サザンオールスターズ、22曲熱演に込めた感謝とエール!横アリからライブ配信「暑い夏を乗り越えよう」

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サザンオールスターズが42周年のデビュー記念日を迎えた昨日6月25日に、神奈川・横浜アリーナで自身初の無観客配信ライブ「サザンオールスターズ 特別ライブ 2020『Keep Smilin' ~皆さん、ありがとうございます!!~』」を実施した。

「サザンオールスターズ 特別ライブ 2020『Keep Smilin' ~皆さん、ありがとうございます!!~』」の様子。(撮影:岸田哲平)

「サザンオールスターズ 特別ライブ 2020『Keep Smilin' ~皆さん、ありがとうございます!!~』」の様子。(撮影:岸田哲平)

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サザンにとって初挑戦となった今回の無観客配信ライブは、「いつも心に音楽を」「音楽を通じて皆さんが笑顔でいられますように」というメンバーの思いのもと、ファンはもとよりコロナ禍において通常の業務が困難となっているライブスタッフ、さらには感染拡大防止に尽力する医療関係者をはじめとしたエッセンシャルワーカーへの感謝を込めたライブとして実施された。

桑田佳祐(撮影:岸田哲平)

桑田佳祐(撮影:岸田哲平)[拡大]

開演時刻の20:00、配信スタートと同時に映し出されたのは誰もいない客席。いくつかの注意事項を伝える影アナウンスの声が「それぞれの楽しみ方で」と視聴者の期待感を煽ると、大きく手を振りながら会場に姿を見せたサザンオールスターズの面々は「YOU」でこの日のライブの幕を開けた。バンドが織りなす涼やかなサウンドに呼応するようにステージは青い光に染まり、桑田佳祐(Vo, G)は何度も「YOU!」とカメラを指差して、レンズの向こう側のファンに訴えかけた。青い光が一瞬にして赤く染め替えられると「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」へ。この曲では客席エリアに設置されたいくつもの照明を使用したスケール感のある演出や、それを捉えるスピーディかつダイナミックなカメラワークが視聴者の目を楽しませる。通常の観客動員のあるライブでは不可能な照明の配置、40台にもおよぶカメラを使った撮影はこの日ならではの趣向だ。原由子(Key, Vo)の奏でるシンボリックなイントロから「希望の轍」へ続くと、桑田はこの曲で「大変な毎日をご苦労様 今日は楽しく行きましょう」と歌詞を変え、観る者を笑顔でサザンのライブへと誘った。

MCでは、「スタンド! アリーナ! 立ち見の皆様!」といつものように呼びかけたあと「画面越しの皆様!」と続けた桑田。「みんなのおかげ、スタッフのおかげで今日、デビュー42周年を迎えました!」とバンドを代表して語り、42年間で初の無観客ライブについて「初めての経験だけど、みんながいるから大丈夫。姿は見えないけれど、皆さんの魂がここにあります」と思いを伝えた。ここからサザンは「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」「フリフリ '65」といった楽曲を演奏。ブラスサウンドが映えるダンサブルなロックンナンバーで、ぐんぐんとボルテージを上げていく。このセクションではほかにも「朝方ムーンライト」「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」など、サザンが1980年代に発表した懐かしの楽曲が次々と届けられ、ハッシュタグ「#サザン特別ライブ」で盛り上がるSNSのタイムラインは歓喜に沸くファンの声であふれていた。

「サザンオールスターズ 特別ライブ 2020『Keep Smilin' ~皆さん、ありがとうございます!!~』」の様子。(撮影:岸田哲平)

「サザンオールスターズ 特別ライブ 2020『Keep Smilin' ~皆さん、ありがとうございます!!~』」の様子。(撮影:岸田哲平)[拡大]

桑田と原が柔らかく歌声を重ねるデュエット曲「シャ・ラ・ラ」では、ステージ後方に設置された大型ビジョンにファンの映像と「早くまたみなさんにお逢いできますように」というメッセージが映し出される演出も。そして「天井棧敷の怪人」で会場のムードが一変すると、ここからは華やかなダンサー陣もパフォーマンスに参加。大きなシャンデリアの光がステージを照らす中、桑田は情熱的な歌声を響かせた。「愛と欲望の日々」で妖艶な世界観が一層深まったのち、少しの静寂を挟んで披露されれたのは「真夏の果実」。この曲のイントロが始まると、客席の1つひとつに設置されたリストバンド型ライトがじんわりと光を放ち、まるで観客が存在しているかのようなライブ空間が作り上げられた。さらに「東京VICTORY」では客席の中央に聖火台が登場。アコースティックギターを抱えた桑田は、聖火台に揺れる火をまっすぐに見つめながら高らかに歌い上げる。そしてバンドメンバーが握った拳を掲げてシンガロングすると、カメラはメンバーと一緒に拳を掲げリズムに乗る大勢のステージスタッフの後ろ姿も捉え、会場が1つになるその姿は力強いエールとして画面の向こう側へと届けられた。

無数のレーザーが広い会場を飛び交った「匂艶(にじいろ)THE NIGHT CLUB」で盛り上がりが加速するとライブも佳境。客席に「G」の形の光が浮かび上がったのちに突入したキラーチューン「マンピーのG★SPOT」では桑田の周囲にウサギ耳にマスク姿のセクシーな女性ダンサーが登場したが、普段のような“濃厚接触”はこの日はお預け。疫病退散を祈念したアマビエ付きのカツラを被った桑田は、カメラに向かって何度も「疫病退散!」と紙吹雪を撒いて事態の終息を願っていた。本編の最後に届けられたのは、サザンのデビュー曲「勝手にシンドバッド」。「我々の42年前のデビュー曲、お聴きください!」という桑田の声を合図に客席にはたくさんのサンバダンサー、お祭り衆が現れ、横浜アリーナは文字通りのお祭り騒ぎ状態に。桑田は「いつになればコロナが終息するのかな お互いにそれまでは グッと我慢の暮らし続けましょう!」と歌詞を変え、ファンにメッセージを投げかけていた。

サザンオールスターズ(撮影:岸田哲平)

サザンオールスターズ(撮影:岸田哲平)[拡大]

アンコールで披露された「ロックンロール・スーパーマン~Rock'n Roll Superman~」では、この日のライブに向けて仕事に励むスタッフたちの姿を捉えた映像がビジョンに映し出された。「とにかく健康を大事にして」と最後までファンを気遣う言葉を投げ続けた桑田は、ラストナンバーへとつなぐOvertureで「世の中には予期しないことがあるけれど これからもがんばって参りましょう あなたに守られながら 私はここにおります」と感謝を歌い上げた。「みんなのうた」に“いつの日かこの場所で”の再会を願う思いを乗せたサザンは、最後に「暑い夏を乗り越えよう!」とファンメッセージを送ってこの日のライブに幕を下ろす。バンドメンバーと整列すると、桑田は「横浜アリーナ、やっぱりファンの皆さんがいないと寂しいです! 待ってるからね、元気でな!」とひと言。そして深く一礼をして、笑顔でステージをあとにした。

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サザンオールスターズ「サザンオールスターズ 特別ライブ 2020『Keep Smilin' ~皆さん、ありがとうございます!!~』」2020年6月25日 横浜アリーナ セットリスト

01. YOU
02. ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
03. 希望の轍
04. Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)
05. フリフリ '65
06. 朝方ムーンライト
07. タバコ・ロードにセクシーばあちゃん
08. 海
09. 夕陽に別れを告げて
10. シャ・ラ・ラ
11. 天井棧敷の怪人
12. 愛と欲望の日々
13. Bye Bye My Love(U are the one)
14. 真夏の果実
15. 東京VICTORY
16. 匂艶(にじいろ)THE NIGHT CLUB
17. エロティカ・セブン EROTICA SEVEN
18. マンピーのG★SPOT
19. 勝手にシンドバッド
<アンコール>
20. 太陽は罪な奴
21. ロックンロール・スーパーマン ~Rock'n Roll Superman~
22. みんなのうた

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Kiyoshi @Kiyoshileo

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