ふみの「よくあるはなし」特集|シンガーソングライターとして踏み出した大きな一歩 (2/2)

今までで一番“歌ってる”実感を持てる曲

──特に好きなパートや、気に入っている歌詞はありますか?

最初の2フレーズは気に入っています。あと、ラストのサビの「終われない夜に正解を見て泣く」という一節は、制作の最後のほうで急遽追加したんです。ふと思いついた歌詞ですが、加害者が罪を犯したことで目的を果たせたとしても、誰かが不幸になっているという事実はあるから、「どこかで後悔していてほしい」という私の思いを込めました。ここがあることで、さらに希望が見える曲にできたと思います。

──ふみのさん自身の経験も、歌詞に反映されているんでしょうか。

はい。些細なことでも、自分が後悔することをやってしまって引きずったり、誰かのために動いたことが別の誰かを傷つけたり……全部私の経験が重なっています。もしかしてすでに何かに一歩踏み込んでしまっているかもしれないけど、それは全部終わったあとじゃないと気付けないし、客観視しないとわからないことなんですよね。

──ポップな「favorite song」(今年1月に配信リリースしたデビュー曲)、「ホットライン」とはまったく異なるテイストの楽曲ですが、レコーディングはいかがでしたか? 声の表現も、より繊細にコントロールされている印象を受けました。

「どう歌ったら、思いがそのまま伝わるだろう?」と、最初の頃はニュアンスに悩みました。「僕」をどんな強さで発音するのか、「?」をどう表現するのか。1番のAメロは特に音が少ないので、スッと声が入るように1文字1文字を考え抜いて歌いました。レコーディングはスムーズに進んだ感覚があったんですが、気付けば10時間くらい歌っていましたね。歌っていて楽しい曲なので、まったく苦ではなかったです。

──歌っていて、自分の感情をそのまま乗せられそうな1曲ですよね。

はい。仮歌を入れるときから「めっちゃ楽しい!」と思っていました。今までで一番“歌ってる”実感を持てる曲です。

──「よくあるはなし」というタイトルにはどんな思いを込めましたか?

重いテーマだけど誰にでも当てはまる歌詞なので、「自分が同じ立場になったときに、思いとどまれますか?」という問いかけでもあり、「ここで描かれていることと同じようなことは、いろんなところにありふれているよ」という思いを込めました。

──初めてタイアップで楽曲を作ってみていかがでしたか?

楽しかったです! 普段マンガを読んでいても、俯瞰でそれぞれのキャラクターがどう考えているかなどを想像することがすごく好きなので、面白い作業でした。

まだふみのの存在を知らない方に、たくさん出会いたい

──ふみのさんは今後も幅広いテイストの楽曲を生み出していくと思いますが、特にやってみたいジャンルなどはありますか?

やりたいジャンルはいっぱいありますね……R&Bにあまり触れたことがないので、やってみたいです。これまで自分からやろうとはあまり思わなかったんですが、オーディション中から近くにあったジャンルなのもあり、挑戦してみたいですね。

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──ふみのさん自身のルーツといえるジャンルは、やはりロックでしょうか?

ロックは好きですね。でもポップスも聴くし、バラード曲も好きだし……ミュージカルの楽曲や声優さんが歌う楽曲、ボカロも大好きです。今日はずっとボカロを聴いていました。

──一番好きなボカロPは?

うわー……一番難しい質問です!(笑) ひとしずくPの「nightシリーズ」や、悪ノPの「七つの大罪シリーズ」が大好きですね。解説を聞きながらじゃないとわからないような難解な物語シリーズの曲を、イチからじっくり聴くのが好きです。

──いつかふみのさんがボカロPとコラボしたら面白そうですね。

めちゃくちゃしてみたいです! 今は自分で曲を作ることに必死だけど、いつか誰かとコラボして、一緒に楽曲を制作してみたいですね。

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──ちなみにオフの日はどんなふうに過ごしていますか?

マンガを読んだり、友達とごはんに行ったり、スケボーをしたり……最近は暑くなってきたので、ブロックを積むアプリゲームをずっとやっています(笑)。

──等身大の生活を大事にしているんですね。今後はどういうアーティストになっていきたいと思い描いていますか?

私はあまり大きなことを言うタイプじゃないんですけど、今は曲を書くことがとにかく楽しくて。さっきお話ししたように、「ホットライン」をリリースしたとき、いろんな視点で受け取ってもらえたことがすごくうれしく、同時に面白かったんですね。でも逆に、伝えたかったことがうまく伝わらないこともあるんだろうなって。だから、いろんな視点の曲を書いて、聴いてくれた全員に刺さる曲を持っているようなアーティストになりたいです。「こんなあなたにはあの曲」「こういう人にはこの曲」と薦められるくらい、曲をたくさん書きたいですね。

──いつか立ってみたいステージはありますか?

いろんなステージに立ってみたいですが、最近はフェスにたくさん出てみたいです。路上ライブでも、私のことを知らない方が、立ち止まって聴いてくれる瞬間がすごく楽しかったんですよね。まだふみのの存在を知らない方に、たくさん出会いたいです。

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プロフィール

ふみの

2024年にBMSGとちゃんみなによるガールズグループオーディション「No No Girls」に参加。約7000人の応募者の中からファイナリストに選出される。2026年1月にちゃんみなが主宰するセルフプロデュース型レーベル・NO LABEL ARTISTSからシンガーソングライターとしてデビュー。ちゃんみなから贈られたデビュー曲「favorite song」のミュージックビデオは公開から20時間で100万回再生を突破し、Billboard JAPAN 総合ソング・チャート「JAPAN Hot 100」では9位にチャートインするなど新人としては異例の反響を見せた。3月には自身で初めて作詞作曲を手がけた2ndシングル「ホットライン」をリリース。先日5月8日にはドラマ「未解決の女 警視庁文書捜査官 Season3」の主題歌として自身初の書き下ろし楽曲「よくあるはなし」をリリースした。