今月のお笑い 48本目 [バックナンバー]
ウエストランド井口と作家飯塚が語る「2026年5月のお笑い」
リニア酒井じゃなくてツートライブたかのりのビジュ爆発、Jの才能開花、9歳男児のエンタメ批評「ナダルが面白い」
2026年6月5日 18:00 18
そして今月でこの連載は5年目に突入! ヘッダーイラストは引き続きマンガ家の
構成
※取材は5月29日に実施。
リニア惜しかった
飯塚 「THE SECOND」は
井口 そりゃあ喜んでるでしょ(笑)。この間、(「THE SECOND」グランプリファイナルのMCを務めた)
飯塚 平場も2人のよさが出ていたよね。
井口 東野さんが一瞬で見抜いてしょうへいさんのことイジってましたね。
──前回の取材で飯塚さんが「しょうへいさんは心身ともに坊主」とおっしゃっていたのがそのまま出たようなやり取りでした。
井口 まあ、ここから可愛い子ぶり出す可能性はあるので、一応釘は刺しておきました(笑)。今のところ(リニアの所属事務所の)人力舎のフルパワーを使って、「白黒アンジャッシュ」(チバテレ)、「おかしば」(文化放送)、「REQ JAM」(JFN系、真空ジェシカ・ガク&吉住が出演)、「岡野陽一の肉の塊」(TBSラジオ)には出ていますけど。
飯塚 酒井さんは「タイマン森本」のオファーが当然来ると思ってたけど全然来ないから自分で「出してくれ」って言ったらしい(笑)。
井口 ここからいろいろあるんじゃないですかね? 少なくとも「さんまのお笑い向上委員会」(フジテレビ)とか「マルコポロリ!」(カンテレ)とかはいつも「THE SECOND」特集回をやっていた気はするので。そういうところに出られるといいですよね。
飯塚
──酒井さんのビジュ爆発(※)写真がなかなか見つからないという。
※編集部注:リニアが披露したネタの内容にちなみ、ビジュ爆発している芸人の写真をXに投稿するファンの運動が活発化。肝心の酒井がビジュ爆発している写真はなかなか出てこず、それより先に前回大会王者のツートライブたかのりのカッコよさに気づくお笑いファンが続出した。
飯塚 今年のビジュ爆発枠で、なぜか
井口 なんで1年気づかなかったんだよ(笑)。
──酒井さんはまだ爆発していない?
井口 しないでしょ。
飯塚 しないかなあ(笑)。
井口 昔からああいうナルシスト的なことを本気で思って言い続けてますからね。「ナルシストライブ」っていうライブも何年もやり続けていた人なので。
飯塚 過去の蓄積を掘り出されるっていう新しい跳ね方をしてるよね。「ナルシストライブ」とかって当時は「何そんなことしてんの」みたいに言われていたと思うけど、撒いた種が今ちょっとずつ花咲いてきているっていう。
井口 なんでもやっておくことですね。
「THE SECOND」も競技化
飯塚 「THE SECOND」も「M-1」っぽくなってきている気がした。第1回大会はツカミや客席に投げかけるようなくだりが多かったけど、競技化が進んでる。
井口 今回ツカミ全然なかったですもんね。
飯塚 これまでは普段寄席でやっている6分ネタを持ってきている感じだったけど、みんな「THE SECOND」用の6分を仕上げて来てる。そういう意味でも、優勝したトットは完成された掛け合いだった。
井口 こういう人が優勝できるのがいいところですよね。「M-1」決勝には行けなくてもずっと漫才を愚直にがんばり続けてきた人が報われるっていう。
飯塚 一発だけの爆発というよりは、着実に実力をつけて、3本ネタが揃っている人がちゃんと勝つ。そんな中、ずっと変なことしてた
井口 この日だけの大会ではありますけど、年間を通してずっとがんばってきている人が勝っていますよね。そういう中で勝ち切るのはやっぱり難しい。トットさんも年間800ステージとかやっていると言っていましたけど、(常設劇場のない)よしもと以外の芸人が舞台に立ち続けることは不可能に近いので、その難しさはある。
飯塚 リニアはとんでもない数の自主ライブをやってた。吉本と競り合うにはそうせざるを得ない。
井口 結果を残すのはちゃんとそうやっている人。何もやらなきゃ勝てない。
金属バットの3本目
飯塚
井口 でもギャロップさんも1ボケだけのネタで優勝しているので、常套手段ではあると思うんですよ。金属バットさん本人も言っていた通り、優勝したら劇場のギャラが上がるから優勝したくないわけないと思いますし。
飯塚 ただ、ほかの人をフリにしている漫才ではあるから、それをどう評価するかも見る人それぞれ。ちょっと裏技的だと思う人は点を差し引くかもしれないし、「何これ、新しい!」と思う人はプラスするだろうし、人によって受け止め方が違う気がする。
井口 めちゃくちゃになればなるほど、まともにやっている人がフリになっちゃいますからね。「ONE CHANCE」(TBS)で言うと、「イチゴが勝っていいんだっけ?」みたいな。ウケる分には全然いいんですけど、「勝っちゃっていいんだっけ?」と思って。結果がどうあれ、フリになっている人がいるということは忘れないようにしなきゃいけないなと思います。
飯塚 金属バットってもうキャラクターが知られているから、あれだけ最初の笑いまで間があっても「何かしでかすぞ」みたいな期待があってみんな待てたと思うけど、リニアは知られていない分、序盤は「あれ、これ大丈夫?」みたいな不安に思う時間ができやすかった。今回でちゃんと面白いことが知られたから、来年以降のほうがもしかしたら戦いやすいのかもしれない。面白い人たちだって認識されたほうがウケるタイプなのかなって。
井口 1対1で戦う「THE SECOND」ならではのよさは今回もありましたしね。
飯塚 芸人さんたちは熱いよね。「M-1」現役世代も先輩たちの姿に熱くなっているのを見た。この面白さが一般的にももっと広がればいいんだけど。
井口 リニアを見て、「井口に似てる」「井口の後継者」みたいなことを言う人がまたいましたけど、リニアのほうが先輩だから!(※)
※編集部注:これを言うのは前回に続き2回目。
粗品のこだわり満載「ツッコミスター」
飯塚 「ツッコミスター」(フジテレビ)(※)は見た?
※編集部注:「ツッコミスター」は霜降り明星・粗品がMCと審査を務めた“ツッコミ”に特化した特番。たくろう赤木、オズワルド伊藤、ママタルト檜原、エバース町田、ド桜・村田、ゼロカラン・ワキ、真空ジェシカ・ガク、三遊間さくらい、パンプキンポテトフライ谷、トンツカタン森本、さや香・新山、シモリュウ前田が出場し、数字や色にツッコミを入れ発想力・瞬発力を競った。
井口 確かに。よしもとじゃない奴が久々にこういうので勝ちましたね。でも、あんまり思わなかったなあ。いつも後輩たちには口酸っぱく「よしもとに負けるな!」と言っていますけど、今回は別に「よしもと勢が……」とかは気にならなかった。「
飯塚 なんか、霊能力者みたいになってる(笑)。「悪い気は感じない」っていう。
井口 そうなんですよ(笑)。
飯塚 まだあのメンバーに言いたいことはない?
井口 そうですね。
※編集部注:以前は赤もみじとしてマセキ芸能社で活動し、ウエストランド、さすらいラビー、ひつじねいり、ママタルトと共に「漫才工房」を行っていた。
飯塚 ゴールデンタイムの「土曜プレミアム」の枠で、あの若いメンバーだけでやったことは画期的だと思うし、粗品さんとスタッフがこだわったことがブレずに形になったのもすごいと思う。テレビっていろんな人の意見が入ってきてブレちゃうから。
井口 そこは粗品の強さじゃないですか? 「こうじゃなきゃやらない」っていう。
飯塚 観客も粗品さんが選んだんだよね。観覧応募のときに「好きな芸人」を答えてもらって、そこから厳選した。粗品さんが「THE W」で言っていた“シャバい客”というのを排除したんだと思う。
井口 粗品色がとにかく出てますよね。ここからもっと大きい番組になっていくのか、先輩も出るようになるのか。そこは注目してたいです。
飯塚 挑戦的な試みだから、第2回、3回とフジテレビはやらなきゃいけないと思う。あと、「IPPONグランプリのパクリだ」とか「もっとベテランが見たい」とかいう意見もSNSで見かけたけど、これはそういう番組なんだから一緒にしなくていいじゃん、とは思ったかな。どちらかと言うとライトなお笑いファンか、もしかしたらお笑いファンでもない人の意見かもしれないけど。想像するに、悲しいんだと思う。自分の知らない人たち、理解できないお笑いがゴールデンタイムにやっていて話題になっていたら怖いし不安だから、つい文句になった。逆に、この番組が「すべてのお笑いの正解」みたいに捉えてしまうのも違うなと思っていて。この番組は単純な“ツッコミのうまさ”を測る大会ではなくて、「例えツッコミ」を連発していくルールだから、ここではうまく活躍できないタイプのツッコミもいる。一方で、漫才でのツッコミや平場でのとっさの一言が特別に面白い人もいるわけで、いろいろある中の1つだっていうことは忘れちゃいけない。
井口 そんな変なこと言っている人もいたんですか?
飯塚 一部にはいるみたい。僕が見た範囲だと「すごい番組」「画期的だ」と絶賛している人も多くて、それは素晴らしい体験だと思う。若い人が「こんなお笑い番組は見たことない」と思ったんだとしたらいいことだよね。ただ、特殊な競技だから例えば井口くんが出たら「出てくるな!」とか叩かれちゃう気がして。それを先回りして警戒しているだけなんだけど(笑)。
井口 まあでも、呼ばれたら出ますよ。先輩が誰も出ないんだったら逆に僕は出たいですけどね。
飯塚 いいね。
井口 出て、(視聴者から文句が出るとか)変なことになったら僕がちゃんと言うので。それを言うために出る可能性もあります。
飯塚 井口くんは言いました。「オファーが来たら出る」と。
井口 やるしかないので。断ってもしょうがない。そもそもオファーも来なさそうですけど(笑)。
飯塚 「ツッコミスター」は粗品さんの感覚で作られた番組だけど、井口くんがこういう番組をホストとしてやるとしたらなんだろう?
井口 今は賞レース的な番組のほうが注目されやすいので、あえて大会っぽくするのか、なんとかがんばって大会っぽくしないのかのせめぎあいですよね。「ツッコミスター」は粗品が前からYouTubeでやっている形があったからいいですけど。
飯塚 出てきた画像に文句を言う大会とかは?
井口 ああ、いいですね。そういうのやってくれないかな。
飯塚 「文句スター」。
井口 「ツッコミスター」のスピンオフでぜひお願いしたいですよ。
飯塚 パロディ企画(笑)。
──出場者は?
飯塚 文句界のスターだよね。それこそリニアの酒井さんとか?
井口 ……結局いつものメンバーじゃないですか!(笑)
飯塚
井口 だから、いつもの過酷ロケのメンバーなんですよ。
飯塚 モニターにキツいロケのスケジュールがバンって出て、文句言うとか。「朝6時からやることじゃないだろ!」。
井口 そういうのは得意そうですね。
飯塚 やりましょう、「文句スター」。
関連商品
フォローして最新ニュースを受け取る


ウエストランド情報 @west__info
ウエストランド井口と作家飯塚が語る「2026年5月のお笑い」 | 今月のお笑い 48本目
https://t.co/F5XIWhORAh
#今月のお笑い #ウエストランド