KIRINJI現体制ラストライブ完遂、新旧織り交ぜた楽曲で8年間を締めくくる

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KIRINJIが12月9、10日に東京・NHKホールでワンマンライブ「KIRINJI LIVE 2020」を開催した。この記事では2日目の模様をレポートする。

「KIRINJI LIVE 2020」より。(撮影:藤井拓)

「KIRINJI LIVE 2020」より。(撮影:藤井拓)

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KIRINJIは2020年末をもって現体制での活動を終え、2021年からは堀込高樹(Vo, G)を中心とする“変動的で緩やかな繋がりの音楽集団”として活動を始める。今回開催された「KIRINJI LIVE 2020」は堀込、楠均(Dr)、千ヶ崎学(B)、弓木英梨乃(G, Vo)で行うラストライブ。このライブでKIRINJIは矢野博康(Per)、sugarbeans(Key)、MELRAW(Sax, Flu)とともに新旧織り交ぜた全23曲を披露した。

「KIRINJI LIVE 2020」より。(撮影:藤井拓)

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開演時刻を迎え、各々の立ち位置についた7人は、2018年発売のアルバム「愛をあるだけ、すべて」の収録曲「明日こそは / It's not over yet」でライブをスタート。徐々に高まる演奏の熱量が、観客のライブへの期待を膨らませる。その後KIRINJIは2008年発表の楽曲「今日も誰かの誕生日」を披露。弓木がメインボーカルを務める「Mr. BOOGIEMAN」では、7人の頭上で煌々と輝くミラーボールがライブを華やかに彩り、観客は力強い手拍子でパフォーマンスを盛り上げた。

「KIRINJI LIVE 2020」より。(撮影:藤井拓)

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続く「killer tune kills me」では、青いドレスを身にまとったYonYonがゲストボーカルとして登場。儚げな歌声で観客を引き付ける。ゆったりとしたテンポのナンバー「恋の気配」では、矢野のツリーチャイムの音や、MELRAWのフルートの音色が切なく響いた。さらに千ヶ崎が歌唱する「悪夢を見るチーズ」、楠がリードボーカルを務める「ONNA DARAKE!」が披露され、現体制のKIRINJIの音楽性の幅広さを感じさせるようなパフォーマンスとなった。

「KIRINJI LIVE 2020」より。(撮影:藤井拓)

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ライブ中盤でKIRINJIは、みずみずしさをたたえた「だれかさんとだれかさんが」、堀込のギタープレイが冴えわたる「LEMONADE」と疾走感のあるポップチューンを連投。その後YonYonが再び舞台に姿を現し、ミニマルな曲展開の「shed blood!」や、「『あの娘は誰?』とか言わせたい」でコーラスを務めた。続く「Almond Eyes」では、この日2人目のゲスト・鎮座DOPENESSが登場。彼はステージを縦横無尽に動き回りながらエモーショナルなラップを披露し、会場を熱狂の渦へと包み込んだ。

スケートボードに乗って舞台を去る鎮座DOPENESS。(撮影:藤井拓)

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ライブが終盤に差しかかるとKIRINJIは「パレードはなぜ急ぐ」「嫉妬」というキャリア初期のナンバーを畳みかける。続けて「The Great Journey」の演奏が始まると、鎮座DOPENESSがスケートボードに乗って颯爽とステージ上に。鎮座DOPENESSのラップやメンバーのセリフパート、バンドが作り出す重厚なアンサンブルが1つになると、会場全体が高揚感に満たされ、ライブの盛り上がりは最高潮に達する。鎮座DOPENESSは楽曲が終わるやいなや、両手を高く掲げながらスケートボードに乗って去っていった。その後KIRINJIは堀込と弓木のギタープレイが炸裂する「都市鉱山」を演奏。さらにサイケデリックな照明を浴びながら「Pizza VS Hamburger」をパフォーマンスし、7人は舞台を後にした。

「KIRINJI LIVE 2020」より。(撮影:藤井拓)

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「KIRINJI LIVE 2020」より。(撮影:藤井拓)

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アンコールの拍手に応え、7人が再びステージに現れると、堀込の「ワチャワチャした曲をたくさんやったので、普通の曲をやります」という言葉に続けて「進水式」が披露された。現体制初のアルバム「11」のオープニングナンバーであるこの曲を、KIRINJIはじっくりと聞かせる。この時期にぴったりの楽曲「クリスマスソングを何か」では、弓木のウイスパーボイスや矢野のタンバリンの音色により、会場は穏やかな空気に包まれた。その後堀込は「皆さんご存知の通り、この体制は今年いっぱいで終わりです」と、今日が現体制ラストライブであることに初めて言及。続けて「とは言いつつも来年以降もここにいる皆さんの協力を仰ぎながらライブや制作をやっていきます。おそらく似たようなメンツがまたそろうと思います」と語ると、会場はあたたかな拍手に包まれた。ラストにKIRINJIはダンサブルなナンバー「時間がない」をパフォーマンス。最後まで目の前の観客を目一杯踊らせ、現体制での8年間の活動にピリオドを打った。演奏が終わると観客はKIRINJIに惜しみない拍手を送り、メンバーの姿が見えなくなってからも拍手の音はしばらく会場に響き渡った。

なおこのライブは、各公演日の1週間後の23:59までアーカイブ映像が配信されている。チケットは、12月9日公演は12月16日21:00、12月10日公演は12月17日21:00まで、Streaming+およびPIA LIVE STREAMで購入可能。また、KIRINJIのオフィシャルサイトではマンガ家・西村ツチカのイラストがデザインされたライブのオリジナルグッズが販売されている。

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「KIRINJI LIVE 2020」2020年12月10日 NHKホール セットリスト

01. 明日こそは / It's not over yet
02. 今日も誰かの誕生日
03. Mr. BOOGIEMAN
04. killer tune kills me
05. タンデム・ラナウェイ
06. 恋の気配
07. 非ゼロ和ゲーム
08. 悪夢を見るチーズ
09. ONNA DARAKE!
10. だれかさんとだれかさんが
11. LEMONADE
12. shed blood!
13. 「あの娘は誰?」とか言わせたい
14. Almond Eyes
15. パレードはなぜ急ぐ
16. 嫉妬
17. The Great Journey
18. 都市鉱山
19. Pizza VS Hamburger
<アンコール>
20. 進水式
21. クレゾールの魔法
22. クリスマスソングを何か
23. 時間がない

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読者の反応

ミア @mia_cider

【ライブレポート】KIRINJI現体制ラストライブ完遂、新旧織り交ぜた楽曲で8年間を締めくくる(写真27枚) https://t.co/BJV9BvEhIo
最後のステージ勢揃い思い出す‥カーテンコール欲しかったなあ😂(無理です)(ご時世〜😭)#KIRINJILIVE2020

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このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 KIRINJI / 鎮座DOPENESS の最新情報はリンク先をご覧ください。

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