呉美保が「アダムの原罪」を絶賛、アダム役ジュール・デルサールの自然な演技に注目

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映画「アダムの原罪」の公開初日トークイベントが本日6月5日に東京・新宿武蔵野館で行われ、「ぼくが生きてる、ふたつの世界」「ふつうの子ども」などで知られる映画監督・呉美保が登壇した。

「アダムの原罪」公開初日トークイベントの様子。左から映画監督の呉美保、映画評論家の伊藤さとり

「アダムの原罪」公開初日トークイベントの様子。左から映画監督の呉美保、映画評論家の伊藤さとり

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「Playground/校庭」のローラ・ワンデルが監督を務め、プロデューサーとしてジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌの兄弟が参加した本作は、孤立した母子に寄り添おうとする看護師の葛藤と決断を、極限の没入型映像で見据えたヒューマンサスペンス。とある病院の小児科センターに、左腕を骨折して運ばれてきた4歳の男の子アダムが入院してくることから物語が展開していく。

栄養失調でやせこけたアダムは発育が遅れ、骨がもろくなっていた。移民のシングルマザー、レベッカが彼に適切な食事を与えていないと見なした裁判所は、彼女の面会を制限することに。自らもシングルマザーである看護師長ルシーは、息子と引き離され、親権を失うことを恐れるレベッカに寄り添おうとする。しかしレベッカの軽率な行動、上司や同僚からのプレッシャーによって追い詰められたルシーは、母子を救いたい気持ちと病院が従うべき司法制度との間で板挟みになっていく。

「アダムの原罪」ポスタービジュアル

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本作を鑑賞した呉は「『Playground/校庭』でも衝撃を受けて、大好きなダルデンヌ兄弟を彷彿とさせるような素晴らしい監督がベルギーから出てきたなと。一貫したリアリティ、多くを説明せずこちら側に託すような物語、そして両作とも70分台で……。すごく密度が高い作品を生み出している。今回はダルデンヌ兄弟がプロデュースしているということで、ワンデル監督のスタイルにより磨きがかかっているなと感じました」と絶賛する。

さらに呉は「この物語は、ベルギーなど限定された国の問題ではなく、世界のどこかで起こっていること。社会のルールに挟まれて、どうにもできないような不条理さって日本にもあるじゃないですか。身につまされる思い、胸を痛めながら観ていました」と続けた。

「アダムの原罪」場面写真 「アダムの原罪」場面写真

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MCを担当した伊藤さとりは、ワンデルの近視眼的な撮影手法に触れ「『Playground/校庭」や(レオニー・ベネシュ主演の)『ナースコール』に通ずるものがありますが、なぜあそこまでアップにこだわって撮影しているんだろうと。ワンデル監督は表情に興味があるんだろうと思いながら、観ていて面白いなと感じました」と述懐する。呉は「一夜の出来事ですが、無駄なく有象無象の人々を丁寧に描いていますよね。撮影現場を見てみたいです」と語った。

また呉は、アダムを演じたジュール・デルサールの自然な演技に注目。デルサールは双子の弟レオと一緒に撮影に参加したそうで、1人がリハーサルに出て、もう1人が本番を演じていた。自身の作品で子役と接することの多い呉は、伊藤から演出で意識していることを尋ねられると「一緒にわちゃわちゃするというか(笑)、距離感を大切にしています。自分も子供になるというか。子供たちの日常に溶け込んで、ナチュラルに撮影ができるようにしています」と言及する。

「アダムの原罪」場面写真 「アダムの原罪」場面写真 「アダムの原罪」場面写真

「アダムの原罪」場面写真 [高画質で見る]

呉は「(『アダムの原罪』でも)きっと(デルサールが)自然とお芝居ができるように、ワンデル監督が丁寧にディレクションしたんだと思います」と想像する。最後に彼女は「日頃、虐待や育児放棄のニュースを目にして思うのは、どんな親子にも笑顔で楽しい瞬間はあったんだろうなということ。想像するが故に苦しくなる。この映画にもそんなシーンが登場します。ラストのアダムのセリフにも注目して」とメッセージを送った。

「アダムの原罪」は、全国で順次上映中。「CLOSE/クロース」のレア・ドリュッケールがルシー、「あのこと」「モンテ・クリスト伯」のアナマリア・ヴァルトロメイがレベッカを演じた。

なお呉と伊藤が映画に寄せたコメントは以下の通り。

映画「アダムの原罪」予告編

映画作品情報

呉美保(映画監督)コメント

人の後ろ姿を、どこへ向かうのか、何をしようとしているのか、
固唾を呑みながら追い続ける79分。
誰もがそれぞれの事情を抱えながら、ただ「今」を必死に生きている。
無情な不条理に、思わず叫びたくなる。
前作「Playground/校庭」に続き、ローラ・ワンデル監督の、
極限まで研ぎ澄まされたリアリズムに、圧倒された。

伊藤さとり(映画評論家)コメント

いくら救いの手を差し伸べようとも、自らこぼれてしまう命がある。
それでも希望を見いだそうと働きかける看護師の視点から捉えた母子の姿は、もどかしく強い愛に縛られていた。
これは、人間心理の難解さが痛烈なまでに突き刺さる問題作だ。

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©︎DRAGONS FILMS – LES FILMS DU FLEUVE – LES FILMS DE PIERRE - LUNANIME – FRANCE 3 CINÉMA – BE TV & ORANGE – PROXIMUS – RTBF (TÉLÉVISION BELGE) – SHELTER PROD

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Paul Nweke @NPKe13

@eiga_natalie 楽しみ!

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