吉崎観音のマンガを原作に、地球を侵略しにやって来たケロロたちが巻き起こす騒動を描いた「ケロロ軍曹」。最新作「新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!」が、全国で公開中だ。
脚本・総監督を担うのは、数々のコメディ作品を世に送り出してきた福田雄一。劇中では、全国各地で摩訶不思議な現象が勃発し危機感を覚えたケロロ小隊が、侵略者のプライドを懸けて立ち上がる。
本作でひときわ強烈な存在感を放っているのが、物語の鍵を握るケロン人の兄弟・アルルとデルルを1人2役で演じ分けたジェシー(SixTONES)。そして、怒涛の“カオス展開”に観客と同じ目線で戸惑い、ボヤき、的確なツッコミを入れるナレーションを担当した長谷川忍(シソンヌ)だ。
映画ナタリーでは、そんな異色のポジションを担った2人の対談を実施。福田総監督からの無茶ぶりリクエストの裏側、互いの声の芝居に対する印象、そして限界突破のパロディ展開への本音を、息の合った掛け合いをしながらたっぷりと語り合ってもらった。
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取材・文 / 岡本大介撮影 / 清水純一
「新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!」予告編公開中
キャラの声は電話ですり合わせた(ジェシー)
──本作のオファーを受けたときの率直な心境からお聞かせください。
長谷川忍 ナレーションの経験自体がそこまでなかったので、正直に言うとかなり不安はありました。
ジェシー めちゃくちゃ面白かったですよ。
長谷川 本当? 「これで合ってたかな?」ってずっと怖かったですよ。ナレーションは映画の筋を追う大事な役割なので、個性を出しすぎて邪魔になるのは嫌だなと思って、基本は黒衣に徹しつつ、重要な部分はちゃんと印象に残せるようなあんばいでやれたらなと思いながら収録に臨みました。
──ジェシーさんはアルルとデルルという大役で、しかも1人2役です。
ジェシー そうなんですよ。でも僕を知ってくれたうえでのオファーだと思ったので、「全力でやります!」と。それからはキャラクターのイラストを見せてもらってやり取りしていたんですけど、「これは直接話したほうがいいな」と思って福田さんに電話したんです。「デルルはこんな声ですか?」「おー、いいね!」「アルルはこんな感じですか?」「もうちょっと低く」っていう感じで、電話ですり合わせをしていきました。
──福田総監督に直接声を聞いてもらってイメージを固めていったんですね。
ジェシー そうです。現場に行けばいろいろと言ってくれるかもとは思ったんですけど、福田さんって基本的に「自由にやって」で終わる感じなので(笑)。でも、自分でもすごく楽しみながらやれたなと思います。
──長谷川さんのナレーションは、キャラクターというよりも、長谷川さんご本人がそのまま映画にツッコんでいるような見事な空気感でした。
ジェシー でも普段よりはテンションを抑えていますよね?
長谷川 やりすぎちゃうと白けるかなと思ったので。福田さんは「いつもの長谷川で、普段通りでいいよ」って言ってくれたんですけど、いかにも「ツッコんでます!」というノリにはしないように意識しました。
──確かに、観客に寄り添うようなトーンでしたね。
長谷川 おそらく観ている方々も、各々が頭の中でツッコんでいると思うんです。だから自分が先陣を切るというよりは、観ている人の共感を得るような、日常の中に非日常が起きたときのようなトーンでいけたらなと。映像も収録時に初めて観たので、初見のリアクションをそのまま出せたと思います。
ジェシー 観る側も心の中でツッコんでいるとは思うんですけど、それをちゃんと言ってくれるから「よく言ってくれた!」ってなりますよね。しかもこっちと同じように戸惑っていたりもするので、安心感があるというか。
長谷川 僕自身が本当に戸惑いながら録ってましたからね(笑)。福田さんが僕に事前情報を与えずに収録させたのは、そういう戸惑いのリアクションが欲しかったのかもしれません。
──福田総監督は「強いツッコミよりも、困りツッコミが好き」とおっしゃっていて、長谷川さんのツッコミはそれにぴったりでした。
長谷川 なるほど、やっぱり困らせるためだったんだ(笑)。でも、シソンヌのコントも、いかにもな「フリ・ボケ・ツッコミ」というよりは、サラッとツッコむスタイルなので、そういう意味では自然体に近いツッコミができたのかなと思います。

