「花が咲き、季節を変える。」をコンセプトに掲げた6人組アイドルグループ・ハルニシオン。彼女たちの魅力と言えば、渡辺拓也、伊藤賢、白戸佑輔、エンドウアンリ(Grape Kiki)、ナッツP、矢野達也といったクリエイター陣が手がけた、感情の機微に寄り添うエモーショナルな楽曲たちだろう。そしてメンバーはTikTokなどでのいわゆる“SNSバズ”に重きは置かず、結成から200本以上のライブ活動を積み重ねてステージの上で楽曲を届けてきた。
ハルニシオンは今夏以降もバンドセットでのライブやCLUB QUATTROツアー、メンバーの地元を回る凱旋ツアー、グループ史上最大規模となるKanadevia Hallでの3rdワンマンライブを控えている。音楽ナタリーでは彼女たちの魅力に迫るべく、どのような思いを抱えながら活動しているのか話を聞いた。
取材・文 / 左藤豊撮影 / 堅田ひとみ
心に「春」を感じてくれたらいいな
──メンバーの皆さんはハルニシオン結成以前にもアイドルとしての活動経験があるんですよね?
村瀬ゆうな はい。メンバーは全員過去に一度はアイドル活動の経験があり、そこで夢を叶えられなかったり挫折を味わったりしてきました。そんな6人が集まったのがハルニシオンで、2025年2月15日のデビューライブから始動しました。ハルニシオンのキャッチコピーは「花が咲き、季節を変える。」です。私たちと出会った人が心に「春」を感じてくれたらいいなって。出会いやときめきといった春らしい感情を届けられるグループを目指して活動しています。このグループでアイドルをやりたいと思った理由はメンバーそれぞれにあると思うんですけど、全員に共通していることは、最初のオリジナル曲である「ハルニシオン」に惹かれたことです。
来海とい 「ハルニシオン」の歌詞が、自分の過去や描いていた未来とぴったりだったんです。だからこそ「ここで歌いたい」と思いました。
村瀬 「自分の感情を表現してくれたこの曲を歌いたい」という強い気持ちを持って集まった6人なので、曲に対する思いの込め方や熱量は自分たちでも強みだと思っています。
──では、「ハルニシオン」という曲に導かれて出会った6人はそれぞれどのようなキャラクターなのでしょうか? お一人ずつ自己紹介をお願いします。
芹沢心色 東京都出身、赤色担当、“パワフル末っ子”の芹沢心色です。特技はギターで、たまに弾き語り動画をSNSにアップしたり、配信で披露したりしています。性格的に怖いもの知らずなところがあり、ライブで突拍子もないことをやってしまう癖があるので、パワフル末っ子と名乗らせていただいております。
村瀬 ころちゃん(芹沢)はステージ上だけでなく、特典会でもパワフルです。ころちゃんのレーンからペンが飛んできたりするし、よく叫び声が聞こえたりします(笑)。続いて、私は茨城県出身、ピンク色担当の村瀬ゆうなです。私はころちゃんみたいなわかりやすいキャッチコピーはないんですけど、グループの代表として発言する機会が多いので、今日を機にハルニシオンの“ブレーン担当”としてやっていきたいなと思っています。特技は軽音楽部でやっていたベースと、マイナスな発言をプラスの言葉に変える“ネガポジ変換”です。誰か、ネガティブなことを言ってくれる?
馬場彩華 湿気で髪の毛がまとまらない!
村瀬 逆に言えば、雨の日にしか見られない君を見られるから私はうれしい! ……こんな感じで、特典会でもリクエストされたら披露しています(笑)。
福間彩音 水色担当、島根県出身の福間彩音です。好きなものはアニメやマンガ、小説を読むこと、文章を書くことです。あとはカメラも趣味。Vlogを撮るための動画用カメラ、景色用のミラーレス一眼、メンバーのオフショットを撮る高機能デジカメなど、用途によってカメラを使い分けていて、あとミノルタのTC-1というフィルムカメラも愛用しています。撮った写真はSNSに「#あちカメラ」というハッシュタグをつけて載せています。
長浜瑠花 宮城県出身、紫色担当の長浜瑠花です。特技は手がうねうね動くこと……と言っても記事だと伝わらないので、見たい方はぜひ特典会に来てください(笑)。最近は御朱印集めにハマっています。幼い頃、祖母が御朱印集めをしているのを見て「いいな」と思っていたんですけど、なかなか行動に移せなくて。でも去年からついに私も集め始めました。先日は母と一緒に1日で12社巡りました!
来海とい 千葉県出身、緑色担当の来海といです。幼少期は自然豊かな場所で育って自由奔放でした(笑)。今でも休日は川に行ったり山に登ったりする自然派です。あと、たくさんしゃべるところが自分のチャームポイントだと思っています。特典会ではマシンガントークを発揮してしゃべり続けるので、会話が苦手な方でも安心して会いに来てください!
馬場 佐賀県出身、黄色担当の馬場彩華です。私はとにかくダンスが大好きで、ハルニシオンの楽曲はもちろん、ほかのアイドルさんやアーティストさんの曲のダンス動画をSNSにアップしています。踊っているときのカッコいい姿と、普段のニコニコしている表情のギャップを褒めていただくことが多いです。最近ハルニシオンの楽曲のダンスの難易度がどんどん上がっているのですが、私は難しければ難しいほど燃えるので、とても楽しく活動できています。
私、夢を持っていいんだ
──ステージデビューから1年以上が経ち、6月4日にSpotify O-EASTで開催した「2nd ONEMAN LIVE『春、満ちて。』」はソールドアウトという大成功を収めました。O-EASTは結成当初からの目標の会場だったそうですね。目標を達成して、きっと手応えを感じているかと思います。
芹沢 結成してまずメンバーのLINEグループ名を決めるとき、「絶対武道館」にしようかという話になったんですけど、それはちょっと大きい、コツコツ堅実にステップを踏んでいったほうがいいよねとみんなで話し合って「絶対O-EAST」というグループ名にしました。そこからの念願だったんです。
村瀬 ただ、O-EASTでのワンマン開催が決まったものの日程が平日だったので、「平日にO-EASTなんて無謀なんじゃないか」と怖気付いてしまいました。うれしい反面、「やばいやばい、どうしよう」という困惑のほうが大きくて、開催が近付くにつれてプレッシャーが増していきました。でもいざ当日を迎えたら、チケットはソールドアウトで会場は超満員。あの景色を見たときは、普段あまり泣かないメンバーも感極まっていましたね。
芹沢 私はステージで爆泣きしてしまいました。やっとこのステージに立てたといううれしさが、ファンのお客さんの熱量によってさらに大きくなり、感情が一気にあふれ出てきて。自分でもびっくりするくらいうれし泣きしました。
来海 私も普段ライブでは楽しいという感情が勝つタイプなので、泣くことはないと思っていたんです。でも、デビュー時からの目標だったO-EASTに、平日にもかかわらずたくさんの人が集まってくれて、その景色を見たときに感極まってしまって……。私は、大きな夢を持つのが苦手なタイプでした。だって、叶わなかったら怖いじゃないですか。だからずっと、目の前のことだけを見て猪突猛進してきました。でも今回、フロアにペンライトの光が6色均等に輝いているのを見て、「夢ってみんなと一緒なら叶うんだ!」と知りました。「私、夢を持っていいんだ」と思えたし、会場に来てくれたみんなの夢もこれから背負っていきたいと思いました。
村瀬 ハルニシオンにとってO-EASTは本当に特別な場所なんです。デビュー直後に対バンイベントで立たせていただいたのですが、そのときは緊張に飲まれてしまって思うようなパフォーマンスができず、悔しい記憶がずっと残っていました。でも、今回のワンマンを経験して、やっと「私たちは自信を持ってO-EASTに立てるグループになったんだ」と、過去の悔しさを追い越すことができました。そして何より、ハルニシオンのファンの方たちが私たちの未来を誰よりも信じてくれている、と伝わってきたんです。皆さんの熱量が私たちの背中を押してくれました。
この6人ならどこまででも行ける
──着実にステップアップを遂げているハルニシオンですが、結成当初から「この6人なら絶対に上へ行ける」という確信はあったのですか? それとも不安や葛藤を抱えながら1年以上戦ってきた感覚でしょうか?
来海 きっと6人それぞれがいろんな思いを持っていたよね。
村瀬 そうだね。それぞれ経歴が違うからいろんな思いはあったと思うけど、全員このグループに懸けているんだという熱量の大きさは最初から感じていました。
長浜 結成当初は緊張もしていたし、このグループでどうなっていくんだろうという気持ちはありました。ただ、私はこれがアイドルのラストチャンスだと決めてここに来たので、「みんなを信じるしかない」と強く思っていました。
芹沢 私は最初から自信しかなかったです。楽曲を聴いた瞬間に「この曲で売れないのはおかしいだろ!」と確信してハルニシオンに入ることを決めたので、「ここで絶対に売れてやるぞ!」と思いました。そして、こんなに素敵な曲をいただいたんだから、自分はもっと努力をしなきゃいけないな、って。「この6人ならどこまででも行ける」と、初期も今もずっと本気で思っています。
来海 確かにみんな熱意がすごくて、しかもずっと右肩上がりなんです。だから私も一度もモチベーションを落とすことなくここまで来れています。最近はより一層「いくぞ!」という決意が強くなっていますね。
馬場 私は逆に、最初は不安でいっぱいでした。以前とても大きなグループに所属していたので、「ここでは絶対に失敗できない」というプレッシャーがあって。昔から応援してくださる方をがっかりさせたくなかったから最初は本当に悩みましたし、ハルニシオンが大きくなっていくスピードに「ついていけるかな」と不安になったこともありました。でも、フェスのメインステージやワンマンライブなど、みんなで掲げた目標を1つずつ現実に変えていくことで、だんだんと自信を持てるようになっていきました。
福間 私は正直、まだ不安な気持ちが大きいです。私はこれまで2度活動休止をしてしまい、合計4カ月ほどハルニシオンとして活動できない時間がありました。そんな自分がハルニシオンを語っていいのかという思いに襲われ、ファンの方に「ライブに来てね」と伝えることすら怖くなってしまったこともありました。だからこそ今は「ハルニシオンの一員として、早くみんなに追いついて、認められるようにならなきゃいけない」と強く思っています。
村瀬 あち(福間)がお休みしている期間も、私たちは自己紹介で必ず「6人のグループです」と発信し続けていましたし、ファンの方も「福間彩音」のグッズを身にまとってライブに来てくれました。メンバーもファンの方も含めてみんなで「6人のハルニシオン」を大事に守ってきたつもりです。あち自身は不安を抱えているかもしれないけど、私たちは5人でステージに立っているときもあちの存在をずっと感じていました。今までもこれからも、ハルニシオンはずっとこの6人がいいなと思っています。
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何かに向かう情熱や執着に似た強い感情


