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P4C「Chinese Session」ジャケ写

P4C Chinese Session

玄関開けたら2分で中華?ゆるふわドリーミーシンセポップ

文 / 石橋果奈

大阪在住のMellrin(メルリン)こと西中島きなこが主宰するシンセポップ音楽チーム・P4C。2025年8月にリミックスバージョンで配信リリースされた「Chinese Session」は、P4Cの前身プロジェクトである「バンドTHEハオルチアオブツーサ」時代から歌い継がれてきた楽曲だ。

公式の解説文に「カンフーや中華料理店をイメージしたサウンドと、女性メンバーによるポップな日本語ラップが印象的な日本語ヒップホップ作品」とあるように、本作は女性ボーカルの気だるくもチャーミングな歌声がクセになるドリーミーなシンセポップ。「玄関開けたら 2分で中華」というどこか懐かしさを感じるキャッチーなフレーズには、思わずクスリと笑ってしまう。

しかし、ここでボーカルをあえて“女性メンバー”と匿名的に表現している背景には、大所帯バンド・渋さ知らズに影響を受けたという、彼らならではのユニークなシステムがある。P4Cでは「一度でもライブやレコーディングに参加したメンバーはすべて正式メンバー」とカウントされ、自ら辞退を申し出ない限りプロジェクトに在籍し続けるのだ。

現時点での在籍メンバーは「関東チーム」がちなみ、菊千代、☆彡キ、うた、戌亥なつき、柳本やな、張三立の7人。「関西チーム」がソノ、Chiharu、なっち、HITOMI、おはな、オリーブ、結宇、Mzk、セルフコンパッション、E-Neverひとみ、Mellrinの11人。活動エリアによって関東と関西の二手に分かれ、それぞれの拠点で自由なライブ活動を展開している。

プロジェクト名の「P4C」は、「Philosophy for Children=子供のための哲学」に由来する。1970年代にアメリカの哲学者マシュー・リップマンが提唱した教育活動であり、参加者たちが答えのない問いを巡って対話を深めていくものだ。そこでは「人の意見を否定しない」「何を言ってもいい(沈黙してもいい)」「言葉に詰まっても待つ」という、お互いを尊重し合うルールが絶対視されている。

主宰のMelrinは、知育人形「メルちゃん」のキャッチコピーである「めばえる やさしさ おもいやり」に深く感銘を受けているという。思えば彼は、多作な音楽人生の中で、常に社会的マイノリティの視点に寄り添い、誰かの救いになるような創作活動を続けてきた。

メルちゃんと遊ぶ中で育まれる優しい思いやりの心と、P4Cというプロジェクトの根底に流れる「誰もが否定されず、安心して存在できる」という思想──ステージに立つボーカリストや演奏者がライブごとに変化するP4Cのしなやかで境界線のない世界観は、これからも音楽を通じて聴く人の心に優しい世界を広げていくだろう。

P4C - Chinese Session(MV)

P4C「Chinese Session」
2025年8月27日(水)配信開始 / BINKAN
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作詞・作曲・編曲:西中島きなこ

P4C(ピーフォーシー)

P4C

シンセポップ音楽チーム。大阪在住のMellrin(メルリン)こと西中島きなこが2022年に大学の学園祭で知り合ったメンバーと結成。その当時は「バンドTHEハオルチアオブツーサ」として活動。2024年に名前をP4Cに改名し、メンバーチェンジを繰り返す。2026年からは関西と関東の2拠点で、それぞれ異なるメンバー編成でライブ活動をスタート。これまでに配信リリースした楽曲はApple Music、Spotify、YouTube Musicの公式プレイリストに選曲されている。P4Cの楽曲はすべてMellrinが作詞・作曲・アレンジを担当。シンセポップを軸としながらもDUB、ヒップホップ、ドリームポップなどの要素を楽曲の中に取り入れている。1度でもライブやレコーディングに参加した人物は正式メンバーとしてカウントしているが、自ら辞退を申し出たメンバーのみ在籍から外れるシステムで、今後もメンバーは増えていく予定。