音楽とお笑いの大宴会「DAIENKAI」が、今年も東京ガーデンシアターで開催! 人気芸人×アーティストのこの日限りの豪華共演が、7000人収容のどデカい会場で、7月31日(金)から8月2日(日)の3日間にわたって繰り広げられる。
お笑いナタリーでは初日7月31日の「しらす鬼おろしの回」と題したブロックで共演するロックバンド・Hump Backのボーカル&ギター林萌々子と囲碁将棋の“作戦会議”の場を用意。アーティストと芸人、それぞれの信念に迫りつつ、お互いの好きなところ、ターニングポイント、そして当日どんなコラボができるか、語り合ってもらった。
取材・文 / 小林千絵撮影 / 入江達也
公演情報
DAIENKAI 2026
日時
2026年7月31日(金)10:00開場 11:00開演 21:00終演予定
2026年8月1日(土)10:00開場 11:00開演 21:00終演予定
2026年8月2日(日)10:00開場 11:00開演 21:00終演予定
会場
東京・東京ガーデンシアター
囲碁将棋は声が出ている!
──林さんは、今日この対談の前にルミネtheよしもとで囲碁将棋のネタをご覧になってきたんですよね?
林萌々子(Hump Back) はい。めっちゃ面白かったです!
囲碁将棋・文田大介 マジでスベらなくてよかったです。けっこうスベることあるんで。
囲碁将棋・根建太一 頻繁にな(笑)。さっき林さんに「声が大きかった」と言ってもらってうれしかったです。
林 自分がバンドマンだから声の大きさを気にしてしまうんですよ(笑)。
根建 声デカくてよかったー。
林 お二人とも素晴らしくて! めっちゃ客席まで声が飛んできて、すごいなって思いました。
文田 林さんが後ろで見てくれているのを知っていたので、いつもより大きい声を出しました(笑)。
根建 技術がないので声量でごまかしてます(笑)。あとは楽しそうにやるということを意識しました。
──林さんはルミネtheよしもとでお笑いをご覧になるのは初めてでしたか?
林 初めてです。「本物や!」って思いました。お笑い好きな友達が多くて、大阪に住んでいるのでマンゲキ(よしもと漫才劇場)やNGK(なんばグランド花月)、あとは森ノ宮(森ノ宮よしもと漫才劇場)はよく行きます。
根建 めちゃくちゃお笑い好きじゃないですか!
林 でも誰かを目当てに観に行くというよりは、友達が「この日観に行きたいから一緒に行こう」と誘ってくれて、一緒に行かせてもらっているという感じで、お笑いナタリーさんで「お笑いが好きです」と言っていいほどではないんですけど……。小学生くらいの頃、お父さんとお母さんと毎週近所のTSUTAYAに行って「ダウンタウンのごっつええ感じ」を3本くらいレンタルして、一週間かけて家族で観て、また週末になったらTSUTAYAに行って3本くらい借りるということをしていました。
文田 十分お笑い好きですよ!
「拝啓、少年よ」がお気に入りの文田&娘
──囲碁将棋とHump Backは「DAIENKAI」の初日7月31日(金)にコラボを展開する予定です。当日に向けてお二組の共通点や相性のよさを探っていきましょう。囲碁将棋はこのコラボが決定する以前からHump Backの楽曲がお好きだったとお伺いしました。
文田 マヂカルラブリーと2組でツアーをしたときに、社員さんたちと一緒にカラオケに行ったんですが、すごく控えめな社員さんが「これだけ聴いてほしいんです」と言ってカラオケでHump Backさんの「拝啓、少年よ」を熱唱したんです。それがすごく刺さって。家でもずっと聴いていたら小学5年生の娘も覚えて歌うようになり、遠足のバスの中でカラオケをするときに「拝啓、少年よ」を歌っていたそうです。
林 えーうれしい!
文田 娘の小学校はキリスト教系の学校なので「神様なんていないぜ」という歌詞ですごくウケたと言ってました(笑)。僕もカラオケに行ったら絶対に「拝啓、少年よ」を歌ってます。
根建 なので僕は、文田が歌う「拝啓、少年よ」をよく聴いています(笑)。
林 めっちゃうれしいです。あの曲、8年くらい前に出した曲なんですよ。
文田 えっ、そうなんですか!? 僕、世間のことをあまり知らないから最近のヒット曲なんだと思っていました。
林 リリースした当時もよくラジオで流してもらいましたが、「いろんな人に聴いてもらっているな」と実感し始めたのはここ2、3年です。SNSで使われるようになってからですかね。
音楽でも“スベる”
──冒頭で囲碁将棋のお二人は「今日、スベらなくてよかった」というお話をされていましたよね。音楽のライブにも“スベる”という感覚はあるのかふと気になったのですが、林さんどうですか?
林 めちゃくちゃあります。
文田・根建 へえ!
林 いわゆるお笑いの“スベる”とは少し違うかもしれないですが「乗り切れなかったな」と思うことはあって。例えば「今日の対バン相手的にお客さんは若い子が多いから、こういうこと言っても刺さらんかな」とか、「今日は年齢層が高めだろうから、こういうふうにしゃべったらいいかな」とか、客席の雰囲気を想像してライブに臨むんですが、想像とまったく違って間違えちゃうときもあるんですよ。そのときにどこまで自分がその場で対応して、モードを切り替えられるかが勝負ですね。
文田 間違えちゃうことがあるんですか?
林 あります、あります。私のスタイル的に、ちょっと生意気なことを言うほうがやりやすいんですね。「平日にライブハウス来るってことは、まともな奴はおらんってことですね」とか。そしたらほんまに悪い奴だと思われたりする(笑)。
根建 あー、「なんだこいつは」って。
林 そうです。だから「DAIENKAI」もどうなることかとビビってます。
根建 でも「DAIENKAI」でアーティストの方がスベってるのは見たことないですよ。
文田 芸人とは全然盛り上がり方が違います。それを見て、芸人はみんな「やっぱミュージシャンには勝てないな」ってなります。
林 でも割合的にはお笑いのお客さんのほうが多いんですか?
文田 僕の体感だとお笑いのお客さんのほうが多い気はするんですけど、結果的に盛り上がっているのはアーティストなので「お前ら……」ってなります(笑)。
──ちなみに、囲碁将棋のお二人はスベったときにどう対処するんですか?
文田 切り替えるとかはないです。持ち時間が短いので、切り替えないです。
根建 10分我慢すればいいんで(笑)。
林 「今日はそういう日か」って?
根建 そうです。耐えるしかない。「キツいなー」っていう。
文田 巻き返すことなんかないです。
──でもスベるのは嫌なんですよね?
根建 嫌です!
文田 ずっとウケているほうが当然いいですから。
子供を死ぬまで食わす文田、なんの目標もない根建
──Hump Backは結成から17年、囲碁将棋は22年と、2組とも長く活動されていますね。「この芸、この音楽で食っていくぞ」と決意した瞬間、「食っていけるぞ」と確信できた瞬間を教えてください。
林 私はそもそも「音楽でご飯を食べたい」が目標じゃなかったんです。でも子供を産んでからはっきり変わりました。
文田 「食わさなきゃ」って思うようになったんですか?
林 そうです。というか、子供を産むまではほんまに自分勝手にやっていて。今はありがたいことに注目してもらって音楽でご飯を食べられているけど、もし食べられなくなってもバイトしながらでも音楽を続けられればよかったんです。曲ができなくても無理やり作るものじゃないと思っていたし。そのときはそのときで本気でやっていたつもりですけど、今思えばそれは甘えでもあった。だけど子供を産んでから「ロックンロールで子供を食べさせてるってめっちゃカッコいいやん!」と思うようになって、いい意味で音楽が仕事になりました。
──産休前、さらに遡るとインディーズ時代からHump Backは十分な人気を獲得していたと思いますが、「食べられなくなったとしても……」という思いもあったんですね。
林 正直、自分では「人気がある」という実感があまりなくて。“数字が伴っている”とか“お客さんがたくさん来てくれている”ということではなくて、“自分に納得ができているか”がジャッジラインだったんですよね。そういう意味では、けっこうくすぶっている感覚でした。
文田 僕らとは全然違いますね。そもそも僕らは来年食えてなくてもおかしくないので、ずっとギリギリで戦っている感じです。だから「食っていける確信」とかはないです。
根建 確かに。
文田 30代までずっと貧乏で突っ走ってきたから、全部の欲がなくなっているんですよ。高級な店に行きたいとか、高級な車に乗りたいとか、そういう欲が全部貧乏時代にそぎ落ちて。
根建 助かったよな。
文田 助かった。
──林さんのようにお子さんの誕生が気持ちに変化をもたらすことはありませんでしたか?
文田 僕は子供に対して「死ぬまで食わせてやる」とだけは決めているんですけど、例えば大学進学のお金が足りなくても出さないです。そこに大学の授業料は入っていないっていう。その代わり、僕が90歳くらいで子供が70歳でも飯は食わせるけど。
根建 僕は「家族のため」とか思ったことは一回もないかもしれません、すみません。「お笑い」という職業を選んじゃった時点で、どうなるかわからないですし。
──それでいうと、林さんがおっしゃっていた「自分が納得できるかどうか」が活動する上で大きいですか? それとも「売れたい」という気持ちが大きい?
林 芸人さんは劇場かテレビかみたいなところにもこだわりがありそうですよね。芸人さんのお友達がいるんですけど、劇場で人を笑かすか、テレビで人を笑かすか、みたいな話をよくしているイメージがあります。
文田 僕は自分の職業を“お笑い芸人”じゃなくて“漫才師”だと思っているので、メインは劇場かもしれないです。漫才師としてテレビに出られるんだったら出たいですけど。
根建 僕は、何のこだわりもないです。
林 あははははは(笑)。
根建 目標もないですし、言われたことをやっているだけです。「明日は劇場です」って言われたら劇場に行きますし、「明日はテレビ局に行ってください」って言われたらテレビ局に行きます。だから「劇場で生きていく」とか「テレビがどう」とか、そういうのもまったくない。
文田 すごろくみたいなもんです。
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営業先でスベることが名誉だと思っていた
