映画「
本作は、自閉スペクトラム症(ASD)の兄・大貴(安田)と、カウンセラーとして働く妹・希(のん)の姿を描くヒューマンドラマ。幼い頃に母を亡くした2人は、ネグレクト気味の父親と距離を置いて懸命に生きてきたが、希の結婚話をきっかけに、お互いのこれからとこれまでに向き合うことになる。
企画の立ち上げ時から参加してきた安田は「届けていかなきゃいけないことは、みんなが手を取り合うこと」と作品に込めた思いを語る。「手を取るためには相手のことを知らなきゃいけないし、自分が一歩踏み出すこと、せめて半歩でも寄り添うことが大事。『知る』ということですね。きっかけが必要なんだなと改めて感じています」と話した。
のんは出演を決めた当時を振り返り、「安田さんが山野海さん(原案・脚本)と一緒に企画を立ち上げて、大事に育ててきた作品だと聞き、『お受けするならば生半可な気持ちではいけないぞ……』と。勇気を出して『やるぞ!』と気持ちを決めました」とコメント。「大切に大切に企画を膨らませてきたんだなと感じました。安田さんの“受け止め力”が大きいから、こういう作品になったんじゃないかなと思います」と敬意を示した。
劇中の兄妹の自然なやり取りについて、事前の打ち合わせはあったのかと問われると、安田は「してたらよかったのに……と思うくらい、何もないんです」と告白。のんも「撮影初日から、もう大貴がそこに存在していて、すごく腑に落ちました」と振り返る。安田も「のんちゃんが演じる希がそういう感じだったから、『じゃあ僕はこうなっていくんだな』とインストールされた瞬間を覚えていて、勝手に成立していったものなんだと思います」と話し、互いへの信頼をうかがわせた。
そんな2人について、小林は「言葉にすると違う気もしますが、そういう芯の部分を2人で共有しているのを感じました」と言及。また小林は、大貴が抱える自閉スペクトラム症を扱うにあたり、スタッフやキャストに向けて資料を用意し撮影に臨んだという。舞台挨拶では、のんが小林から借りた資料について「借りパクしてます」と打ち明ける場面も。「お返しするつもりで……おうちにあります」と話すのんに、安田から「“つもり”なんや?(笑)」とツッコミが飛び、会場を和ませた。
なお安田ものんも兵庫県出身だが、のんにとって関西弁での演技は今回が初めて。安田が「(希のセリフで)『あかんあかん!』って好きですね。愛らしさが出ていると思います」と語る一方、のんは大阪ならではのセリフとして「ラピート」(大阪・なんばと関西国際空港を結ぶ空港特急)を挙げ、「すごく好きです!」と語った。
最後に安田は「この映画をきっかけに、いろんな人たち同士が手を取り、知り合うことを心から願っています。自分たちも1人じゃない、誰かが味方でいてくれるということを思い出してください。今一度、自分自身の心に、そして大切な誰かの心に手を当てて、これからもともに生きていってください。映画を楽しんでください」と呼びかけ、舞台挨拶を締めくくった。
「平行と垂直」は8月28日に全国で公開。
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