塩見三省、日プロ特別功労賞受賞にしみじみ 映画は「唯一の居場所、努力の支えに」

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第35回日本映画プロフェッショナル大賞の授賞式が本日6月20日に東京・テアトル新宿で行われ、俳優の井川遥毎熊克哉塩見三省、監督の団塚唯我根岸吉太郎ら各賞の受賞者が出席した。

第35回日本映画プロフェッショナル大賞の特別功労賞が贈られた塩見三省

第35回日本映画プロフェッショナル大賞の特別功労賞が贈られた塩見三省

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日本映画プロフェッショナル大賞とは

プロデューサー、映画監督、脚本家、新聞記者、映画評論家、映画ジャーナリスト、ミニシアター支配人、映画宣伝担当者ら32人の映画のプロフェッショナルが選考委員を務める日本映画プロフェッショナル大賞。選考委員の投票と、映画ジャーナリストの大高宏雄が委員長を務める実行委員会の独自の判断で受賞作および個人賞が選ばれている。

第35回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式の様子

第35回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式の様子 [高画質で見る]

新人監督賞

新人監督賞は映画「見はらし世代」を手がけた団塚唯我へ。同作では再開発が進む東京・渋谷を舞台に、胡蝶蘭の配送運転手として働く主人公・蓮が、母の死をきっかけに疎遠になった父との関係を見つめ直すさまが描かれた。

盾を受け取った団塚は「素晴らしい監督や俳優さんと一緒にステージに立てることを光栄に思います。またこのような場所に戻って来れるように、映画を作り続けていきたいと強く思っております」とスピーチする。選考委員を務めた映画評論家・森直人は「『見はらし世代』は令和最初の『東京物語』だというくらい惚れ込んでいます。めちゃくちゃ才能のある監督が、時代と普遍を接続させる形でデビュー作を撮った。今後、映画界と長い付き合いになると思います」と称賛した。

第35回日本映画プロフェッショナル大賞で新人監督賞に輝いた団塚唯我 左から団塚唯我、森直人

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特別賞

特別賞に輝いたのは、「アジアのユニークな国」製作チーム。「友だちのパパが好き」「夜明けの夫婦」の山内ケンジが監督・脚本を担った同作は、夫が仕事に出ている平日の昼下がりに自宅で違法風俗を営業する妻の姿を描くR18+の社会派深刻喜劇だ。

山内は「過激なテーマを扱った作品にこのような立派な盾をいただき、本当にありがとうございます」と述べる。プロデューサーの野上信子は「公開規模が小さく、予算の少ないこの映画にスポットを当てていただき感謝しております。配信サービスでの展開が始まったので、まだ観ていない方はぜひ探していただけたら」とメッセージを送った。

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主演女優賞

映画「平場の月」での演技が高く評価され、主演女優賞を受賞した井川遥は「このような素晴らしい賞をいただけて光栄に思います。須藤葉子のセリフに『夢みたいなことをね、ちょっと……』とありますが、まさに今日この時間は私にとって夢のようなものになりました」と喜びをあらわにした。

第35回日本映画プロフェッショナル大賞で主演女優賞に輝いた井川遥

第35回日本映画プロフェッショナル大賞で主演女優賞に輝いた井川遥 [高画質で見る]

また井川は、監督・土井裕泰とのタッグは念願だったと言い「『平場の月』への出演は本当に喜びであったのですが、難しい役でもあり試練のような感覚もありました。これからの私の人生が、映画の中で花開いていくように今後も精進していきたい」と語った。

朝倉かすみの同名小説を映画化した「平場の月」は、独り身となった中学時代の同級生同士が35年ぶりに再会し、心を通わせていくラブストーリー。妻と別れて地元の印刷会社に再就職した青砥健将を堺雅人が演じ、夫と死別しパートで生計を立てている須藤葉子に井川が扮した。

左から井川遥、土井裕泰

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イベントレポート
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主演男優賞

2025年7月に公開された映画「『桐島です』」での演技が高く評価され、今回の受賞に至った毎熊克哉。高橋伴明が監督を務めた同作は、連続企業爆破事件指名手配犯として、約半世紀にわたって逃亡した桐島聡の物語だ。

毎熊は「役者としてスタートしたばかりの21歳の頃、高橋伴明監督の『禅 ZEN』という作品にエキストラとして参加していました。自分にとって高橋伴明監督の存在は、役者人生の始まりを象徴するようなもの。桐島という役を僕に託してくださってうれしかった。この経験は、今後の役者人生において大きな糧になる」とスピーチ。高橋の孫で俳優の海空は「伴明から一言預かっておりまして、『桐島の役は毎熊にしかできなかった』と。本当におめでとうございます!」と祝福した。

左から毎熊克哉、海空

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監督賞

監督賞は、「ゆきてかへらぬ」を手がけた根岸吉太郎へ贈られた。ステージに上がった根岸は「ありがとうございます。『ゆきてかへらぬ』は15年ぶりの映画。この賞をいただいたことを励みに、間を空けずに次の映画に向かって精進していきたい」と語った。

「ゆきてかへらぬ」は大正時代を舞台に、実在した女優・長谷川泰子、詩人・中原中也、評論家・小林秀雄による壮絶な愛と青春を描いた作品。広瀬すずが2人の男に愛される泰子、木戸大聖が中也、岡田将生が小林に扮している。

第35回日本映画プロフェッショナル大賞で監督賞に輝いた根岸吉太郎 左から根岸吉太郎、飯塚花笑

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作品賞

作品賞に輝いたのは、高橋伴明が手がけた「『桐島です』」。製作総指揮の長尾和宏、脚本の梶原阿貴が盾と花束を受け取った。授賞式には、高橋の長年の盟友として知られる俳優・奥田瑛二の姿も。高橋と奥田は「痛くない死に方」「安楽死特区」などでタッグを組んできた。

奥田は祝福の言葉を述べるとともに、「伴明とは40年来の付き合いがある。「『桐島です』の主演は、『安楽死特区』に続いて毎熊くん。すごいなあと。療養中の伴明ですが、本人から『元気だよ』と聞いているので、次の映画のことを考えているんだろうと思います」と明かした。

奥田瑛二 「『桐島です』」製作総指揮の長尾和宏 「『桐島です』」脚本の梶原阿貴

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特別功労賞

特別功労賞を受賞したのは、近年「劇映画 孤独のグルメ」「平場の月」に出演した塩見。長年の功績に対して同賞が贈られた。

第35回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式に登壇した塩見三省

第35回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式に登壇した塩見三省 [高画質で見る]

塩見は「この場に立っていられますことを、しみじみとうれしく思います」と述べ、「病に倒れて、このような体になって10年が経ちました。その間にも映画のお誘いが続きました。それが私の唯一の居場所、努力の支えになり、また励みになりました。この1年、『劇映画 孤独のグルメ』の松重豊さん、『平場の月』の土井裕泰さんは、私に新しい世界を切り拓かせてくれました。この受賞は、私がその新しい世界に思い切ってカーブを切った成果だと思います。その在り方が皆さんに認められたんだろうと思います」とスピーチした。

第35回日本映画プロフェッショナル大賞のベストテンおよび個人賞の結果は以下の通り。

第35回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式の様子 左から塩見三省、井川遥

第35回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式の様子 [高画質で見る]

第35回日本映画プロフェッショナル大賞

ベストテン

1位「『桐島です』」
2位「遠い山なみの光
3位「宝島
4位「ふつうの子ども
5位「悪い夏
6位「アジアのユニークな国」
7位「見はらし世代」
8位「愚か者の身分
8位「海辺へ行く道
9位「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は
10位「フロントライン
※「愚か者の身分」「海辺へ行く道」は同率8位

個人賞

作品賞

「桐島です」

主演女優賞

井川遥「平場の月」

主演男優賞

毎熊克哉「『桐島です』」

監督賞

根岸吉太郎「ゆきてかへらぬ」

新人監督賞

団塚唯我「見はらし世代」

特別賞

「アジアのユニークな国」製作チーム(日本映画に新風を起こしたことに対して)

特別功労賞

塩見三省(「劇映画 孤独のグルメ」「平場の月」および長年の功績に対して)

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