「Reol Oneman Live '美辞学' in YOKOHAMA ARENA」特集|Reol×二家本亮介×中川絢音クロストークで紐解く一世一代の大舞台

Reolが昨年、自身の誕生日である11月9日に神奈川・横浜アリーナで行ったワンマンライブの模様を収録した映像作品「Reol Oneman Live '美辞学' in YOKOHAMA ARENA」が6月3日にリリースされる。

この横浜アリーナ公演は「無題」というタイトルで開催が発表され、詳細はライブ当日まで伏せられていた。そこで観客が目にしたのは、Reolが盟友たちと作り上げた一世一代の大舞台。セットリストから演出に至るまで、新旧のReolを詰め込んだ渾身のパフォーマンスだった(参照:Reolがリスナーと “新しい1ページ”を刻んだ初横アリ公演「地獄の先で、お互いのステージでまた会いましょう」)。

「Reol Oneman Live '美辞学' in YOKOHAMA ARENA」の発売を記念して、音楽ナタリーではReolに加え、彼女のライブを支えるバンドメンバーの二家本亮介とダンサーの中川絢音を迎えた“副音声”インタビューを企画。二家本と中川のオススメの曲を軸に、緻密に練られたライブの舞台裏に迫る。

取材・文 / 小松香里撮影 / 笹原清明

過去は美しいけど、Reolには傷だらけになったとしてもずっと前を見て走っていてほしい

──改めて、Reolさんにとって過去最大規模の会場となった横浜アリーナでのワンマンライブはいかがでしたか?

Reol Reolがそれだけのステージができるアーティストに育ってうれしいという気持ちはありながらも、まずはこれまでのいろんな時代を支えてくれたバンドメンバー、ダンサー、スタッフそしてリスナーのみんなを私にとって今までで一番大きなステージに連れて行けたことに安堵しました。ニカさん(二家本亮介)は「激情アラート」(2022年)のツアーからご一緒していて、コロナ禍がまだ明けてなくてライブがしづらい時期に声出しのタイミングを一緒に探ったり、支え合ったりした仲です。そういう時代を経ての横アリワンマンってどう思いますか?

二家本亮介 武道館のときにスクリーンに映るReolちゃんを観て「大きなステージが似合うな」と思ったので、さらに大きな横アリをやることがうれしかったですね。一緒に切磋琢磨できているという実感がありました。

Reol ありがとうございます。絢音は私がソロ名義になって3回目のツアーだった「侵攻アップグレード」(2019年)から一緒にやってもらっています。

中川絢音 武道館でそこまで積み上げてきたことを1回全部出し切った感があったので、横アリはその先をどう見せていくかという挑戦だと思いました。ダンサーの人数を増やして、大きなアリーナをどう満たせるかが課題でした。これまでの雰囲気や変わらない熱量を新しいダンサーに伝える中で、「こういう愛のある現場なんだよ」ということも話して。だからこそ新しいダンサーも熱量高く向き合ってくれたのかなと思います。

左から二家本亮介、Reol、中川絢音。

左から二家本亮介、Reol、中川絢音。

二家本 横アリは初めてバンドにギターのこもちゃん(菰口雄矢)とピアノのきっしー(岸田勇気)が入る編成になったんだよね。

Reol そうそう。武道館は10年前のアルバムをフィーチャーしたパーティだったので、ファン感謝祭じゃないけど、「リスナーの方が期待してくれているであろうReol」をやるようなライブだったんですね。そのあとに横アリをやるとなったとき、みんなが想像するものをやっても感動はないと思うので、事前に何をやるのか隠したんです。何をするかわからないけど、チケットは持っている状態に対してみんな不安もあったと思います。私としては横アリは新しいReolのプレゼンの場にしたいし、武道館を超えるという気持ちが強くありました。過去は美しいけど、Reolには傷だらけになったとしてもずっと前を見て走っていてほしい。新曲を3曲も披露したのもそういう気持ちからでした。

「音楽は不老である」

──ここからは、二家本さんと中川さんのオススメの曲をセットリスト順に聞かせてください。二家本さんはまずは「煩悩遊戯」。

二家本 こういう暴れる系の曲が僕のバックボーンなのですごく好きな曲ですね。

二家本亮介

二家本亮介

Reol 私も大好きです。「煩悩遊戯」は国内外のツアーでたくさんやってきて、ニカさんと育ててきた感がすごくあります。私もニカさんもぐいぐいステージの前に出てきてぐちゃぐちゃになるんですが、横アリではニカさんがAメロで前に出てきて、横で「もう⁉」ってびっくりした(笑)。

二家本 「カマすぞ!」というマインドでAメロから出て行っちゃいましたね(笑)。Reolちゃんの曲はいろんなタイプがあるけど、その中でも特にロックを感じる曲ですね。

Reol ニカさんがAメロから飛ばしてるから、「こもちゃんもついてきてるかな?」と思ったらしっかり2人で戯れてた(笑)。

「Reol Oneman Live '美辞学' in YOKOHAMA ARENA」の様子。(撮影:横山マサト)

「Reol Oneman Live '美辞学' in YOKOHAMA ARENA」の様子。(撮影:横山マサト)

──ぽわぽわPさんの「アストロノーツ」のカバーでは入場時に配布されたシンクロライトが点灯し、客席が星空のようになりました。

Reol 私のライブはこれまで光もの系のグッズはなくて、ハンズアップで盛り上がってくれる感じでしたが、横アリは横に広いのでシンクロライトが映えるかなと思って導入しました。ステージから見ると美しいし、「ここまでお客さんがいるんだ?」っていうのが実感できてグッときましたね。

二家本 泣けるよね。

Reol しかもこの曲はバンドの音だけでストレートにカバーさせてもらったんです。

二家本 アウトロも含めて何もアレンジしないことに意味があるよね。

Reol 今の音楽って“足し算”をしがちだけど、「アストロノーツ」はシンプルがゆえの美しさがあるんだよね。この曲を作った椎名もた(ぽわぽわP)くんとは、私が「No title」を出したあとぐらいにTwitter(現X)でつながりました。その頃、私は「極彩色」というメジャー1stフルアルバムのリリースを控えてたんですが、私は歌ってみたカルチャーにいたので「オリジナル曲だけのアルバムって求められてるのかな?」ってドキドキしてたんです。日々アルバムの情報が出ていく中で、ぽわぽわPが「れをるさんのアルバムめちゃくちゃ楽しみ! 絶対買います!」みたいなツイートをしてくれてすごくうれしかったし、安心しました。でも、アルバムのリリース前に亡くなってしまったんです。「極彩色」を聴いてほしかったし、初対面が見送る場になってしまったこともありいろいろ思うことがあって。その出来事から約10年が経つタイミングで、「音楽をやってる人間がこの世からいなくなっても音楽は残っていくし、曲が再生された瞬間に生きていることが実感できる」ということを込めたくてこの曲をカバーしました。最新アルバムの「美辞学」に込めた思いにも通じるんですが、横アリには「音楽は不老である」というテーマを設けていて。自分のルーツである歌ってみたカルチャーを取り上げるとして、何を歌うのがいいか考えたときに「アストロノーツ」がいいと思ったんです。

Reol

Reol

Reol

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二家本亮介&中川絢音オススメの「ウテナ」

──二家本さんと中川さん、唯一お二人とも挙げているのが「ウテナ」です。

中川 いろんなパターンで踊らせてもらっている曲で、曲自体もとても好きなんですが、今回ダンサーの人数を増やして旗を持って踊ったことがとても印象深いです。

Reol 「ウテナ」はダンスというよりもポージングの連続のようなものが欲しくて、旗を持つアイデアを絢音にムチャぶりしました(笑)。でもすごくいいよね。

中川 はい。ダンサーの人数が多いからこそ、バンドの方たちがいるところまで空間を埋め尽くせました。

中川絢音

中川絢音

Reol 横アリ用にキーボードの岸田さんがエレクトリックなアレンジをしてくれたんですけど、ダンスもハマったし、スペシャル感が出ましたね。

中川 私はサビの振付が特に好きで。れをる氏がジャンプしててかわいい(笑)。

Reol 真顔だからカッコよくも見えるけどかわいさもあるよね(笑)。こもちゃんも一緒に足踏みしてて。

「Reol Oneman Live '美辞学' in YOKOHAMA ARENA」の様子。(撮影:横山マサト)

「Reol Oneman Live '美辞学' in YOKOHAMA ARENA」の様子。(撮影:横山マサト)

中川 ニカさんが「ウテナ」をオススメに挙げたのは?

二家本 きっしーのアレンジで曲が化けたなと思ったから。

Reol 横アリに向けての最初の打ち合わせできっしーが「ウテナ」がめっちゃ好きだと「ウテナ」への思いを語ってくれて。それで、ライブ用にアレンジしてくれる話になったんですよね。