「さくら学院祭」はライブパフォーマンスに加え、メンバーによる寸劇や企画「サクラデミー女優賞は誰だ?!」などが行われ、毎年父兄(さくら学院ファン)から好評を得ているさくら学院の単独公演。今年度は3年8カ月ぶりに「ご機嫌!Mr.トロピカロリー」がパフォーマンスされたほか、新谷ゆづみ、森萌々穂、野崎結愛からなる部活動ユニット・美術部 Art Performance Unit trico dollsがお披露目され、父兄を喜ばせた。
ライブの幕開けは今年も自己紹介ソング「目指せ!スーパーレディー -2018年度-」。メンバーをよく知る担任の森ハヤシが歌詞を今年度バージョンにアップデートしたこのナンバーで、さくら学院は会場を大いに盛り上げる。「ベリシュビッッ」が終わると、ホームルームを模した寸劇のコーナーへ。舞台は「さくら学院祭☆2018」の開催が迫ったある日の教室で、12人は学院祭でどんな企画をやりたいのか話し合うも、普段よりもテンポの悪いトークでグダグダとホームルームが進んでいく。
森萌々穂は「『カメラを止めるな!』流行ったじゃないですか。ああいう感じの前半で張りまくった伏線を後半で回収しまくるコントをやりたいです!」と提案するも、森ハヤシは「ああいうのは大変なんだよ」と早々に却下。麻生真彩は「朝ドラみたいなさわやかなお芝居どうですか? その名も……朝の連続テレビ小説『みかん』」と麻生が言うと、モニターにはみかん畑に新谷が佇むビジュアルが映る。新谷を主役に据えた寸劇というアイデアに生徒たちは乗り気だったが、当の新谷は「私だけが目立っても……」と浮かない様子。メンバーたちが「生徒会長なんだから!」と茶化すと、新谷は「私、生徒会長向いてないんだって」と生徒会長という役職のプレッシャーに悩んでいることを告白する。それを聞いた麻生から「選ばれたんだから自信持ってよ」と言われると、「真彩みたいにはできないよ! 真彩がやればよかったんだよ!」と新谷の感情は爆発。2人のやり取りにいてもたってもいられなくなった日高麻鈴は「ゆづ!」と新谷に平手打ちをし、ホームルームはお開きとなった。
「私、ひどいこと言っちゃった……真彩の気持ちわかってるのに」と目に涙を溜めて話す新谷を日高は「ときには言うことも大切だよ」と励ます。落ち込んだ様子の新谷に日高は「そんなに後悔してるならやり直す? 私、新しい能力が目覚めたの、タイムリープ」と声をかけ、「日高麻鈴に不可能はない! グダグダだったホームルームも立て直そう!」と時間を巻き戻した。2人がタイムリープした先はホームルームが始まる3分前。そこには1人でZONE「secret base~君がくれたもの~」を歌う麻生の姿が。そこに「また歌ってたの?」と藤平華乃が入ってくると、麻生は「好きなんだ。ゆづが今年度は絆を大切にしたいって言っていて、この曲がぴったりでしょ。でも私たち3人はまだ遠慮しあっていて、卒業するときにはこれが3人のテーマソングみたいになったらいいなって思っているんだ」とこの曲を歌っていた理由を明かす。新谷と日高が、麻生が胸に秘めた思いを知ったあと、2回目のホームルームの時間に突入。一度このホームルームを経験している新谷と日高はグダグダだったトークを必死で立て直そうと奮闘する。2人の健闘もあって絶好調のトークは進んでいき、時はついに新谷と麻生がぶつかり合う場面へ。新谷は麻生からの提案を快諾したあと、「ぶつかり合ったりするのが本当の絆だって気付いたの。失敗を恐れない、そんな生徒会長になるから!」と力強く宣言。日高と麻生は「それが今年のさくら学院らしい」と微笑みかけ、新谷は「みんなありがとう」と口にした。
中等部3年の迫真の演技で見せた寸劇が終わると、さくら学院は今年度の新曲「Fairy tale」をパフォーマンス。「ご機嫌!Mr.トロピカロリー」では手足がすらっと長い“3ガールズ”の吉田爽葉香、有友緒心、田中美空が堂々としたモデルウォークを披露し、吉田はさくら学院のライブでは初めてメガネを外して素顔を解禁した。
2018年度の活動を追った「あゆみの映像」が上映されたあと、ステージには日高にそっくりな“サムおじさん”がトランクを持って登場。彼がそのトランクを開いてパチンと指を鳴らすと、モニターには古めかしい映像が流れ出した。映像に映っていたのは森萌々穂が部長を務める美術部 Art Performance Unit trico dolls。森萌々穂、新谷、野崎は色違いのベレー帽をかぶり、サスペンダー付きのペインターパンツを履いて登場し、フレンチポップナンバー「C'est la vie」をお披露目した。trico dollsは「古代から現代までの美術、アートの世界を探求し、その素晴らしさを同年代や苦手意識を持つ方へ啓発する」をコンセプトに、堅苦しく感じる「美術(アート)の歴史的背景」だけではなく、「想い描いた世界、感じた彩りなどを躍動的に体現し、アートはアーティストのものだけではないモノ」ということをテーマに活動するとのことだ。
恒例企画「サクラデミー女優賞は誰だ?!」には事前にオーディションが行われ、選抜された新谷、日高、森萌々穂、有友、野崎、白鳥沙南の6名が挑戦。6人は野中ここな扮する野球部のキャプテン“なすお”、麻生扮する剣道部のキャプテン“まあすけ”に恋するマネージャー役を熱演した。白鳥、有友、野崎は妙に役ができあがっている“なすお”に苦戦しつつも、それぞれ甘酸っぱいやり取りで会場を沸かす。森萌々穂は「キャプテンのバカ!」と“まあすけ”にハグ。そのやり取りに白鳥は「まあすけと萌々穂ちゃん、よき!」とグーサインを出した。新谷は照れる“まあすけ”を覗き込んで「顔、真っ赤ですよ」と微笑み、「がんばってくださいね、応援してますから」と熱い抱擁を交わす。それを横で見ていた“なすお”に森ハヤシが「野球で例えるとどうだね?」と聞くと、「ホームラン!」と評した。
大トリの日高は「先輩はその真っ直ぐな瞳と気持ちでみんなを全国に連れて行ってあげてください。で、大会が終わったらその真っ直ぐな瞳を私だけに向けてくれませんか?」と大きな目で“まあすけ”をじっと見つめる。“まあすけ”も思わずその瞳に吸い込まれ、顔が接近したところで日高のターンは終了。来場者の拍手の大きさで審査を行った結果、今年は日高に軍配が上がった。例年通り優勝者の日高はウィニングランならぬ“ウィニング小芝居”を実施。「先輩はずっと私のことだけを見ていてくださいよ」と“まあすけ”に日高が言うと、新谷が「まあすけ先輩、誰ですか? この人」と2人のやり取りに乱入する。新谷に「どういうこと?」と詰め寄られた“まあすけ”は「どっちも愛してるよ!」と新谷と日高の両方を抱きしめた。このハッピーエンドを野崎は「なんかよくありそうな恋愛ですね」と総括。最年少の大人びた発言に大爆笑が起こったところで「サクラデミー女優賞は誰だ?!」のコーナーは幕引きとなった。
ライブ本編は「オトメゴコロ。」「ハートの地球」「My Road」の3曲で終了。アンコールでは購買部が「あきんど☆魂」と「ピース de Check!」をメドレーで披露したほか、「夢に向かって」が届けられ「さくら学院祭☆2018」終了した。この日のライブの模様は明日11月27日に全国の映画館にて「『さくら学院祭☆2018』ライブ・ビューイング」として上映される。
さくら学院祭☆2018 2018年11月25日 国際フォーラム ホールC セットリスト
01. 目指せ!スーパーレディー -2018年度-
02. ベリシュビッッ
03. Fairy tale
04. ご機嫌!Mr.トロピカロリー
05. WONDERFUL JOURNEY
06. C'est la vie / 美術部 Art Performance Unit trico dolls(新谷ゆづみ、森萌々穂、野崎結愛)
07. メロディック・ソルフェージュ
~サクラデミー女優賞は誰だ?!~
08. オトメゴコロ。
09. ハートの地球
10. My Road
<アンコール>
11. あきんど☆魂~ピース de Check! / 購買部(吉田爽葉香、有友緒心)
12. 夢に向かって
「さくら学院祭☆2018」ライブ・ビューイング
2018年11月27日(火)全国の映画館
START 19:00
※日高麻鈴の「高」ははしご高が正式表記
※記事初出時、本文およびセットリストに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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