2026年9月から2027年3月にかけて、ASKAソロ史上最大規模の全国ツアー「ASKA CONCERT TOUR 2024-2025 “Lock-on”」が開催される。全44都市52公演という驚きの大規模ツアーに挑むことになった彼は、今、何を考え、どのような景色を見ているのか。音楽ナタリーでは、みのミュージックにインタビュアーを依頼。最新活動から音楽観、さらにはシャワーを浴びながら頭をよぎった人類とAIの文明論まで、多岐にわたる話題について、真摯に話してもらった。
取材 / みの(みのミュージック)文 / 田中和宏
公演情報
ASKA CONCERT TOUR 2026-2027 “Lock-on”
- 2026年9月19日(土)東京都 J:COMホール八王子
- 2026年9月26日(土)栃木県 栃木県総合文化センター メインホール
- 2026年9月27日(日)埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール
- 2026年10月11日(日)岐阜県 長良川国際会議場 メインホール
- 2026年10月12日(月・祝)三重県 四日市市文化会館 第一ホール
- 2026年10月16日(金)岡山県 倉敷市民会館
- 2026年10月18日(日)鳥取県 米子コンベンションセンター BiG SHiP
- 2026年10月21日(水)大阪府 フェスティバルホール
- 2026年10月22日(木)大阪府 フェスティバルホール
- 2026年10月25日(日)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
- 2026年10月31日(土)青森県 リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
- 2026年11月2日(月)秋田県 あきた芸術劇場ミルハス 大ホール
- 2026年11月14日(土)京都府 ロームシアター京都 メインホール
- 2026年11月15日(日)京都府 ロームシアター京都 メインホール
- 2026年11月21日(土)愛媛県 松山市民会館 大ホール
- 2026年11月22日(日)香川県 レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール
- 2026年11月25日(水)愛知県 刈谷市総合文化センター 大ホール
- 2026年11月28日(土)兵庫県 アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)大ホール
- 2026年11月29日(日)奈良県 なら100年会館 大ホール
- 2026年12月4日(金)石川県 本多の森 北電ホール
- 2026年12月5日(土)長野県 ホクト文化ホール 大ホール
- 2026年12月10日(木)茨城県 水戸市民会館 グロービスホール
- 2026年12月11日(金)福島県 會津風雅堂
- 2026年12月13日(日)山形県 やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)
- 2026年12月18日(金)滋賀県 守山市民ホール 大ホール
- 2026年12月20日(日)和歌山県 和歌山県民文化会館 大ホール
- 2026年12月23日(水)長崎県 ベネックス長崎ブリックホール
- 2026年12月25日(金)福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール
- 2026年12月26日(土)熊本県 熊本城ホール メインホール
- 2027年1月8日(金)福井県 フェニックス・プラザ エルピス 大ホール
- 2027年1月10日(日)新潟県 新潟県民会館 大ホール
- 2027年1月11日(月・祝)群馬県 高崎芸術劇場 大劇場
- 2027年1月15日(金)千葉県 市川市文化会館 大ホール
- 2027年1月16日(土)山梨県 YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)大ホール
- 2027年1月22日(金)神奈川県 よこすか芸術劇場
- 2027年1月24日(日)静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
- 2027年1月29日(金)山口県 KDDI維新ホール
- 2027年1月30日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
- 2027年2月4日(木)岩手県 盛岡市民文化ホール 大ホール
- 2027年2月6日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
- 2027年2月12日(金)東京都 東京国際フォーラム ホールA
- 2027年2月13日(土)東京都 東京国際フォーラム ホールA
- 2027年2月20日(土)沖縄県 那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場
- 2027年2月21日(日)沖縄県 那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場
- 2027年2月25日(木)佐賀県 ミズ ウェルビーホール(佐賀市文化会館)
- 2027年2月26日(金)大分県 iichikoグランシアタ
- 2027年2月28日(日)宮崎県 宮崎市民文化ホール
- 2027年3月4日(木)高知県 新来島高知重工ホール(高知県立県民文化ホール)オレンジホール
- 2027年3月6日(土)広島県 ふくやま芸術文化ホール・リーデンローズ 大ホール
- 2027年3月7日(日)島根県 島根県芸術文化センター グラントワ 大ホール
- 2027年3月13日(土)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
- 2027年3月14日(日)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
※富山県、鹿児島県、徳島県は会場改装中のため本ツアー開催なし
バンドメンバー
澤近泰輔(Piano) / 吉田佳史(Dr) / 荻原基文(B) / 鈴川真樹(G) / 設楽博臣(G) / クラッシャー木村(Violin) / デイビッド・ネグレテ(Sax) / 高橋あず美(Backing Vocal) / 結城安浩(Backing Vocal)
「Who is ASKA!?」を振り返る
──前回僕がインタビューさせていただいたのは3年前、2023年のツアーのときでした(参照:ASKAさんの歌う姿に「愛、謙虚さ、感謝、祈り」を感じました)。
覚えてるよ。千葉だったよね?
──はい。松戸公演でした。覚えていただいていてありがとうございます。直近では「Who is ASKA!?」ツアーが全公演完売御礼で幕を閉じましたが、振り返ってみてどのようなツアーでしたか?
ざっくりと言えば、“ASKA中級編”が成功したツアー。初日の熱気を失うことのないツアーになったね。毎回初日は独特の盛り上がりがあります。やっとの思いでチケットを手にした方の集まりだからね。そんな初日を知っていた僕にとっても予想を上回るツアーの幕開けとなりました。
──その熱気は、ツアーを通じて持続していったのでしょうか?
ええ。ステージをやるごとに、初日の熱気がそのまんまずっとつながっていくのを感じて、途中から「次回のツアーはもっと規模を大きくするよ」ってスタッフに伝えました。わりと早い段階でね。今回のツアー「Lock-on」は明確に何本とは言わずに、もっと大きなツアーになるかなという予感がありました。「Who is ASKA!?」後半の追加公演のときに「47都道府県をやろうかなと思っている」なんて具体的な話になって。そこからスタッフ、イベンターが忙しくなっていきました。でも、あれだね。47都道府県となると、会場の押さえが大変。改修工事に突入してるホールもある。どうしても47のうち3カ所だけ組めなかった。
──ASKAさんは「全国を回るぞ」という宣言がMCでの勢いでぽろっと出ちゃうタイプですか?
僕が言うときは、ある程度スタッフと話をしている段階のことが多い。話し合っている中で、「自分がやりたいのはどっちだろう」と思ったときに、自分の軸足が向いたほうをポンとMCで言っちゃう。何もないときは言わないです。
──有言実行ですね。「Who is ASKA!?」での2025年2月の日本武道館2DAYSライブも大きな体験だったかと思います。
2019年にソロで武道館をやったとき、「僕の活動の本質は、ライブをやり続けること」という話をしたことがあってね。武道館という場所に立てるのは光栄なこと。それは今でもそう思ってます。その武道館の楽屋インタビューでこんな話をしたよ。僕が活動を再び始めたときだった。武道館公演を1日やれたら次は2日間、その次は4日間……というふうに、“倍々ゲーム”にしたいと。うまくいってるとき、物事は少しずつ進めるのではなくて倍々で挑みたいよね。逆にうまくいかなくなりだしたときは倍々で後退していく。そんなもんだと思ってます。前回は2日間だった。自分の言葉通りに進むことができてる満足のようなものがあったかな。
──まさに有言実行です。
コロナ禍という“特殊な経験”、ASKAが歌う意味とは
──今回は全国を回る大規模なツアーを計画されていますが、一方で過去にはコロナ禍で公演を中断せざるを得なかった経験もおありだと思います。今振り返ると、あの時期はどういう心境でしたか?
あの頃は日本中が大変だったからね。実際、コロナの状態を疑いながらも、世の中の“不要不急の外出を控える”みたいな情報を受け止めて動いているときだったから、それは仕方がないと思った。でもコロナ禍でツアーをやり始めようとしたとき、あのときは第3波と同時に飛び込んだんだ。今から考えると、コロナで右往左往した日本で、特殊な経験をさせてもらったなと思っています。
──その経験が、現在の活動の糧になっている部分はありますか?
どうだろう。きっとあるんでしょうけどね。もうコロナの時代を忘れているから。
──5、6年前の話になりますもんね。
そうだよね。2020年、2021年あたりだから。当時は本当に、それ以外の生活が逆に考えられないくらいだったけど、今は「振り回されたな」っていう気持ちしかないです。
──2022年発表の最新アルバム「Wonderful world」も、コロナ禍中に制作されたと伺っています。
「Wonderful world」の中の表題曲、「幸せの黄色い風船」「自分じゃないか」「僕のwonderful world」の3曲は、コロナ禍で世の中が一番真っ暗なときに立て続けでリリースしたシングル。あのときは出口が見えない喪失感と、もう1つは“敵がわからない”という恐怖があった。そんな中ですごく歌いたくなったテーマ。自分のために歌いたかった。僕はもともと「自分の歌で世の中を元気にしたい」とは、1度も思ったことがなくて。
──そうなんですか?
1度もないね。そのときも「こんな今だからこそ自分自身が温かくなれるような、元気が出るような楽曲を作りたい」と思ってさ。
──でも結果としてファンの皆さんに勇気を与えていると思います。
僕はね、「自分の歌で元気になってほしい」とか、それは言わない。それができるミュージシャンもいるけど、僕はできないから。「世の中を歌で元気に」なんてできないタイプだから「僕は自分のことしか歌えない」って言ってます。
──その姿勢に、リスナーの皆さんは気持ちを重ねているのでしょうね。
どうでしょうね。ただ「真っ暗闇のトンネルを早く抜けたい」は同じだったでしょうね。
アルバムに特別なこだわりは……ない
──現在制作中の楽曲はあるんでしょうか? 新しいアルバムの構想などについてもお聞かせいただけますか?
楽曲はそろってきていて、歌入れが終わった曲もあります。でもタイトルはまだ決まってない。オケもある程度完成しているものもあるし、まったく手付かずでデモテープ段階の楽曲もある。僕も自分でどのくらい進んでいるのかよくわからないけど、気が付いたら「けっこう進んでんじゃん」という感じで。今は何%かはまだ言えないですね。
──普段、アルバムを作る際は発表する以上の曲数を作るタイプですか?
そんなことないんです。大体10曲作ったら10曲出すし、12、3曲あればそれを出すし。この前は14曲作って14曲発表したのかな? いつもだいたい、「もうストックがありません」というところまでやっていく。今回はどうでしょうね。1枚のアルバムという形式にこだわらないで、8曲入りを2回続けて出してもいいし、6曲入りを3回続けて出してもいい。作品集みたいな形になっていけばいいなと思ってるんです。
──今はシングルをたくさん切るような、フットワークの軽いアプローチも増えていますね。
サブスク全盛でしょ? アルバムをディスクでまとめて聴くっていう文化がなくなってきているから。そういう意味では、5、6曲できたらポンって世の中に放り投げていく時代なのかもしれないね。
──アルバムという形式へのこだわりや愛着は、あまりないのでしょうか?
今はアルバムというパッケージに特別なこだわりはないんです。これからの楽曲の紹介って「ASKA 2018年の作品」「2019年の作品」「2020年の作品」……というふうに、一応アルバムタイトルみたいなものも付けるんだけど、結果的に「何年の作品集」みたいになっていくんじゃないかな。きっと未来はそういう感じだよね。
ツアーは東名阪のほうが合理的だけど?
──新作も楽しみにしております。次回のツアー「Lock-on」は、ASKAさんのソロツアー史上最大規模の44都市52公演となります。なぜ今、これほどのスケールのツアーを決断することができたのか、その原動力について教えてください。
「なぜこんな本数を?」とはよく言われるんだけど、僕からしたら全然そんなことなく、普通で。ツアーっていうのは50本、60本、70本やるのが普通だと思っていたから。いつの間にかそれをやらなくなって。ライブで育ってきた者としては、なるべくたくさんの場所で歌いたい。でも時代は確実に変わってるね。
──と言うと?
東名阪で日本の全人口の半分以上はいるわけでしょ? 残りの半分が地方都市。そう考えると東名阪を抑えれば大体ツアーって言えるから。地方都市は人口の絶対数が少ないので、ホール公演をやるのは確かに大変かもしれないんだけど、僕らがやってきた感覚では全国ツアーってそういうことだったから。大変だなとか、よく踏み切ったねっていう感覚はあまりない。でも、きっとこういう大規模なツアーは、今後そうそうやらないだろうなという気持ちもあります。
──そういう予感はあるわけですね。
ありますね。



