ホスピタリティ万全「HOTEL GLAY」で“悪いGLAY”!? HISASHI誕生日も祝った横アリ公演

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GLAYの全国アリーナツアー「GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM」の神奈川・横浜アリーナ公演が、昨日1月25日と本日26日に開催された。この記事ではセミファイナルとなった25日の模様を中心にレポートする。

「GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM」1月25日の横浜アリーナ公演の様子。(撮影:田辺佳子)

「GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM」1月25日の横浜アリーナ公演の様子。(撮影:田辺佳子)

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「ホテルの素晴らしいホスピタリティのような、最高のおもてなしをする」ことを目的に行われた今回のツアーは全国10都市で展開。昨年8月に埼玉・メットライフドームで行われた2DAYSライブの2日目「悪いGLAY」に続き、HISASHI(G)が総合演出を担当し、「HOTEL GLAY殺人事件」をコンセプトにした遊び心たっぷりのライブが繰り広げられた。

TERU(Vo)(撮影:岡田裕介)

TERU(Vo)(撮影:岡田裕介)[拡大]

不気味でミステリアスなSEが場内に流れる中、スクリーンに「A GLAY'S FILM」の文字が浮かび、ミステリードラマ「HOTEL GLAY殺人事件」がスタート。死体安置所と思わせる薄暗い部屋で横たわるメンバーの姿が映し出されたのに続いて、TERU(Vo)、TAKURO(G)、HISASHI(G)がそれぞれが2役を演じる容疑者の恨みを買い殺されるというストーリーが繰り広げられる。その後、刑事Aに扮したJIRO(B)が容疑者Aに扮したHISASHIを尋問するシーンに切り替わり、容疑者Aが隠し持っていたスタンガンで刑事Aを倒すシーンへ。容疑者Aがカメラ目線で「My name is DATURA」と告げたのを合図に、ステージにサポートのToshi Nagai(Dr)とハジメタル(Key)を引き連れたGLAY(メンバー)が登場。その流れから「My name is DATURA」でライブの幕が上がった。ド派手なレーザーが飛び交う中、TERUは憂いを帯びた声でHISASHI作曲のナンバーを熱唱。JIROはステージの前に踊り出ると、躍動感たっぷりのプレイでオーディエンスの視線を奪う。HISASHIの鋭いカッティングギターで始まった「黒く塗れ!」ではスモークと火炎の特効が激しいサウンドの世界を盛り上げた。

TAKURO(G)(撮影:田辺佳子)

TAKURO(G)(撮影:田辺佳子)[拡大]

TAKUROのギターソロが光る「Flowers Gone」を経て、TERUは「ただいま!」と元気に挨拶。彼はあちこちから上がる「おかえり!」の声を浴びながら、「今日、明日でホテルが破壊されます!」といきなりクライマックスのネタバレをして観客を爆笑させた。「ホント、25年経ってもよくぞ付き合ってくれてますよ」と会場をゆっくり見渡し、「続いては景気のいい曲を……いや違う……素晴らしい曲をお届けしたいと思います」と天然ぶりを発揮しながら「愁いのPrisoner」を紹介した。ハジメタルの軽やかなピアノの音色がサウンドに華やぎを与える中、TERUは言葉を噛みしめながら歌い上げた。

今回のツアーでは巨大なLEDスクリーンを生かした映像演出も見どころの1つ。最新作「NO DEMOCRACY」の楽曲と「笑顔の多い日ばかりじゃない」で構成された中盤のブロックでは、“言葉のアルバム”の魅力を表現するように歌詞がスクリーンに映し出される演出が続き、各曲に込められたメッセージをオーディエンスに伝えた。また同ブロックの終盤では、サビで一気に開けていくダイナミックな新曲「Into the Wild」も披露。TERUの伸びやかな歌声と盤石のアンサンブルを聴かせるナンバーで、デビュー25周年を迎えたバンドの貫禄を見せた。「AMERICAN INNOVATION」ではメンバーを模した巨大なバルーンが登場し、観客がタオルを威勢よく回したり、TERUの掛け声に合わせて手拍子をしたりと盛り上がり一体感を作り出した。

「BLACK MONEY」を披露するJIRO(B)とHISASHI(G)。(撮影:田辺佳子)

「BLACK MONEY」を披露するJIRO(B)とHISASHI(G)。(撮影:田辺佳子)[拡大]

幕間には容疑者Aと刑事Aが共謀し、TERU扮する容疑者AとTAKURO扮する容疑者Cを毒殺する映像が流れ、刑事Aが容疑者Aに“黒い札束“を渡すシーンから、HISASHIとJIROがリードボーカルをとる「BLACK MONEY」へ。HISASHIは軍服風の衣装、JIROはノースリーブの黒いパーカーを着用し、火花を散らすように激しくパフォーマンス。火柱が上がる中でサビで2人が声をそろえシャウトを繰り返すと、オーディエンスは大いに熱狂した。2人が退場すると今度はハジメタルが弾く柔らかな旋律に乗せて、TERUが「LET ME BE」をしっとりと歌唱。途中からTAKUROがアコースティックギターをつま弾き、切々としたラブソングを美しく彩った。「LET ME BE」の流れを継ぐように披露された「逢いたい気持ち」では、TERUの穏やかな歌声がオーディエンスを優しく包み込んだ。

HISASHI(G)(撮影:田辺佳子)

HISASHI(G)(撮影:田辺佳子)[拡大]

「誘惑」で始まったブロックでメンバーはギアを入れ、エネルギッシュなステージングを展開。しかし、いよいよクライマックスというとき、Toshiのドラムにトラブルが発生し、TAKUROが急遽MCでつなぐことに。「改めてバンドを代表してこの機会に感謝にします。デビュー25周年、みんなのおかげですごくいい1年になってます! サンキュ! サンキュ! サンキュ!」と笑顔で叫び、TERUに「小6からの付き合いですが、こんなにテンションの高いTAKUROを観たのは初めてです」と言わしめた。無事トラブルが解消されたところで、TERUがTAKUROと向かい合い「Bible」を歌い出す。そして、世相を反映した歌詞が特徴の「反省ノ色ナシ」をもって本編はフィナーレへ。去り際にTERUは「みんなと一緒に過ごす時間が何よりも幸せです。またいつでもGLAYという家に帰ってきてください。いつも最高の景色を見せてくれてありがとう」と観客に呼びかけ、JIROは「最高じゃないか!」と生声で叫んだ。

JIRO(B)(撮影:岡田裕介)

JIRO(B)(撮影:岡田裕介)[拡大]

メンバーが去ったあと、容疑者と刑事が全員グルだったことが発覚する「HOTEL GLAY殺人事件」の続きがスクリーンで上映され、その中でメンバーがアンコールを求めるという奇妙な流れに。ステージに戻ってくるなりメンバーはトークを始め、HISASHIは「君らの演技! ちょっと過信してたところがあった」といきなりメンバーにダメ出し。TERUが「ひさびさの演技だしね」と弁解をすれば、JIROは「俺なんてマネージャーに『今日は撮影です』と言われて(現場に)行ったら、『はい、演技してください』って。お前だよ! お前!」とHISASHIを糾弾。HISASHIは「2日間の撮影だったけど、ずっと申し訳ない気持ちで……」と苦笑いした。

TERUの「アンコールは激しめのナンバーで」という言葉から始まったのは「生きてく強さ」。しかし、TERU本人はマイクを客席に向け続け、自分は一切歌わないという観客が予想だにしなかったパフォーマンスを披露。彼の思惑を察した観客は、笑いながらも完璧な大合唱で応えメンバーを感心させる。TERUが「25年やってきて初めて1曲丸々歌わせた! ありがとう」と満足げに語る横で、HISASHIは「大変失礼しました! “悪いGLAY”続いてるの? そういうところだよ、俺が好きなのは」とニヤリ。これを受けてTERUは「めっちゃ楽しかった」と返してオーディエンスを笑わせた。そしてHISASHIは「次にやる曲のサビでは『だいたいオマエ気にいらねー!』という言葉があるので、今日はみんなとこの言葉を叫びたいと思います」と呼びかけ、TERUのロングトーンのシャウトから「FATSOUNDS」になだれ込んだ。

「GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM」1月25日の横浜アリーナ公演の様子。(撮影:岡田裕介)

「GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM」1月25日の横浜アリーナ公演の様子。(撮影:岡田裕介)[拡大]

ライブの定番である「彼女の“Modern…”」に続き、ラストナンバーとして届けられたのは「VERB」だった。TERUが熱唱し、TAKURO、HISASHI、JIROが爆音を奏でる後ろには、激しい天候の中で佇むホテル「HOTEL GLAY」の映像が。曲がクライマックスに差し掛かったとき、雷がホテルに落ち、ホテルは炎の海に包まれ灰と化した。全25曲を演奏し終えたあと、TERUは「GLAYは10年、20年と歩みを止めず、目指せ50周年ということで。また横浜でライブできることを僕らも切に願っておりますので、音楽と真面目に向き合ってがんばっていきます。またここに帰ってくるので、その日までいってきます!」とシャウト。観客の「いってらっしゃい!」の声を受けながらメンバーはステージを去った。続いて「HOTEL GLAY殺人事件」のクライマックスが上映され、死から蘇ったGLAYの面々が、自分たちを陥れた容疑者と刑事をマシンガンで射殺するという衝撃的な展開でドラマは終了。オフショット満載のエンドロールが流れ、観客はオープニングからエンディングまでホスピタリティ万全の「HOTEL GLAY」の魅力を堪能して会場をあとにした。

GLAYとAZUMI(Wyolica)による「氷の翼」のセッションの様子。(撮影:岡田裕介)

GLAYとAZUMI(Wyolica)による「氷の翼」のセッションの様子。(撮影:岡田裕介)[拡大]

2日目の公演はセットリストや曲順に一部変更があったほか、演出やメンバーの動きもツアーファイナルらしい特別なものに。中盤にはAZUMI(Wyolica)を迎えて「氷の翼」が披露され、AZUMIの艶のある歌声とTERUの切ないボーカルが、大人なラブソングの世界を描き出す。また「BLACK MONEY」の演奏終了後にはHISASHIとJIROが互いのプレイを讃えるように拳を突き合わせ、「THINK ABOUT MY DAUGHTER」ではTERUがJIROの肩を抱き熱唱した。アンコールではHISASHIの司会のもとトークが繰り広げられ、TERUが「次なる目標は東京ドーム、名古屋ドーム、大阪ドーム……」と札幌と言うべきところを大阪と言い間違えるも、TAKUROが「俺はあきらめない! 必ず京セラドームをやります!」と宣言する場面も。そんなハプニングも交えつつ、アンコールは「VERB」で締めくくられた。

しかし、この日はこれで終わらず、ダブルアンコールで2月2日に誕生日を迎えるHISASHIを祝うサプライズが。HISASHIが「ちょっと早い……」と照れる中、彼を除く全員がツアーグッズであるHISASHIプロデュースのパーカーを着用して登場して会場に爆笑の渦を巻き起こす。さらにTAKUROがプロデューサーの亀田誠治からの手紙を読み上げる演出を挟み、HISASHIは運び込まれたバースデーケーキのロウソクを吹き消した。

ツアーの最後を飾る1曲として披露されたのは「生きてく強さ」。昨日は観客に全編歌わせていたTERUも、この日は伸びやかな歌声を響かせた。スタッフを紹介するエンドロールが流れ終わったあと、スクリーンには容疑者Aが「犯人はヤス……」と言いながら息絶える姿が上映され、HISASHI色全開のアリーナツアーが終幕した。

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GLAY「GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM」横浜アリーナ セットリスト

1月25日公演

01. My name is DATURA
02. 黒く塗れ!
03. Flowers Gone
04. 愁いのPrisoner
05. everKrack
06. あゝ、無常
07. あなたといきてゆく
08. COLORS
09. 元号
10. 笑顔の多い日ばかりじゃない
11. はじまりのうた
12. 氷の翼
13. Into the Wild
14. AMERICAN INNOVATION
15. BLACK MONEY
16. LET ME BE
17. 逢いたい気持ち
18. 誘惑
19. Runaway Runaway
20. Bible
21. 反省ノ色ナシ
<アンコール>
22. 生きてく強さ
23. FATSOUNDS
24. 彼女の“Modern…”
25. VERB

1月26日公演

01. My name is DATURA
02. 黒く塗れ!
03. Flowers Gone
04. JUST FINE
05. everKrack
06. 戦禍の子
07. あなたといきてゆく
08. COLORS
09. 誰もが特別だった頃
10. 笑顔の多い日ばかりじゃない
11. はじまりのうた
12. 氷の翼
13. Into the Wild
14. AMERICAN INNOVATION
15. BLACK MONEY
16. Beautiful like you
17. つづれ織り~so far and yet so close~
18. 口唇
19. THINK ABOUT MY DAUGHTER
20. Bible
21. 反省ノ色ナシ
<アンコール>
22. Runaway Runaway
23. 月に祈る
24. FATSOUNDS
25. VERB
<ダブルアンコール>
26. 生きてく強さ

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HISASHI @HISASHI_

なんか色々とありがとうございます♪ 【ライブレポート】ホスピタリティ万全「HOTEL GLAY」で“悪いGLAY”!? HISASHI誕生日も祝った横アリ公演(写真25枚) https://t.co/GRQhQ7s7Bu

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