“日プ”の愛称で親しまれる日本最大級のサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」。“国民プロデューサー”による視聴者投票を通じて、2019年配信のシーズン1からJO1、2021年配信のシーズン2からINI、2023年配信の「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」からME:Iが誕生した。そして今年3月には、新たに「PRODUCE 101 JAPAN 新世界」の配信がLeminoでスタート。「グループバトル」「ポジション評価」「コンセプト評価」といった課題を経て勝ち残った22名の練習生が、6月6日に行われるファイナルに挑む。
「PRODUCE 101 JAPAN 新世界」はそのタイトルの通り、世界に開かれた“グローバルオーディション”として開催されている。番組の模様は日本のみならずグローバルK-POPコンテンツプラットフォームMnet Plusで全世界に配信され、投票にも世界中の視聴者が“SEKAI プロデューサー”として参加。国民プロデューサーとSEKAI プロデューサーの投票によってファイナルで選ばれた12名の練習生がデビューの夢をつかみ取る。なおデビューグループは日韓同時デビューが約束されている。
「PRODUCE 101 JAPAN」シリーズは、練習生たちとトレーナー陣とのやりとりも見どころ。今回はダンストレーナーとしてKAITAと仲宗根梨乃、ボーカルトレーナーとして川畑要(CHEMISTRY)とKevin Woo、ラップトレーナーとして安達祐人が参加。輝かしいキャリアを持つトレーナーたちが数カ月にわたって練習生たちに厳しくも愛のある指導を行ってきた。
いよいよ訪れる最後の日を前に、音楽ナタリーでは「コンセプト評価」当日に行ったボーカルトレーナー川畑のインタビューをお届けする。トレーナーとして参加するまで「PRODUCE 101 JAPAN」シリーズを観たことがなかったという川畑は、このオーディションで何を感じたのだろうか。練習生と過ごした大切な日々を振り返ってもらった。
取材・文 / 中川麻梨花
夢を見ている若い世代の子たちに会ってみたかった
──「PRODUCE 101 JAPAN 新世界」のトレーナーのオファーがきたとき、率直にどのように感じましたか?
正直に言うと、僕は「PRODUCE 101 JAPAN」というオーディションを観たことがありませんでした。INIの藤牧京介くんと歌番組でデュエットしたことはあったのですが、「PRODUCE 101 JAPAN」出身だということはあとから知りました。オーディション番組のトレーナーをやったこともなかったので、オファーをいただいてびっくりしましたし、「自分にできることはあるのかな?」と思いました。でも、自分自身がオーディション(2000年に行われた「ASAYAN超男子。オーディション」)でデビューしたこともあり、夢を見ている若い世代の子たちに会ってみたいなという気持ちがありました。お話をいただいたときにすごく興味が湧いて、すぐに参加を決めました。
──実際オーディションにトレーナーとして参加してみて、「PRODUCE 101 JAPAN」シリーズを見たことがなかった川畑さんにとってこのオーディションのどういったところが新鮮に映りましたか?
もう、すべてです! 国民プロデューサー、SEKAI プロデューサーの皆さんの投票に対する熱量のすごさも感じていますし、このオーディションのシステムについても詳細を知らなかったので、とにかくすべてが新鮮です。ただ、僕らはあくまでもトレーナーなので、「少しでも練習生のスキルアップにつながるようなアドバイスをしよう」という姿勢はシステムが理解できた今も変わらないです。今回は「PRODUCE 101 JAPAN 新世界」ということで、世界での活動を前提にしたグループを生み出そうとしているところも大きな特徴だと思います。
──「PRODUCE 101 JAPAN」シリーズは、昨今行われているほかのオーディションと比べると、ダンス、歌、ラップすべて未経験の参加者が多いのも特徴的かもしれません。未経験の練習生の成長は日々のレッスンでも感じていますか?
そうですね。スキルを吸収する姿勢がある子は、レッスンでの飲み込みがすごく早い。ただ練習生によっては、自分への自信のなさが歌声に表れてしまう子もいます。「できない」と思っていると、それが“歌の表情”として表に出てしまうので、テクニックだけでなく、そういった気持ちや姿勢の面でもアドバイスしていけたらと日々感じています。
みんなの表情が変わってきた
──「PRODUCE 101 JAPAN 新世界」に参加した練習生たちのここまでの全体的な印象はいかがですか?
最初は人数がたくさんいたのもあって、みんな仲がよく、わいわいとした雰囲気がありました。でも、人数がどんどん絞られていくにつれて、みんなの表情もキリッとして空気感も変わってきたなと思います。もちろん練習生たちの関係性はいい意味で変わらないのですが、意識の面が変わってきているように感じます。だんだんデビューに近付いてきているけれど、「自分はデビューできるのか、できないのか」「まだ自分に何か足りていないんじゃないか」と、不安な気持ちが隠しきれていない。それが僕らトレーナー陣には伝わってきています。
──ここまで指導していく中で、川畑さんご自身の心境の変化もありますか?
もちろんです。最初は僕も「どういうふうにみんなに接してアドバイスしていけばいいんだろう」と、トレーナーとしてのあり方について日々悩んでいました。でもレッスンの回数を重ねるにつれて、自分なりの教え方がわかってきた感覚があります。コンセプト評価のレッスンでは、どのようなアドバイスが一番練習生のためになるのかを考え、まず5つの課題曲を自分も完璧に歌えるようにしました。「ここはみんなきっと歌いづらいだろうな」「ここの高音は声がキツいだろうな」という場所を前もって細かく研究して、レッスンに臨みました。例えば、みんなが弱く歌ってる部分を僕があえて強く歌うことで、「こう歌ってほしい」というメッセージを伝える。言葉で伝えることも大事ですが、歌を通してみんなとキャッチボールをしている感覚で、このやり方には手応えを感じています。
──練習生と接するうえで、川畑さんが特に意識していることは?
レッスン中はうまく歌えていない子にどうしても目がいきがちですけど、1人に偏らないように、チーム全員に目を配ってアドバイスしていくことを常に意識しています。自分ではそうしてるつもりなのですが、ちゃんとできているかは少し心配です(笑)。
──チームの中に経験者と未経験者が両方いることも多いと思うので、トレーナーとしては難しいところですよね。
そうですね。でも、経験者には経験者ならではの悩みがあり、歌やダンスを経験してきているからこそ、「うまく見せなきゃ」とちょっと力が入りすぎてしまったりすることもあります。経験者も未経験者も、それぞれの悩みや課題があるんだなと見ていて思います。
歌ううえで一番大切なこと
──実際に指導していて、「この子、めちゃくちゃ歌がうまいな!」と川畑さんをうならせるような練習生はいますか?
もともとオーディション序盤から「上手だな!」と思う子たちはいました。そういう子たちはいつも安定してうまいのですが、レッスンをしていく中で「この子は絶対にこの先よくなるな」と感じる子ももちろんいます。
──歌のポテンシャルが高いと。
今はまだ荒削りな部分があってもこのままあきらめずに、「吸収しよう」という姿勢を持ち続けて、貪欲に歌と向き合えば、必ず成長すると思います。まだ自分の声の使い方を知らなくてコントロールできていないだけで、絶対にいいものを持っているので、その可能性だけはなくさないようにしてほしいです。
──川畑さんが歌ううえで一番大切だと思っていることはなんでしょうか。
いかに感情を乗せながら、歌にパワーを込められるかを大事にしています。音程を外さずに歌えるだけではダメ。歌にはちゃんと自分の思いが乗っていないと聴く人にも伝わりません。そういうところは、すでにある程度歌のテクニックがある練習生にも改めて伝えています。
──先ほどおっしゃっていたポテンシャルの高い練習生たちは、そういった“言葉や思いを届ける力”を持っているということでしょうか?
「届ける力を持ってるのに、技術的にそれを出せていない」と言うほうが近いかもしれません。口元だけで歌ってしまったり、自分の“手前”で言葉が止まってしまっていて、こちらに伝わってこない。まずは目の前にいる僕にちゃんと思いを届けられないと、ステージから何千人、何万人のお客さんに届くはずがない。それはみんなにずっと伝えていることのひとつです。
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川畑要に芽生えた親心



