SUPER★DRAGONが7月15日に両A面シングル「Call Me Asap / NUMBER」をリリースした。
2024年のメジャーデビュー以降、6枚目のシングルとなる今作の表題曲は、いずれもアニメのタイアップソング。「神の雫」第2クールのオープニングテーマ「Call Me Asap」とテレビアニメ「ダイヤのA actⅡ-Second Season-」のエンディングテーマ「NUMBER」が収録され、色の異なるこの2曲からは自由で幅広い彼らのクリエイティブ力を感じることができる。
シングルのリリースを記念して、音楽ナタリーではメンバーの志村玲於、古川毅、ジャン海渡、飯島颯、伊藤壮吾、池田彪馬、柴崎楽にインタビュー。楽曲制作やMV撮影のエピソードについて聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 須田卓馬
新たなジャンル感への挑戦
──さっそく新曲「Call Me Asap」のお話から伺えればと思います。この曲はテレビアニメ「神の雫」第2クールのオープニングテーマになっています。「神の雫」のテーマ曲を担当すると知ったときはどう思いましたか?
一同 うれしかったです。
ジャン海渡 僕はワインが好きなんですよ。僕のお父さんはずっとお酒の仕事をしていて、ワインもめっちゃ飲むからか「神の雫」のことは知ってて。親が知っている作品の曲を担当できることもうれしかったですね。
──アニメ好きな玲於さん的には、「神の雫」という作品にはどんな印象が?
志村玲於 僕はジャンと違ってワインは詳しくないので、「神の雫」を観るとワインの知識を得られることがすごく新鮮です。あと僕は紅茶が大好きなんですが、紅茶とワインってちょっと似てるところがあって。テイスティングの仕方もそうですし、紅茶にも“ボディ”というものがあるんですよ。ミディアムとかヘビーとか。有名な産地も似ていますし、評価基準や楽しみ方、文化にも共通点を感じられるので、自分の中でワインを紅茶に置き換えて読むと、また違う作品の深め方があったり。そういう面ですごく楽しいなという印象です。
──玲於さんならではの素敵な楽しみ方ですね。楽曲制作に関しては(古川)毅さんと(池田)彪馬さんがコンセプションを担当されたということですが、どういった出発点から制作を進めていきましたか?
池田彪馬 ジャンル感をどうするか?という話し合いから動き出したんですが、そこはわりと、毅くんと最初から共通認識があって。毅くんが出してくれたリファレンスの中から、1980年代くらいのR&B、ジャズっぽい要素を加えて、レトロフューチャーの質感で作っていったらいいんじゃないか?と。「神の雫」というアニメにもすごくマッチするし、僕ら的には今までにやってこなかったジャンル感なので、この方向性で行ってみようというところから始まり。
古川毅 そうね。
池田 それであればトラックメイカーに関しても新しい人とやってみたいよねというところで、三浦大知さんとの楽曲制作でも知られるNao'ymtさんにお願いしよう、と。僕と毅くんはもともとNaoさんの手がけられたお仕事にリスペクトがあったこともあり、SUPER★DRAGONにとっての新たなジャンル感への挑戦をNaoさんに依頼しました。
──具体的には、どんなやりとりがあったんですか?
池田 最初の打ち合わせで直接「こういう世界観がいいです」「歌詞をどんなふうに入れてほしい」といったお話をさせてもらいました。あとは「こういうふうに歌ってほしい」みたいなボーカルディレクションがあったり、ミックスチェックのときにもお互いに会話をしたり、という感じでしたね。
「時を超える」というテーマ
──楽曲制作において、「神の雫」という作品からはどんなエッセンスをすくい上げたのでしょうか。
古川 ワインが熟成していく時間をイメージした「時を超える」というテーマはざっくりと意識していましたね。歌詞に関しては、ラップ詞以外はNaoさんが書いてくださったので、そこはNaoさんの解釈にお任せして。
──なるほど。
古川 サウンドについては「神の雫」の世界観に花を添えるために、やっぱりゴージャスできらびやかな感じは必要だろうと思っていました。そういう派手さと、未来への時の流れを汲んだレトロフューチャー感を楽曲の中で表現するっていうのは、自分たちにとってチャレンジだったなと思います。スパドラの曲としては、新鮮に聞こえるだろうなって。
ジャン そうね。
古川 マイケル・ジャクソンとか、最近で言うとザ・ウィークエンドとかデュア・リパみたいな、80'sリスペクトのリバイバル的なところを表現できればと思って。だからNaoさんには「こういうシンセで」みたいなイメージも細かくお伝えしましたね。また、そういったサウンド感はNaoさんの得意分野なのかなと勝手に考えていたので、そこからは「思う存分にやっていただきたいです」と。
池田 僕たちのそういった意見もすごく柔軟に受け入れてくれる、すごく柔らかな方でした。前作、5thシングルの「Break off」に入ってる「Fingerprints」もNaoさんの曲なんですけど、実は時系列的には「Call Me Asap」を先に制作していて。「Fingerprints」のほうが僕らにとっての最新のコラボになるんですが、制作もレコーディングも含め距離感がどんどん近くなっている感覚がありました。会話を重ねれば重ねるほど濃い作品ができていくんじゃないかなと思うので、これからもいろんな形でご一緒できたらうれしいですね。
──歌詞に関してはNaoさん主導で制作されたということでしたが、ラップ詞に関しては(松村)和哉さんが担当されています。
古川 作詞について和哉とコミュニケーションを取ったわけではないんですが、和哉的にすごく書きやすかったんじゃないかな。「Naoさんの歌詞すごい」みたいなことを言ってたので、それに呼応するような形で筆が乗ったんだと思います。実際にテキストで見ても相性のよさを感じるというか、言葉の選び方、使い方みたいなものがけっこう同じライン上にあるように感じますね。
まずは彪馬、ありがとう
──ボーカルについてもぜひ教えてください。今回の歌割りのポイントだったり、レコーディングで特に意識していたことなどがあれば。
池田 歌割りに関しては、最初からジャンくんにはラップではなくメロで参加してほしいと考えていました。2番サビとか特に“ジャン節”が効いていますけど、また新たな色というか、ジャンくんにしか出せないよさが詰まっているのでめちゃくちゃよかったなと思います。ラップとは違う、ボーカルとしてのパワフルさが出てるなって。うれしかったですね。「うまっ!」となりました。
──彪馬さんご自身のパートについてはいかがですか?
池田 Naoさんにディレクションをしていただいたんですが、音が派手な分、声で色付けをしたかったんで。そういったところは意識しましたね。
──ありがとうございます。では、彪馬さん絶賛のジャンさんパートについてぜひ。
ジャン そうですね。まずは彪馬、ありがとう。
一同 あははは!
古川 結婚式のスピーチみたい(笑)。
ジャン (笑)。自分が作っていないメロを歌うのは何年ぶりかな気がするんですよ、感覚的に。なので新鮮な気持ちでした。R&Bがずっと好きで、R&Bを聴いて育ってきたので、Naoさんが作られるグルーヴ感やアドリブの幅広さがすごく勉強になりましたし、レコーディングにおいてもR&Bの楽しさを感じましたね。
──毅さんはいかがですか?
古川 Naoさんのプロデュースワークに中学生くらいからずっと触れ、影響もされてきた身としては、すごくうれしく光栄な機会でした。でも歌うのは難しかったです。実はこの曲のレコーディングは1年以上前だったので、「今ならもうちょっとこう歌えるな」という思いも正直あったりして。そういう気持ちになることを含め、自分たちのことを育ててくれるトップラインになっているなと歌っていて感じます。本当に地力が試される。生半可な気持ちでは立ち向かえない感じがあって。僕らは最近自分たちでメロディを作ったり、クリエイティブをやっていますけど、こうやって今一度、本当の一流に触れたことはすごく身になった。Naoさんに作っていただいたものを表現するということ自体を、すごく新鮮に感じられた瞬間でしたね。
──ちなみに私は、ラストのサビ前で彪馬さんと毅さんが歌っている「鏡の中で笑う 君の歌声を聴こう」の部分の譜割りに関して、言葉の途中で切っているのが印象に残っていて。
古川 もともとのデモ音源通りの切り方なんですけど、Naoさん特有の譜割りという感じがしますよね。NaoさんはオーセンティックなR&B畑の出身の方ではあると思うんですけど、三浦大知さんとの2010年代後半の仕事では「球体」というオルタナティブなアルバムを発表されたり、どこか特別な立ち位置の方だと思うんです。その“らしさ”は、こういうキャッチーでゴージャスな楽曲を作るにあたってもメロディやフロウのデリバリーみたいなところにちゃんと現れているので、かなり刺激的でした。
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