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wyolica メトロにゆられて(Remixes)
2025年発表の「メトロにゆられて」を再解釈──wyolicaと福富幸宏が新たに描き出す“温度感”のある情景
文 / 黒田隆憲
大沢伸一プロデュースによるシングル「悲しいわがまま」で、1999年にデビューしたwyolica。今年、そのデビュー日にあたる5月21日に配信リリースされた「メトロにゆられて(Remixes)」は、wyolicaが昨年デビュー25周年のアニバーサリーイヤーを記念して発表した「メトロにゆられて」を、日本のハウス / クラブミュージックシーンを長く牽引してきたDJ / プロデューサーの福富幸宏が新たな角度から捉え直した作品である。
原曲「メトロにゆられて」の魅力は、都会的でありながら、どこか人懐っこい温度を失わないところにある。Azumi(Vo)の少しハスキーでキュートかつソウルフルなボーカル、so-to(G, Programming)の軽やかなギターカッティング、そして時折差し込まれるハートウォーミングなホーンセクション。それらのサウンドの中でフリーソウル的なグルーヴとゆったりとしたメロウネスが溶け合い、地下鉄に揺られる何気ない時間の中に、ふと記憶や感情が立ち上がるような余韻を残す。
「メトロにゆられて(Remixes)」は、原曲の温度感を受け継ぎつつ、より静謐な表情を浮かび上がらせたバージョンだ。アコースティックギターとAzumiの歌から始まり、ドラムやベースが緩やかに重なっていく。随所でアクセントを添えるスクラッチ、ミュートされたホーン、アコースティックセットのような質感。とりわけ印象的なのは、歌うようなベースラインがAzumiのメロディに絡み合い、楽曲の奥行きをそっと広げていくところだ。ビートは強く前に出るというより、歌の内側にある親密さや余白を際立たせている。
なお、原曲の延長線上にある“もうひとつのアレンジ”として楽しめる「メトロにゆられて(Reform)」も、リミックスバージョンと併せて配信された。このバージョンは歌とエレピ、トライアングルの繊細な響きから始まり、やがて高らかに鳴り出すホーンセクションとともにバンドアンサンブルへと広がっていく。全体としてはエレピ、歌、ベースが前に出た作りでありながら、片側のスピーカーに寄せられたエレキギターの響きも耳に残る、原曲のグルーヴを保ちながらよりロマンティックな情景を描き出すアレンジとなっている。
「Remix」では静けさと親密さを、「Reform」では広がりとロマンティシズムを引き出すことで、wyolicaと福富幸宏は「メトロにゆられて」という楽曲が持つ魅力を、改めて浮かび上がらせている。
- wyolica「メトロにゆられて(Remixes)」
- 2026年5月21日(木)配信開始 / BIG UP!
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作詞・作曲:so-to
編曲:Yukihiro Fukutomi
wyolica(ワイヨリカ)
Azumi(Vo)、so-to(G, Programming)がオーディションをきっかけに意気投合し、1997年に結成したユニット。1999年に大沢伸一をプロデューサーに迎えたシングル「悲しいわがまま」でデビューを飾り、以降も多くのミュージシャンとコラボレートを繰り広げる。温かなAzumiの歌声を軸に、さまざまなサウンドアプローチで多くの支持を獲得。他アーティストへの楽曲提供など、それぞれのソロの合間をぬって現在もマイペースな活動を続けている。
