「あくまでここはスタート地点」M!LK、メジャーデビュー後初ワンマンで踏み出した“夢路”への一歩

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M!LKが昨日2月13日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでワンマンライブ「M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER」を開催した。

M!LK

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「M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER」は、2021年11月のメジャーデビュー以降、M!LKが初めて実施するワンマンライブ。曽野舜太が発案した「NEXT WINNER」というタイトルから「自分との戦い」、そこから「鏡」というコンセプトを当てはめたメンバーは、この1度きりの公演のためにじっくりと準備を進めてきた。パシフィコ横浜 国立大ホールは、グループにとって過去最大のキャパシティながら、会場には満員のみ!るきーず(M!LKファンの呼称)が来場。開演前の客席は、新たなフィールドに立った5人のパフォーマンスへの期待感にあふれていた。

虹色の輝きを放つクリスタルを手にした5人がまっすぐに前を見つめる姿を捉えたオープニングムービーが「NEXT WINNER」の始まりを告げると、会場には佐野勇斗の力強い歌声が響いた。彼らが1曲目に届けたのはメジャーデビュー曲の「Ribbon」で、弾ける光の中から5人が姿を現すような幻想的な演出がみ!るきーずの目を奪う。ゴールドカラーが印象的な、ゴージャスなローブをまとったメンバーは観客を優しく歓迎するように、穏やかな表情を浮かべながら豊かに楽曲を歌い上げた。

ステージ背面のLEDパネルに宮殿が映し出される中で5人が歌い踊ったロマンティックなオープニングを終えると、一転ステージ上は瞬くフラッシュの光に包まれる。続いてドロップされたのは「上昇思考クライマー」で、佐野は「行くぜパシフィコー!」と気合いの咆哮。アッパーなサウンドにパワフルな歌声を響かせた5人が「あふれる想いエンジンにして 新しい景色 見に行こう」という楽曲のメッセージを全力で届けると、客席の熱気も急上昇してカラフルなペンライトが力強く揺れた。

一気に火が点いた勢いを加速させるべく、5人はここで「めちゃモル」「サンキュー!N・D・K!」を連投。ステージに大きく広がってオーディエンスを煽り、み!るきーずを自分たちのパフォーマンスに巻き込んでいく。「サンキュー!N・D・K!」の間奏ではマイクリレーが繰り広げられ、山中柔太朗が「今日は世界一幸せにしてやるからどうぞよろしく!」と言うと、塩崎太智は「俺とM!LKに会いたかったかい? 俺はみんなに会いたかったよー!」と絶叫。曽野舜太が「今日は最高の1日にしよう!」と弾ける笑顔で約束すれば、吉田仁人は「チェストー!」、佐野は「お前ら元気そ?」と、ファンが待ちに待った“お決まり”のひと言で挨拶を交わした。

メンバーがローブを脱ぎ去り、パステルブルーのカジュアルルックで「男子スイーツ部発足します」「恋がはじまる」を届けた場面では、5人が見せるキュートな表情がファンを魅了。「恋がはじまる」でカメラに抜かれた山中が優しく微笑むと、客席はにわかに色めき立つ。しかし穏やかなムードは、続く「君の知らない世界へ」で一変。M!LKの後輩のEBiDANメンバーからなるTEAM M!とともに、M!LKの5人は移動式の鏡のパネルを使ったマジックのようなパフォーマンスを見せ、楽曲のミステリアスな世界観を際立たせた。

「君の知らない世界へ」の曲終わりで5人が“鏡の中”に閉じ込められてしまうと、場内のLEDビジョンには「PAINT IT RED」のアラートが映し出された。ここで“鏡の裏の世界”から姿を見せたのは、2017年に誕生したM!LKの“突然変異ユニット”であるBLACK M!LK。彼らのひさびさの登場に場内が驚きに包まれる中「Charge」がスタートすると、マイクを握ったHAYATOとSHUNTAはパワーボーカルでファンを圧倒し、DAICHI、JYUTARO、JINTOの3人はダイナミックかつシャープなダンスパフォーマンスをオーディエンスの目に焼き付けた。続く「Don't look back」でも、赤いサーチライトがせわしなく会場を照らす中で圧倒的な熱量の歌とダンスを見せた5人。曲の終盤には、彼らの手前に置かれた透過型LEDパネルの映像演出と見事にシンクロするジェスチャーを見せ、危険でエッジーなBLACK M!LKの存在感を示していた。

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エンタテインメント性に満ちた彩り豊かな演出とパフォーマンスには5人がこのライブにかける情熱と旺盛なサービス精神がにじんでいたが、そのサービス精神が一段と発揮されたのはソロパフォーマンスのコーナー。「ひさしぶりー!」と元気に挨拶し、トップバッターで登場した吉田は、4年前のツアーで披露した緑色の宇宙人姿で「宇宙ジャンボリー」をシュールに歌い上げる。塩崎が蝶ネクタイに半ズボンの“お坊ちゃま”スタイルで「サラブレッド御曹司CITY BOY」を披露して舞台上に紙幣をばらまけば、曽野はイリュージョンでファンの目を欺きながら「行けたら行くよ」を歌い上げる。続く佐野が、カラオケ風の演出で2018年発表の「妄想ドン・キホーテ」をライブ初披露して驚きを誘うと、最後に登場した山中は真っ赤なバラの花びらが無数に降り注ぐ映像演出の中で「Amore~僕は君に愛を叫ぶ~」を届け「……愛してる」と、情感たっぷりに情熱的な愛を叫んでみせた。

それぞれの個性が際立ったソロパートを終え、後半戦は「SAY YEAH」でスタート。オーロラカラーに輝く「HIKARI」のホログラム衣装でステージに集まった5人は底抜けに明るいロックサウンドに思い切り頭を振り、塩崎は「腕振ってー!」とみ!るきーずに呼びかけた。15曲を終えてこの日初めて設けられたMCタイムでは、塩崎が「NEXT WINNER」というライブタイトルから「勝者は自分自身に勝っている」と連想し、「鏡の世界」をライブのコンセプトに据えたことを説明。にぎやかなやりとりを繰り広げながらここまでのライブを振り返る5人に「反省会早くない!?」とセルフツッコミも入りつつ、メンバーは「今回、すごい盛りだくさんですよ。まだまだ後半戦もいっちゃいます?」とファンの期待感を煽った。

スタンドマイクを手に5人がまっすぐな歌声を届けた「It's only LOVE」、スモークと青い光の粒がメンバーを包み込む美しい演出の中で5人が1人ずつ歌声をつないだミドルバラードの「last moment」を経て、ライブは「ハロー!」でクライマックスへ。底抜けに明るいサウンドに乗って会場にハンドウェーブの波が広がると、吉田はサビで気持ちよさそうにフェイクを響かせる。さわやかな疾走感にあふれた「疾走ペンデュラム」「Brave Saga」では、み!るきーずもサビパートの手振りを完璧に踊って場内の一体感は最高潮に。山中の儚い歌声で幕を開ける「かすかに、君だった。」では水面や水泡の映像演出が楽曲の瑞々しさを際立たせ、5人の歌声にも強い思いがこもっていた。

場内に熱気が渦巻く中で初披露されたのは、このライブのために作られた新曲の「HIKARI」。佐野と吉田が“鏡合わせ”になり、おでこを重ねる導入部分のダンスに観客が声にならない悲鳴を上げる中、5人は壮大な銀河を背景に全力の歌とダンスで曲に込めたメッセージを届けた。曲を終えると、佐野は「こういうご時世で、自分にも『先が見えないな』と思っていた時期があったりしました。そういう思いを抱いている人に向けて、少しでも心に火を灯して、自分に打ち克っていこうと伝える力強い曲です」と思い入れをみ!るきーずに伝えていた。

「パシフィコは僕らにとって過去最大のキャパシティだけど、あくまでここはスタート地点。どんどん先に進んでいく僕たちをこれからも見ていてほしいなって思います。これからも同じ道を歩んでいきましょう。最後に思いを込めて届けます」

リーダー吉田のこの言葉とともに、「夜明け」でライブ本編の幕は下ろされる。お互いの目を見ながら声を重ね、力強く握った拳を天へ向かって突き上げた5人。LEDビジョンには、ガッチリと肩を組んで歩き出す彼らの後ろ姿が映し出されていた。

“夜明けの光”に包まれながら姿を消した5人の再登場を求める拍手は鳴り止まず、ライブはアンコールへ。1曲目の「白黒Brand New World」ではバラエティ企画として「音が鳴ったらなりきりましょう」というバトルが展開された。これは、歌唱中に鐘の音が鳴ったら指定の姿になりきり、その全力具合で優勝と最下位を決めるというもの。吉田は「赤ちゃん」、山中は「ボディビルダー」、曽野は「バレリーナ」、佐野は「酔拳」、塩崎は「スーパーモデル」と書かれたクジを引いた。5人は「これ自体が罰ゲームやん!」と悲鳴を上げながら全力で役柄を演じて、み!るきーずの笑顔を誘う。採点の結果、最も票数を集めたのはTシャツをまくり上げての直球のアピールで会場中の視線を奪った山中。一方で最下位に選ばれた佐野は、ゴムパッチンの罰ゲームを受けて悶絶していた。

M!LK「M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER」の様子。

M!LK「M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER」の様子。[拡大]

ステージ上にカオスが広がったアンコール1曲目を経て、塩崎が「この季節にぴったりな曲持ってきました! 今、外どう? 雪降ってる?」と思わせぶりに語りかけると、ファンの歓喜のリアクションとともにスウィートなウィンターソング「Milky Snow」へ。5人は客席をくまなく見つめながら、バラエティ企画にざわついた会場の空気を穏やかに温めてみせた。そして、この日のラストナンバーには、メジャーデビューシングル「Ribbon」のカップリング曲で、5人が初めて全員で作詞をした「夢路」が選ばれた。M!LKの“夢の舞台”で披露することを想定してメンバーの思いが編まれたこの曲について、中心となって作詞に取り組んだ山中は「僕たち全員で作詞した大切な曲です。この曲が“完成”するまで、ずっと隣にいてください」とみ!るきーずに伝える。5人の表情を捉えるLEDビジョンにはメンバーの手書き文字による歌詞が映し出される演出も。吉田と山中が心を込めて落ちサビを歌い上げると5人はぎゅっと寄り添って肩を組み、充実の笑顔でパフォーマンスを締めくくった。

すべての曲を終え、塩崎は「僕たち、今日のためにたくさん準備してきました。皆さんにたくさんの思いを伝えられたんじゃないかなと思います」とひと言。佐野は「M!LKのこと、もっと好きになってくれましたか?」と観客に語りかけ「天気の悪い中集まってくれて、僕らに元気を送ってくれて、本当にうれしかったです」と感謝を伝える。山中が「M!LK、カッコよかったですか? かわいかったですか? カッコよくてかわいくて、最強でしたか? 僕と舜ちゃんにとっては初のパシフィコ。本当に楽しかったに尽きます」と笑顔を見せると、曽野は「これからも自分たちと向き合って、さらなる上のステージに向かって、次の輝く未来へ進んでいけたらなと思います」と力強く約束した。

最後に挨拶に立ったリーダーの吉田は「言いたいことめちゃくちゃあるけど、俺らすっごい楽しかったです! みんなにもそう思っていてほしいし、今日の元気が明日からの活力になればいいなと思います。春ツアーも楽しみにしていてください!」とファンに伝える。そして「マジでできてよかった……パシフィコ!」と、興奮と安堵が入り混じった満面の笑みを浮かべていた。

※塩崎太智の崎はたつさきが正式表記。

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M!LK「M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER」2022年2月13日 パシフィコ横浜 国立大ホール セットリスト

01. Ribbon
02. 上昇思考クライマー
03. めちゃモル
04. サンキュー!N・D・K!
05. 男子スイーツ部発足します
06. 恋がはじまる
07. 君の知らない世界へ
08. Charge
09. Don't look back
10. 宇宙ジャンボリー
11. サラブレッド御曹司CITY BOY
12. 行けたら行くよ
13. 妄想ドン・キホーテ
14. Amore~僕は君に愛を叫ぶ~
15. SAY YEAH
16. It's only LOVE
17. last moment
18. ハロー!
19. 疾走ペンデュラム
20. Brave Saga
21. かすかに、君だった。
22. HIKARI
23. 夜明け
<アンコール>
24. 白黒Brand New World
25. Milky Snow
26. 夢路

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撮影:齋藤大嗣、つぼいひろこ

読者の反応

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かつまる大福 @katsuwo_milk

遅ればせながら拝読したけど、安心と信頼のナタリー様さすがすぎる…
全部読みきった頃には一つ一つの場面が蘇ってきて涙出た
改めて、無事に開催できて良かったな〜〜! https://t.co/KIJaeoJPKO

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