K2 Picturesが5月17日にフランスのJWマリオットカンヌで会見を実施。今後のラインナップと、現在開発中の企画や監督たちの発表を行った。
会見には永田琴が登壇、岩井俊二が企画プロデュース・脚本に参加する新作についてコメント
会見ではK2 Picturesの製作を担うプロデューサーの紹介が行われ、監督・
歌舞伎役者・
そのほか今回明らかになった企画概要や、監督のコメントは以下に記載した。
劇場用アニメーション映画「GIGANT」概要
「GANTZ」で知られる奥浩哉のマンガ「GIGANT」の劇場用アニメーション映画。あることをきっかけに巨大化してしまうことになったセクシー女優パピコが、愛する彼を守るために巨大化して未知の怪物と戦う“SFセクシーヒロインアクション”。K2 Pictures初のアニメーション映画企画となる。
永田琴監督作「藻屑蟹(仮)」概要
「愚か者の身分」を手がけた永田琴が監督を担当する。脚本は原作者である赤松利市と、岩井俊二が執筆。岩井は企画プロデュースも務める。東日本大震災後の福島を背景に、原発事故による放射能汚染と補償金問題、除染ビジネスの裏側や被災者遺族など、現地の人々が抱えた分断を社会派ノワール作品として描く。
永田琴(監督)コメント
紀伊宗之さんはやんちゃでありながら、繊細で鋭い感性を持ち合わせた、頼もしい人です。
今の日本で、原発に関わるこの企画を引き受けてくれるプロデューサーがほかにいるでしょうか。
大げさではなく、この企画は紀伊さんがいなければ成立しなかったと思います。
そして今回は、師匠でもある岩井俊二さんに脚本を書いていただくというこの巡り合わせに、
ありがたさと同時に大きな責任を感じています。
K2 Picturesの日本映画界に風穴を開ける新しいファンド方式の成功を心から願うとともに、その先に新しい日本映画界の未来が拓かれていくことを期待しています。
岩井俊二(企画プロデュース・脚本)コメント
赤松利市という作家を知ったのはテレビ番組。続けて好きなYouTubeチャンネルにも登場し、まずはこの人物の人生に興味を持ちました。社長業から一転、原発事故後には除染作業員に従事。大藪春彦新人賞を受賞したのが62歳。当時彼はホームレスで、ネットカフェでパソコンを借りて原稿を書いていた。そんな作家が一体どんな小説を書くのだろうと最初に手に取った小説が「藻屑蟹」だった。ご本人の除染作業員の実体験を基に描かれたその内容は実に衝撃的で、そんな話を永田琴にすると、しばらく反応がなかったが、久方ぶりに会った時に、「この作品やりたいです!」と。決して軽くない原作。この作品を自分に落とし込むのにも、彼女なりにかなりの時間がかかったようで。原発事故のあった福島を舞台に映画を作る。同じ東北地方出身の自分にとっても意義のあるプロジェクトである。同時に赤松利市というオンリーワンな作家とのコラボレーションも意義があると感じている。
加藤拓也監督作「NAP(仮)」概要
演劇界で注目を集め、映画「わたし達はおとな」「ほつれる」を手がけた加藤拓也が監督を担う。人前で食事ができない「会食恐怖症」の主人公が、ある日「睡眠アレルギー」にかかる物語。現実とフィクションが入り混じる中“三大欲求を共有できない恋人たちはどうするのか?”という、“恋人らしさ”に代表されるような、人が無意識に受け入れている“らしさ”に疑問を投げかける実験的な作品。日本、フランス、アイスランドで国際共同製作される。
加藤拓也(監督)コメント
「誰かといると喉が閉じる」ということを、この作品のなかでは恋愛映画として描きます。食べるということや眠るということは、他者と何かを共有する行為です。それができない主人公・永茉の、旅の中で眠れない夜と沈まない太陽を重ねながら、「共有する」とはどういうことかを問いたいと思います。
片山慎三監督作 メキシコホラー 概要
「岬の兄妹」「さがす」、ドラマ「ガンニバル」「ガス人間」などで知られる片山慎三が手がけるメキシコ×Jホラー企画。アメリカのMiércoles EntertainmentおよびメキシコのThe Liftとのパートナーシップのもと、開発中。
大友啓史監督作「コンデコマ(仮)」概要
「るろうに剣心」シリーズ、Netflix映画「10DANCE」などを手がけた大友啓史が監督を務める。第1次世界大戦前夜、日本発祥の柔術を携え海を渡り、のちにグレイシー柔術、さらにUFCやMMAなどの現代格闘技へとつながる潮流を生んだ男・前田光世(コンデ・コマ)をテーマに据えたアクション超大作。劇中では国境を超えた壮大な柔術の歴史と、前田光世(コンデ・コマ)の物語が描かれる。日本、ブラジル、アメリカとの合作を予定。
大友啓史(監督)コメント
ある日紀伊さんから連絡があった。一緒に飲んだ時に僕が話した企画を、新しく立ち上げたK2 Picturesで是非実現したい、という内容だった。10年来考えていた、どこに話しても誰に話しても、日本映画の土俵ではまるで誇大妄想狂であるかのように(笑)扱われていた企画。色々話したけど、「絶対面白いやん」という紀伊さんの一言がすべてだった。立ちふさがるであろうリスクや困難も含め、面白いと思うものに、そしてハードルが高いものにこそ、純粋に、どん欲に真正面からぶつかっていく。どうやらそれが紀伊さんの、K2 Picturesのファイトスタイルらしい。他者がやらないこと、手を出せないことをやる、日本映画をかき回して面白くする。その志と挑戦に共鳴しつつ、未来に向けて。「映画という戦場」を共に走りながら、一つ一つ不可能の壁を取り除いていきたい。よろしくお願いします。
ノ・ドク監督作「私の先生」概要
日本と韓国の共同製作映画「恋愛の温度」で脚本・監督を担当し、Netflixシリーズ「グリッチ -青い閃光の記憶-」の監督でもある
ノ・ドク(監督)コメント
今回、ずっと映画として描いてみたいと思っていた題材を開発しています。
その物語を、日本のクリエイターたちとともに新たな視点から見つめ直す機会を提案してくださったK2 Picturesさんに深く感謝しています。
まだ開発段階ではありますが、このコラボレーションが今後どのような映画として結実していくのか、私自身も大きな期待を抱いています。
藤谷文子監督作「HOLD(仮)」概要
俳優として活動する一方、パク・チャヌクやデイヴ・ボイルと共同脚本を手がけてきた
藤谷文子(監督)コメント
この脚本を最初に書いたのは2015年だった。母と子、そして、異文化間のラブストーリーを書いた。その後10年の間に私自身が二児の母になり、知っていた自分の闇を消化できたと思ったら、違うところからドス黒い闇が予期せぬ形で顔を出してきたり(ところてん式か私の心は)色んな別れや新しい出会いや再会もあって、やっと。それら全部のフィルターを通して書き直した脚本を監督出来る、それは、私の想いみたいなものを信じてくれるK2ピクチャーズさんと、三宅はるえプロデューサーがいるから。でも、まだこれからです。今からです。どんな物が出来上がるか、楽しみにしていてもらえたらと思います。
金子実怜奈監督作「UFO Club」概要
第28回ウーディネ・ファーイースト映画祭の企画マーケットにも選出された本作は、NIKEの短編映画で監督を務めた金子実怜奈による長編デビュー作。理解されない孤独を抱えた少女が、UFO探しを通して他者と出会い、自分の世界を広げていくさまが描出される。“自分を宇宙人だ”と語る少年ナカジマとの出会いをきっかけに、主人公ヒナはこれまで見えていなかった人々の感情や、小さな美しさに触れていくことになる。
二宮健監督作「人間昆虫記」概要
手塚治虫生誕100周年プロジェクトとして始動する本企画。マンガの神様と呼ばれる手塚治虫による「人間昆虫記」を、ダークミュージカルとして映画化する。監督を務めるのは「チワワちゃん」「真夜中乙女戦争」の二宮健。2月には第76回ベルリン国際映画祭の併設マーケットで、本作の公開ピッチが実施されている。
K2P Film Fund Iの進捗および成果
K2 Picturesはフランスで開催されている第79回カンヌ国際映画祭の併設マーケット「Marche du Film(マルシェ・ドゥ・フィルム)」で、日本映画におけるファイナンスの現在地と未来をテーマにしたセミナーを実施した。さらに5月17日には、2024年に同じくカンヌで発表した映画製作ファンド・「K2P Film Fund I(ケーツーピー フィルム ファンド ファースト)」の進捗および成果について説明。同ファンドは2月に総額約50億円規模の資金を調達してクローズし、主な投資企業として三菱UFJ銀行、日本政策投資銀行をはじめとする金融機関や事業会社が参画したことを報告した。すでに3作品が完成済みで、3作品がポストプロダクション中、6月から12月にかけては5作品の公開を予定している。また年内に5作品がクランクイン予定だ。
映画「襲名」特報
フォローして最新ニュースを受け取る
関連記事
映画ナタリー @eiga_natalie
K2 Picturesによる新企画発表!「GIGANT」の映画化、大友啓史のアクション大作など
会見には永田琴が登壇、岩井俊二が企画プロデュース・脚本に参加する新作を語る
📍ラインナップはこちら
https://t.co/Muchzw2rCs https://t.co/mgurKQjfB3