、降格して入れ替え戦に出たりを経て解散してしまったんですけど、そうこうしているうちに、あれよあれよと雲の上の人になってしまって。そんな人らとこうして一緒にMCできるのはうれしいですね。

竹内 雲の上になったことないって!

山下ギャンブルゴリラ 何個も賞を獲って、テレビのレギュラーもいっぱいあって、頼もしいです。

ますみ 河部さん(べーやんの本名)はどうですか?

べーやん ずっと「UPTOYOU!!」というオーディションライブのときから見てきましたけど、ほんまに垢抜けたなって思います。どんどん芸能人のオーラを身にまといつつある。華もすごい出て。

天才ピアニスト。左からますみ、竹内知咲

天才ピアニスト。左からますみ、竹内知咲

──以前は華がなかった?

べーやん 地味で汚らしくて。

ますみ はあー? 汚い時期あった?

べーやん あったよ!

山下ギャンブルゴリラ ますみなんか、街中におるかわいらしい女性という感じやったのに、今ではもう“お笑い芸人さん”。見ただけで完全に“お笑い芸人さん”ってわかる。

ますみ 褒められてんの?(笑)

べーやん 竹内もメイク覚えて。ずっとすっぴんやったもんね。

竹内 そうでしたね。

ますみ ギャンゴリさんにもよく「今日えらい真っ白塗って」って言われてましたから。

竹内 ギャンゴリさんがいっつもファンデーションの境目のことを言ってきて(笑)。

山下ギャンブルゴリラ でも上手なってるで。以前は首と顔の色が全然違う場面が多く見られたけども。

竹内 今は自然?

山下ギャンブルゴリラ 自然! さっきも写真撮るときペッペと口紅足していて、意識が高なってます。

──天才ピアニストのお二人から豪快キャプテンはどう見えていますか?

ますみ 出会った頃の記憶こそあんまりないんですが、大好きです。

竹内 これほんまです。意外とますみ、これ言わないので。

べーやん それはうれしいわ。

豪快キャプテン。左からべーやん、山下ギャンブルゴリラ

豪快キャプテン。左からべーやん、山下ギャンブルゴリラ

ますみ 劇場におったらめっちゃうれしい先輩ですね。いたら安心。

べーやん ますみには、奥さんの誕生日プレゼントで困ったときとかに相談してます。

ますみ ChatGPTかっていうくらい、いろいろ聞いてきます(笑)。そういう相談もしてくれるし、こっちもいろいろ聞くし、信頼感はすごくありますね。

竹内 ギャンゴリさんは前のコンビのときから完成していましたよ。舞台の上にこのまま出ていって、このまま怒鳴って帰ってくる、みたいな。それがめっちゃおもろいし、今も変わっていないのがすごいと思います。はっきりと“自分の戦い方”を持ってはる人。いらんことをやらない。ウケることに寄せるなんてシャバいことしない。本当にその場に出てきて今しゃべってます、という感じが、漫才師としては憧れるスタイルですね。頭で笑っているんじゃなくて、気づいたら笑かされてる。台本に起こしたら「何がやの?」という感じなんですけど、それって理想的じゃないですか。

ますみ そやねん。ほんまにただの日常会話。この2人がやるからおもろいっていう。

山下ギャンブルゴリラ うれしいですねえ。

竹内 べーやんさんは、ギャンゴリさんに怒られてポンコツみたいなキャラに見えていると思うんですけど、私が最初に抱いた印象としては、むちゃくちゃ器用。ピンでネタをされていたとき、コメディ寄りの演技でコントをしていたんですが、1人コントってけっこう器用さが出るんですよ。

山下ギャンブルゴリラ ほんま? この前テレビでピンネタしてほんこんさん泣かせてたで? 「こんなにおもんないネタをがんばってやってる」ってことで。

ますみ竹内 ええー?

べーやん そう。泣かせてしまったんや。

ますみ でも器用やからこそ、ポンコツな人になりきれているんですよ。

山下ギャンブルゴリラ いやいや、けっこう厳しいで?

ますみ竹内 あはははは!(笑)

べーやん そんなことないよ!

山下ギャンブルゴリラ 会話がでけへんからね。「誰がそんなん聞いた?」みたいなこと返してくるから。

ますみ ネタのままや(笑)。

豪快キャプテンと天才ピアニスト

豪快キャプテンと天才ピアニスト

豪快キャプテンと天才ピアニスト

豪快キャプテンと天才ピアニスト

今は評価されていなくてもパッと光が当たる瞬間が必ず来る

──よしもと漫才劇場に所属後、劇場の中心メンバーとなり、数々の賞レースやバラエティで大活躍の2組。マンゲキでの経験が先ほどのお話にあった“信頼と実績”につながっていますよね。

山下ギャンブルゴリラ やっぱり、日々ネタをやる場があるっていうのは大きいですね。平日のライブで新ネタを下ろしてもいいし、もともとあるネタを磨いてもいい。で、それを土日の寄席で試せる。ほかの事務所さんではなかなか難しいと思うんですよ。

竹内 出番があればあるほど力を試せますからね。

べーやん 上位とらにゃいけんもんな。

山下ギャンブルゴリラ いや、意味わからんって。「上位」って何?

べーやん 「グランドバトル」で上位になったら劇場出番がいっぱい増えるってことじゃないですか!

山下ギャンブルゴリラ 遠いやろ、なんぼなんでも! 毎日公演があるからネタを磨けるって話で、「グランドバトル」がどうとかは今言ってないやん!

ますみ竹内 あはははは!(笑)

──(笑)。でも確かに、2カ月に一度ある「グランドバトル」は賞レースで成績を残している方でも1位を獲るのが難しいと聞きます。

山下ギャンブルゴリラ 「グランドバトル」は難しいですね。

ますみ でもこの人ら、勝ってますから。

山下ギャンブルゴリラ お客さん票がなかなか入らないんです。お客さん票1位がうただやったときもあるんですよ。ほんまに人気とか知名度は関係ない。どんどん面白い人が見つかっています。

竹内 刺激がありますよね。さっきまで同じライブに出ていた人たちが「M-1」や「キングオブコント」、全国区の賞レースを獲っていくのも何度も見てきましたし。ビスケットブラザーズさんやミルクボーイさん、たくろうさんとか。その人たちが裏でどのくらいがんばっているかも同じ劇場にいたらわかるんですよ。袖にはけてきて話し合っている姿や、遅くまで残ってネタ合わせしているところ、そういう場面を見ると「自分もがんばろう」と思えるし、「ほんまに勝てるんや」という実感にもなります。賞レースの決勝は東京で行われることが多いので、大阪にトロフィーを持って帰ってきてくれるのもうれしいです。

インタビューに答える天才ピアニスト竹内、豪快キャプテン・山下ギャンブルゴリラ

インタビューに答える天才ピアニスト竹内、豪快キャプテン・山下ギャンブルゴリラ

山下ギャンブルゴリラ まあでも、みんなそれでトロフィー持って東京行ってしまうもんな……。

竹内 東京で活躍している姿もカッコいいじゃないですか(笑)。

ますみ 面白いけどくすぶってる、なかなか評価されへん人たちがいっぱい漫才劇場の中にいて、パッと光が当たる瞬間を目にできるっていうのはしびれますね。

竹内 ほんまにそれが何回もあった。いつ誰がどうなるかわかりませんよ。

山下ギャンブルゴリラ 「めちゃくちゃ面白いけどまじで人気ない」っていう人らって、そのあと絶対売れてるよな。そういう人のほうが売れてる気がする。

ますみ うただやな。

──ほかにも今注目しておくべき!という芸人さんがいたらぜひ教えてください。次世代のMCを担うんじゃないかという期待を込めて。

山下ギャンブルゴリラ 次の世代のMCで言ったら、例えば炎ちゃう?

竹内 cacaoとか、三遊間。

ますみ 私はタイムキーパーにがんばってほしいんですけどね。MC力も、華もあるし。

山下ギャンブルゴリラ 実績もあるからね。結成2年目で「M-1」準決勝行ってるから。

ますみ ただ、それをずっと言ってるのがダサいねんけどね(笑)。

山下ギャンブルゴリラ そのダサさもおもろさやから!

べーやん 生姜猫もすでにいろんな賞レースの決勝に行っているので、MCしている姿も想像できますね。

インタビューに答える天才ピアニストますみ、豪快キャプテン・べーやん

インタビューに答える天才ピアニストますみ、豪快キャプテン・べーやん

山下ギャンブルゴリラ あと、彼岸花な。

竹内 MCはまだ早いんちゃう!?(笑) めっちゃおもろいけど。

山下ギャンブルゴリラ でも俺らもそうやった。全然MCなんかするタイプじゃないけど、ダブルヒガシとかが面白がってくれて、その横におったらこうなってるから。彼岸花もそんな感じでゆくゆくはMCするようになるんと違う?

べーやん 幸のとりはどうですか? ビジュアルもいいじゃないですか。

山下ギャンブルゴリラ めっちゃ面白いし、何かで優勝するかもしれんけど、MC……?

ますみ あはははは(笑)。女の子で言うと、爛々。今は大国さんがお休み中ですけど、萌々ちゃんの漫談おもろいし、中心を担ってほしいですね。

山下ギャンブルゴリラ あと俺と竹内は、獅子丸も応援したいよな。

竹内 はい。ゴエモンにもういっちょ!とん平が入ったトリオです。まだ劇場メンバーでもないですけどね。

山下ギャンブルゴリラ 面白いかどうかはわかりません。ネタ見たこともないです。ただかわいがってはいますので、ぜひ上がってきてほしいです。

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熱量が同じ相方