ゆず、「青写真」ライブで12年ぶりの県民ホールから思い出共有

ゆず初のオンラインツアー「YUZU ONLINE TOUR 2020 AGAIN」の4公演目「青写真」が昨日10月18日に開催された。

9月より5週連続でオンラインツアーを実施しているゆず。縁の深い神奈川県横浜市内のさまざまな場所を回り、代表曲「夏色」以外は異なる内容のセットリストでライブを展開している。第4弾となる今回の公演のキャッチコピーは「このステージから、希望を描こう。もう1回」。彼らは1998年に行われた初のコンサートツアーの会場でもあり、2人にとって約12年ぶりの舞台だという神奈川・神奈川県民ホールより「青写真」をテーマにライブを届けた。

12年ぶりに神奈川県民ホールのステージに立った北川悠仁と岩沢厚治は、1999年に同会場で開催されたツアー「サクラサク」の際の音声をサンプラーから流し、同公演のオープニングナンバーでもあった「月曜日の週末」でライブの口火を切る。さらに北川の「確か当時の2曲目はこの曲でした」という言葉に続けて歌われたのは「四時五分」。2人は「あの頃は若かったなんて ブった事言いたくはない / ソンナコンナスッタモンダあったけど それはそれで楽しかったよ」という歌詞を、当時を懐かしむように歌い上げた。その後彼らは当時新曲だったという、今やゆずの代表曲の1つでもある「サヨナラバス」を披露。岩沢のハイトーンボイスが冴えわたる「灰皿の上から」では、北川が鍵盤ハーモニカの音色を添えて郷愁を誘った。

ライブ中盤には、北川のプロデュースにより岩沢の44歳の誕生日がサプライズで祝われる。ステージの奈落に移動した岩沢を、先回りした北川がケーキを持って迎え入れる。岩沢は、ろうそくを模したライトが点いたケーキに、はにかみながら息を吹きかけた。その後彼らはそのまま奈落でライブを続行。北川の「奈落ということで、いってみよう」という前口上に続けて「地下街」が演奏された。再びステージに戻った彼らは「眼差し」を迫力満点にプレイし、「飛べない鳥」で2人ならではの力強いハーモニーを作り上げる。バラードナンバー「春風」ではしなやかな歌声が無観客のホールに美しくこだました。

ライブが終盤を迎えると、彼らはタオルを取り出し「陽はまた昇る」を熱くパフォーマンス。サビに突入すると、視聴者を煽るように画面にタオルを振り回す観客のイラストが現れる。北川の「ヘイ！ ヘイ！」というかけ声に応えるように、ファンがコメント欄で一斉に声を上げ、画面越しにゆずとファンとの一体感が作られた。続けて2人が定番曲「夏色」を畳みかけると、画面上にはARを使った映像が。観覧車や巨大な2人のピグアバターが立ち現われ、画面をにぎやかに彩った。岩沢がアコギとハープで「蛍の光」を演奏すると、その切ない音色に乗せて北川が「この県民ホールにはいろんな思い出があります。いろんなことを思い出しながら、やらせてもらいました。23年間いろんな場所にいろんな思い出が詰まってます。その思い出を今日もこうして作って、そして君たちと共有できて本当にうれしい。どうもありがとう」と胸の内を言葉にする。「今の僕たちの気持ちにぴったりです」という言葉に続けて、ラストナンバーとして披露されたのは「またあえる日まで」。世界的アーティスト・村上隆による「お花」のアーチが彼らを囲むように画面上に現れ、ライブはフィナーレを迎える。視聴者との別れを惜しむように「またあえる日まで」という言葉を何度も繰り返す2人に、ARによる紙吹雪が降り注ぎ公演は幕を閉じた。

なおこの公演は10月28日23:59までアーカイブ映像が配信されている。チケットは10月27日23:59まで販売中。