ぜんぶ君のせいだ。インタビュー|難航しても止まらない、“病み可愛い”を世界で鳴らし続けるために

「病み可愛いで世界征服」を掲げるぜんぶ君のせいだ。が現在開催しているツアー「??カ国 ??都市 日の本も飛び出し~増変侵喰愛rosion~TOUR」。前回の音楽ナタリーのインタビューはこのツアーの序盤で行われたが、そこからおよそ半年が経ち、彼女たちは国内のみならず、韓国やヨーロッパなど世界各国を飛び回って現地の熱狂と確かな手応えを肌で感じてきた。しかし、1カ月半に及ぶ過酷なヨーロッパ遠征の中盤で、メンバーであるメイユイメイと寝こもちがツアーを離脱。グループは現在、如月愛海、むく、煌乃光の3人体制で果てしない旅を続けている。

異国の地で数々の試練に直面しながらも、彼女たちはなぜ歩みを止めないのか。そして、現在のツアーに幕を下ろしてから、2027年に“真のワールドツアー”を開催するその真意とは。3人へのインタビューを通して、生身のライブパフォーマンスに懸ける執念と、ぜんぶ君のせいだ。の揺るぎない覚悟に迫る。

取材・文 / 倉嶌孝彦

公演情報

??カ国 ??都市 日の本も飛び出し~増変侵喰愛rosion~TOUR ※終了分は割愛

6th Season

  • 2026年5月29日(金)愛知県 名古屋Music Farm
  • 2026年5月30日(土)三重県 MUSIC SPACE 鈴鹿ANSWER
  • 2026年5月31日(日)大阪府 寺田町Fireloop
  • 2026年6月1日(月)愛知県 名古屋Music Farm
  • 2026年6月4日(木)ドイツ フランクフルト(※イベント出演)
  • 2026年6月6日(土)ノルウェー ハマル(※フェス出演)
  • 2026年6月13日(土)島根県 AZTiC canova
  • 2026年6月14日(日)鳥取県 米子AZTiC laughs
  • 2026年6月19日(金)タイ バンコク(with幽世脅嚇)
  • 2026年6月20日(土)タイ バンコク(with幽世脅嚇)
  • 2026年6月21日(日)タイ バンコク(with幽世脅嚇)

7th Season

  • 2026年7月4日(土)オーストラリア・ブリスベン(※イベント出演)
  • 2026年7月9日(木)オーストラリア・シドニー(※イベント出演)
  • 2026年7月11日(土)オーストラリア・シドニー(※会場未定)
  • 2026年7月12日(日)オーストラリア・シドニー(※会場未定)
  • 2026年7月13日(月)オーストラリア・シドニー(※会場未定)
  • 2026年7月18日(土)東京都 新宿MARZ
  • 2026年7月25日(土)富山県 ログセッション
  • 2026年7月26日(日)石川県 金沢gateBlack
  • 2026年8月22日(土)高知県 BAY5 SQUARE
  • 2026年8月23日(日)徳島県 徳島ライブハウス CROWBAR
  • 2026年9月6日(日)東京都 東京キネマ倶楽部

8th Season

Coming soon


JAPAN FINAL

2026年9月6日(日)東京都 東京キネマ倶楽部


WORLD FINAL

2026年12月30日(水)神奈川県 CLUB CITTA'


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TIGET

イープラス

※販売スケジュールはオフィシャルサイトで要確認。

束の間の国内ライブと韓国への初遠征

──前回のインタビューが2025年11月だったので、ちょうど半年前でした。そのときと変わらず「??カ国 ??都市 日の本も飛び出し~増変侵喰愛rosion~TOUR」で世界各国を飛び回っていますが、年末年始ではひさびさに日本でのライブが多かったですね。

むく 年末年始、すごく楽しかった。イベントが盛りだくさんで。

煌乃光 毎年恒例の年越しイベントではコドモメンタルのグループの垣根を越えてユニットを組むので、すごく新鮮なライブでした。

オーストリア公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

オーストリア公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

如月愛海 国内外問わずぜん君。としてライブを重ねていたので、ツアー中のいい気分転換になりましたね。

 12月から1月にかけては日本にいる時間が多かったので、ひさびさに会いたい人にゆっくり会えたのがよかった。

愛海 国内で何本かライブをやったときに印象的だったのが、ライブハウスのスタッフさんたちが「本当に海外では体調に気をつけなよ」「日本に帰ってきたらまた来てほしい」と声をかけてくれたこと。すごく親身に気遣っていただけたのが、うれしかったです。

──国内アーティストの場合、アリーナクラス、ドームクラスのアーティストが海外の大きな会場でライブをすることが多いので、ぜん君。のように国内のライブハウスを回りながら海外ライブも行うグループは珍しいですよね。ライブハウスの人たちから見ても新鮮に映るのだと思います。

愛海 言われてみればそうですね。もっとみんな海外でライブをすればいいのに!(笑)

如月愛海(イタリア公演より)(Photo by Ic (GARDE SECT))

如月愛海(イタリア公演より)(Photo by Ic (GARDE SECT))

──1月中旬には韓国でのライブがありました。こんなに海外を回っているのに、意外にもぜん君。が韓国でライブをするのは今回が初めてですよね。

愛海 そうなんです。韓国はK-POPが流行っているイメージだから、私たちの音楽が受け入れられるかわからなかったけど、いざライブをしてみたら普通に盛り上がってくれて。

 リフトしている人もいたし、ピョンピョン飛び跳ねてる人もいた。

むく 自分たちのTシャツを着てくれている人もたくさんいて日本のライブと変わらないくらい盛り上がっていた感じ。

愛海 韓国のお客さんは楽しみ方がみんな自由。ちょっと静かなAメロでいきなり盛り上がる人もいて、ウチらとしても「ここで上がるんだ⁉︎」って驚きでした。好きな曲、好きな方法で楽しんでもらえて「やっぱりライブはこうじゃなきゃ」と思える、いい空間が作れたと思います。それと、年末のライブに韓国のファンが来て「年明けの韓国ではめっちゃ声出します」って宣言してくれていたから、安心してライブができました(笑)。

 あと韓国はごはんがめっちゃおいしかった! サムギョプサルもよかったし、みんなに無理言って、あまり時間がない中でカンジャンケジャンも食べに行けて。大満足です!

むく 韓国は夜遅くまでお店がやってるからありがたかったよね。

愛海 確かに。国によっては夜になるとどのお店も閉まっていることもあるのに、韓国は日本よりも深夜営業をしてる感じ。デパートでさえ夜遅くまで営業してるし、屋台も出店してたから食べることには困らなかった。

ドイツ公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

ドイツ公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

ヨーロッパ序盤で物販が即完売

──2月から3月にかけては「EUROPE CHAPTER」としてヨーロッパ各国を回っていました。約1カ月半にわたるヨーロッパ遠征はどうでしたか?

 うーん。韓国と違ってヨーロッパは場所によっては20時頃にお店が閉まっちゃうからライブ後のごはんが大変だったなあ。

愛海 ごはんの話ばっかり(笑)。

むく 2月なのもあって、最初のポーランドやノルウェーはめちゃくちゃ寒かった。ヒートテックで全身守ってもまだ寒い、みたいな。

愛海 ポーランドはけっこうクラブのノリに近かったかな。体を揺らしながらライブを観てくれたのが印象的でした。

 優しくてノリがいい。「みんなでこの時間を楽しもうぜ」みたいな空気感がすごくよかった。

煌乃光(ノルウェー公演より)(Photo by Ic (GARDE SECT))

煌乃光(ノルウェー公演より)(Photo by Ic (GARDE SECT))

むく あと物販にすごい列ができて。みんなCDを買ってくれました。

愛海 ウチらが想定していたよりも物販が大人気で驚きました。1カ月半は日本に帰らずヨーロッパを回るスケジュールだったので、スーツケースに詰め込める限界の物販を全員で持って行ったんですが、ツアー序盤でCDが瞬殺されてしまい……。会場によっては数枚しかCDの在庫がない公演もあって。

むく ポーランドに行って、次のノルウェーではもうほぼなくなっちゃってたよね。だからチェキ撮ってサインを書くのをがんばりました。

 物販は途中で日本から送ってもらったんだけど、めちゃくちゃ送料や税金が高くて(笑)。

愛海 途中で補充した分もすぐに完売しちゃったんです。最後のほうのドイツでは現地のファンの方がTシャツを刷ってくれたんですよ。デザインのデータを渡して現地の工場で作ってもらって。ただそれも大人気ですぐ売り切れました。

ドイツ公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

ドイツ公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

──現地のファンが物販に協力してくれるって、すごい話ですね(笑)。

愛海 ホントに皆さん優しくて、助けられました。ファンの方が温かいのはもちろん、各国のオーガナイザーさんもとても親切で。基本的にウチらは「水さえあれば大丈夫です」と伝えているんですが、どこに行ってもお菓子や現地の名物を用意してくれたり。スウェーデンのオーガナイザーさんは、私たちのためにお寿司をたくさん振る舞ってくれて。本当に皆さんによくしていただきました。

 物販が売れちゃってみんなのスーツケースが空だから、ケータリングでいただいたお菓子は迷惑にならない範囲でいただいたりして。すごく助かりました。

愛海 そうそう。物販で資金繰りしながらツアーを回るつもりが、最初の国でドーンと売れちゃったからその後のやりくりが大変でしたね。

──ヨーロッパを巡る中で、思い出深い国は?

愛海 イタリアですね。ベルギーでライブをしてからすぐ空港に向かい、明け方の飛行機でイタリアへ。到着次第すぐに会場に向かって昼のライブに出る、という過密スケジュールで。もともとスケジュールを組んでいたときから覚悟はしていたんですが。

イタリア公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

イタリア公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

むく それでもかなりギリギリだった(笑)。

愛海 しかもイタリアでの出順が、現地で有名な男性アイドルグループの直後だったんですよ。「これ、私たちのライブのとき大丈夫かな?」と思ったけど、歌い始めたらどんどん人が増えていって。最終的には3000人くらい集まったんじゃないかな。

 場所によってはアジア人へのヘイトもあると聞いていたのでけっこう不安だったけど、ライブが始まったら全然気にならないくらい盛り上がってた。

むく ヨーロッパは英語が公用語じゃない地域も多かったから、改めて「伝える」ことが大変だと思いました。身振り手振りを交えるのはもちろん“顔で伝える”みたいなことも多くて。

イタリア公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

イタリア公演の様子(Photo by Ic (GARDE SECT))

愛海 私はもう「言葉が伝わらないから不安」と思うこともなくなりました。ある意味、どこに行っても自分の国にいるみたいに堂々としてます(笑)。これは冗談のようで冗談でもなくて、ヨーロッパに行ったことはないのに、なぜか来たことがあるような既視感があったし、どこに行っても母国にいるような感覚で過ごしてました。

 そういえば、めぐちゃん(如月)だけやたら声かけられて「ビューティフル」とか言われてました。

愛海 黒髪だからかな? あと常にニコニコしてるとか。

むく 言葉が伝わらなくて困ったことと言えば、ウィーンでのマイクトラブルだよね。

愛海 ウィーンでのワンマンライブで、1曲目からマイクが入らなくてMCでつなぐことになったんですよ。ウチら、日本のライブでもMCは一切入れないのに、まさかの初ワンマンの国で冒頭から15分くらいMCをしなければならなくなった。

如月愛海(韓国公演より)(Photo by Ic (GARDE SECT))

如月愛海(韓国公演より)(Photo by Ic (GARDE SECT))

 さすがのめぐちゃんも少し焦ってたよ(笑)。

愛海 多分10年の活動で最長のMCだったから(笑)。拙い英語でなんとか場をつないだけど、コンベンションじゃなくてワンマンだったから、みんなニコニコしながら話を聞いてくれてありがたかったです。