スガ シカオ meets WOOD master|ビクター史上最高音質のフラッグシップモデルが実現した、プロも認める高解像度音響

ビクター史上最高音質を実現し、プロ仕様のカスタマイズ性能を誇る最新ワイヤレスイヤホン「WOOD master(ウッドマスター)」。独自の「ハイブリッドWOODドライバー」や多彩なイコライザー機能は、百戦錬磨の音楽家にどう評価されるのか。同製品の圧倒的な音の解像度と表現力を、デビュー30周年イヤーを迎えたスガ シカオが徹底レビュー。自身のニューアルバム「BEST SESSIONS!」の制作秘話とともに、本機のポテンシャルを解き明かす。

取材・文 / 内田正樹撮影 / 須田卓馬

「WOOD master」

「WOOD master」

「WOOD master」

木を原料とするパルプにアフリカンローズウッドを混ぜ合わせた振動板を搭載する「ハイブリッドWOODドライバー」により全帯域の音を忠実に再現し、Victorワイヤレスイヤホン史上最高音質を実現。専用アプリ「Victor Headphones」には「ビクタースタジオ」のエンジニアが音作りの個性を盛り込んでチューニングした5種類のPROFESSIONALモードのほか、全10種類のプリセットサウンドモードが搭載されている。演算精度と処理速度を向上させるノイズキャンセリング専用の高性能ICと高度な技術の結集によって実現した、世界最高クラスのノイズキャンセリング性能も特徴だ。高級楽器から着想を得て色使いや質感にこだわったデザインで、既発の「サンバーストブラウン」「ピアノブラック」に、新たに「インディゴブルー」が2026年7月にカラーバリエーションに加わった。

公式サイト

音楽原点を支えていたビクター

──スガさんがヘッドホンやイヤホンを選ぶ際の基準を教えてください。

仕事用はオーバーエフェクトがなく、ナチュラルに聞こえるもの。何時間もの間、ずっとヘッドホンをしたまま作業をするので、なるべく疲れないやつを選ぶようにしています。普段聴き用もなるべくナチュラルな聴き心地のものを選びますね。低音が強調されるものや、ハイ(高音域)がやたらと伸びるものがあまり好きじゃないので。

──普段聴きは、主にイヤホンですか?

両方ですね。ワイヤレスイヤホンで聴くときもあれば、有線のヘッドホンで聴くときもあるし。けっこういろいろと持っていますよ。ただ、ぼく、外出先でイヤホンをよく落っことしたりなくしたりしちゃうんですよ。だから万が一なくしても心のダメージが小さくて済むように、外出用は音質のグレードが下がるのは覚悟で、ノーブランドの安価な有線イヤホンを使っています。

スガ シカオ

スガ シカオ

──それは意外ですね。

そもそも、ぼくは昔から“流し聴き”や、“ながら聴き”ができなくて。飲食店でも、何か音楽が流れていると、「あ、今のジャズ、ちょっとオルタードスケールだよね」とか、気になって仕方がない。音楽を聴くときは、いい機材を使って、デスクの椅子に座って、正座状態で「ちゃんと聴く」のがぼくの習性なんです。

──スガさん自身、ビクターのレーベルの1つであるSPEEDSTAR RECORDSの所属ですが、ビクターというブランドについて、イメージやエピソードが何かあれば教えてください。

かつて、父親が急に趣味でオーディオを始めたことがあったんです。突然、ぼくも秋葉原のオーディオショップまで付き合わされて、唐突に、家にオーディオセットが現れた。アンプもこだわってひと通りそろえたにもかかわらず、実は家にはアナログレコードが3枚しかなくて(笑)。「このオーディオ、なんのために買ったの?」みたいな状況でした。そのときのスピーカーが、ビクターの「SX-300」という機種だったんです。やがて、親父はオーディオに飽きてしまい、セットもほったらかしに。その後、ぼくは社会人からプロのミュージシャンを目指す決意をするんですが、デモを作るにもお金がないので、プロが使うような高価なモニタースピーカーなんて買えやしない。それで、しばらくの間、「SX-300」をモニター代わりに使っていたんですよ。会社を辞める前だから、26、7歳くらいから31歳まで、ずっと。

──スガ シカオの原点を、実はビクターのスピーカーが支えていたんですね。

そうとも言えます(笑)。のちにデビューして、31歳でセルフスタジオを持ったとき、「SX-300」を売却して、初めてプロ用のスピーカーを買いました。ところが近年、アナログレコードやビンテージオーディオに興味が湧いてきちゃって。「SX」はもう現行モデルじゃないし、中古もほとんどないし、あってもかなりの値段で。ネットで掘り出し物を漁っては、「あのSX、売らなきゃよかったなあ」と夜な夜な後悔しています(笑)。

「WOOD master」サンバーストブラウン装着時。

「WOOD master」サンバーストブラウン装着時。

「WOOD master」インディゴブルー装着時。

「WOOD master」インディゴブルー装着時。

無限に音が作れる!スガ シカオを魅了したアプリ「Victor Headphones」

──さて、今回お試しいただいた「WOOD master」ですが、率直なご感想は?

使い勝手がいいですね。プロ用でも、普段使い用でもいける。アプリ(「Victor Headphones」)で細かく設定をカスタマイズできるので、自分の好みを覚えさせておけば、用途やシチュエーションが変わるたびにイヤホンを取っ替え引っ替えする必要もない。ぼくは、普段聴きのときはあまり大きなボリュームにはせず、その分、低音を効かせるんです。また反対に、仕事のときは低音がキツいと嫌で、けっこう下げ気味にするんです。そういうのも、「WOOD master」なら、実に手軽に変えられるのがすごい。

──さまざまなシチュエーションで使えそうですね。

そう思います。近年、ぼくのレコーディングはほとんどビクタースタジオで。そこで使っているヘッドホンもイヤホンもスタジオ推奨のビクター製なんですが、個人的に、ビクターの音というのは、「ちょっと硬め」なイメージなんですね。最初に、「WOOD master」をフラットな状態で聴いたときも、一瞬、「ちょっと硬い?」と思ったんですが、とにかくアプリでいろいろとカスタマイズできるから、柔らかくもできればさらに硬質な音にもできて、いじりたい放題(笑)。しかも、自分好みの設定を3つまで登録できるし。いい意味で、イヤホン自体の個性を強く感じさせないくらい便利ですね。

楽器ケースのような革テクスチャーと犬のマークが魅力。

楽器ケースのような革テクスチャーと犬のマークが魅力。

手に収まりやすい充電ケース。

手に収まりやすい充電ケース。

「WOOD master」新色インディゴブルー

「WOOD master」新色インディゴブルー

──まさにビクタースタジオでレコーディングされたスガさんのニューアルバム「BEST SESSIONS!」も、「WOOD master」で聴いていただきました。どの曲を、どんなふうに聴かれましたか?

アルバム1曲目の「ストーリー」から聴きました。というのも、ぼくは毎回マスタリングの際、まず基準となる曲を1曲決めて、その曲の高音域と低音域の広がりを決め込み、その音にならってほかの曲をマスタリングしていくんです。今回は「ストーリー」がリファレンス曲だったので、そこからがっつり聴いて、すぐにカスタマイズに走りました。マスタリングのときを思い出しながら、「ぼくが作った音は、ここをこうして、こうして、これだー!!」と(笑)。

──いかがでしたか? 近似値まで追い込めましたか?

けっこう追い込めました! こう言うのもなんだけど、正直、一般向けのイヤホンに搭載されているイコライザーって、あまり効かないものが多くて。ロー、ミッド、ハイがいじれます、みたいな感じでも、それが何ヘルツまでなのかわからない。たいていの場合、自分としては「もっとガツンとこいよ」と思っちゃう。でも、この「WOOD master」のアプリのイコライザーは、ぶっちゃけ効きすぎ(笑)。ほんのちょっとレベルを動かしただけで劇的に音が変わるし、上限もとんでもないところまでいじれる。このアプリはかなり気に入りましたね。いじり甲斐があって面白いし、すごくうれしい。もう、無限に音が作れますよ。

「WOOD master」で音楽を聴くスガ シカオ。

「WOOD master」で音楽を聴くスガ シカオ。

自然で忠実な再現力

──本機に搭載されている新開発の「ハイブリッドWOODドライバー」は、従来のビクター製イヤホンのドライバーとは異なる新たなアプローチで進化させた「木」の振動板で、ビクター史上最高音質を実現したそうです。音質の全体的なクオリティは、いかがでしたか?

普通のユーザーはそこまで劇的に違いがわからないかもしれないし、実際、ぼくもそうした説明を聞くと「そうなんだ?」という感じですが、音全体の解像度は確実に高いと思います。例えば、スネアの音なら、ほんの小さな余韻みたいな音やゴーストみたいな音まで、かなりはっきりと、しかも自然な印象で忠実に再現されましたね。

──アプリ「Victor Headphones」を使って体験できる「空間オーディオ」機能については、いかがでしたか?

奥行きが出て空間が広がるから、映画とか、広い空間を感じさせるものにいいんじゃないでしょうか。大自然の中に宇宙船が降りてきました、みたいなシーンとかね。あと、クラシックを聴くときにも向いていると思いますね。

──加えて、アプリではビクタースタジオ監修の10種のサウンドモードが選べます。プロのエンジニアの方々が手がけたモードが手軽に体験できるという機能ですが。

ぼくは「プロフェッショナル3」が一番好きでしたね。低音もそこまでブーストしていないし、ハイもナチュラルに出ていて、押し付けがましくない感じで。実は、ぼくの担当のエンジニアも参加していて、それは「プロフェッショナル1」らしいんだけど、昨今の売れ筋のイヤホンを意識したな?と思った(笑)。本当に、それぞれのモードでまったく違う音になりますね。

アプリ「Victor Headphones」画面

アプリ「Victor Headphones」画面

──そうした機能を十分に引き出すために、ビクターの独自技術で、リスナー個々の耳にぴったりな音響最適化を実現するという、「パーソナライズサウンド」については?

なんか聴力検査みたいな音が聞こえたと思ったら、アプリがダーッと計算をし始めたみたいで。おそらく、イヤホン側から音か電波を発して、鼓膜までの距離や耳の内部の形を測ることで、その人の耳に一番合う出音に調整してくれるんですよね。率直に、すごい技術だなあと思いました。