ナタリー PowerPush - PAGE

「閃光ライオット2011」グランプリ17歳のデビュー作「You topia」

ライブやれるなら応募します

──ところで、「閃光ライオット」に応募した動機はなんだったんですか?

ネットラップを始めて、結構、褒められてたんですよ。褒められたというか、全然叩かれなくて。曲を作り始めたときは自分で「こんなのクソ曲だ」とか「才能ないな」とか思って病んでたんですけど、それを上げてみたら「これ、かっこいい」とか言われて。「中3でこれだったら末恐ろしいな」的なことを言われて「あ、俺、うまいんだ」みたいになって。そのときに「次はライブしたいな」と思ったんです。同時に、その頃、ネット上で知り合ったOROCHIっていうラッパーがいるんですけど、彼が去年の3月にニコ生やってて観に行ったんですね。そしたら「閃光ライオット」っていうのに応募したんだけど、って言ってて。「閃光ライオット」ってなんですか?って訊いたら、10代限定のフェスで、勝ち上がったらそのフェスに出られるんだよって。3次審査からはライブだからライブができるって聞いて、「マジすか? ライブやれるなら僕やります」って。

──ライブができるっていうのが応募理由?

そうなんです。「PAGEくんも出てみなよ」「いやー、そういうの無理っす、無理っす」って言ってたんですけど、「でも、これ、3次審査まで行ったらライブができるよ」「じゃあ、やります」って(笑)。

──その3次審査のライブが人生初のステージ体験?

いや、違うんです。応募したのが3月で、「閃光ライオット」の3次審査が8月で、その間の6月に高校の文化祭があって、そこで初めてステージに立ったんです。

──生まれて初めてのステージはどうでした?

インタビュー写真

緊張しましたね。でも、ステージに立ったら緊張しないんですよ、僕。それでひとりでラップして。

──何曲やったんですか?

5曲。

──じゃあ、20~30分のライブ?

本当はひとり15分しか時間をもらえなかったんです。で、先生に「これ流してください。2曲なんで」って何も書いてないCD-Rを渡して。「2曲なんで」って渡してるけど、1曲目から4曲目までを全部つなげて1トラックにしてあるんですよ。

──ずるいなー、それ(笑)。

(笑)。だから1曲目が15分くらいあるんです。当然めっちゃ押しました(笑)。

前に立ったもん勝ち

──去年9月に「閃光ライオット」の決勝大会で日比谷野外大音楽堂のステージに立ったときはどうでした? 緊張しました?

いや、ステージに立ったら緊張しないし、「こんなもんか」って思いましたね。意外に狭いなって。

──へー、ステージ度胸があるんですね。

あと、3次審査のときに本当にどスベリしたんですよ。それに比べて、野音のお客さんはめっちゃ優しくて安心しました。安心したというか、普通にできました。

──元々度胸はあるほうなんですか? 物事に動じないタイプとか。

度胸、ないっすよ。

──え、ない!?

そんな、なんかイタいことはできませんよ。イタいのはできない。でも、ステージに立つのはイタくないじゃないですか。

──じゃあ、人前に出るのを怖いと思わない。

思わない。しかも、そういうのは前に立ったもん勝ちじゃないですか。何やってもいいし、やらかしてもいいわけだし。

──「閃光ライオット」でグランプリを取ったときはどんな気持ちでした?

「これ、僕でいいんですか?」感がハンパじゃなかったです。すごい二度見しましたから、校長のほうを。

──ひょっとしたら、ドッキリなんじゃないか?みたいな(笑)。

そうですね(笑)。「おい、マジか?」みたいな感じでした。

──小さくガッツポーズ、みたいなのはなかった?

なかったですね。「優勝したんだ……俺……?」みたいな感じで。そのあとCDの物販のところに行ったら、めっちゃ並んでて「あわわ、ありがとうございます」みたいな。「PAGEくん、良かったです」「あ、あ、ども」みたいな感じでしたね。なんかこう、衝撃すぎて、すごいふわふわしてたと思うんです。

──これは現実じゃない、夢だ、みたいな。

そう。相当ふわふわしてて、ぼーっとしてて、「空飛べんじゃねーの、今」みたいな。そんな感じでしたね。想像を超え過ぎちゃってよくわからないっていう。

メジャーデビューシングル「You topia」 / 2012年7月18日発売 / 1223円 / Ki/oon Music / KSCL-2069

CD収録曲
  1. You topia
  2. マナツニミタユメ
  3. Monochrome MURO REMIXX
  4. You topia SWG REMIX
PAGE(ぺいじ)

プロフィール写真

1995年生まれ、愛媛県松山市出身のラッパー。小学6年生のときに観たケツメイシのライブDVDに感銘を受け、音楽に目覚める。2008年からリリックを書き始め、2011年1月にマイクとインターフェイスを購入し宅録を開始。直後からニコニコ動画に「ニコラップ」と呼ばれるジャンルのラップを投稿し始める。同時期に10代限定のロックフェスティバル「閃光ライオット2011」に応募し、予選を勝ち上がる。同年9月に東京・日比谷野外大音楽堂で開催された決勝戦で見事グランプリを獲得(当時の名義はPAIGE)。「閃光ライオット」での一連のステージを現在のディレクターに見初められ、2012年7月にKi/oon Musicよりメジャーデビューシングル「You topia」をリリースした。