綾野剛「ヤクザと家族」は“今の自分の集大成”、舘ひろしと「愛」を再確認

「ヤクザと家族 The Family」の完成報告生配信トークイベントが、本日1月11日に東京・神楽座で行われ、キャストの綾野剛、舘ひろし、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗、監督の藤井道人が登壇した。

本作は、ヤクザとして生きる道を選んだ男を主人公に1999年、2005年、2019年という3つの時代を描く物語。暴力団の世界へ足を踏み入れる主人公・山本賢治を綾野、柴咲組の組長・柴咲博を舘が演じた。

登壇者たちは挨拶とともに、本作を一言で表現。「愛」としたためた舘は「今時ちょっとリスキーなタイトルの作品ですが、愛がいっぱいあふれています。ぜひご期待ください」と呼びかける。偶然にも同じく「愛」と回答した綾野は、「現場ではみんなが一丸となっていて、この愛にはリスペクトや思いやりが含まれています。これ（愛）以上のものはない」と説明。舘のフリップを見て「うれしいですね」と笑みを向けると、舘も「愛し合ってますから」とうなずいた。

尾野は、綾野との久々の共演を振り返って「私の知ってる剛は天然で、宇宙人みたいな人だったんです。それが今回の現場では、周りを見て『大丈夫？』とケアして、監督とも長い時間を掛けてコミュニケーションを取っていて」と座長ぶりを絶賛。「ちょっと上から目線で言ってもいいですか？ ……こいつデカくなったなあ！って（笑）。ただ笑わせるだけの剛じゃないなと。感心しました。失礼があったらごめんなさい（笑）」と印象の変化をストレートに述べる。綾野が爆笑しながら「やっぱり真千子ワールドは素晴らしいですよ。今日もきれいだよ、とても」と優しく声を掛けると、尾野は「でしょー？ （ヘアメイクアーティストが）作ってくれたもん！」と返し、息の合ったやり取りを見せた。

また北村は「綾野くんと監督が細かい演技を確認し合うのを見ているのが好きでした。まるで付き合っているみたいに寄り添っていて。素敵な現場でした」、市原は「制作部も技術スタッフも俳優陣も奇跡のようで。芝居やそういうことではなく、そこにいるだけで映像の中で生きることが許されるのは幸せでした」と撮影の日々を回想。磯村は「監督が『俳優と監督の関係性は夫婦だから』とおっしゃっていたのが印象的で。同じ立場でディスカッションできる仲にしたいと聞き、監督ともちゃんと話していいんだなと衝撃が走りました」と述懐する。

作品のタイトル通り、現場ではキャスト・スタッフともに“家族”のように一丸となったという本作。藤井は「剛さんは撮影が終わると、みんなをごはんに連れて行って『今日はこういうシーンがよかった』『明日はこうしたいね』と気を使ってくださり、兄貴として現場の士気を高めてくれてました。舘さんは撮影の合間にコーヒーを淹れて、いろんな現場の話を1人ひとりにしてくださって。終わってしまうときは寂しかったけど、今も1個1個覚えています」と噛み締めるように語った。

本日1月11日は成人の日。成人を迎えた若者に向けて、綾野は「今、皆さんにはどんな夢が見えているのか？ その景色ってちゃんと輝いてるかな？と老婆心のようになってしまうけど、皆さんが強く生き抜こうと思えるよう、僕ら大人が見せていかなきゃと思っています。可能性は無限大ですから。自分の中の可能性を時間を掛けて育んでください。もしこの話を聞いていた人が映画業界に来たら声を掛けてほしい。必ず一緒に仕事がしたいです」とメッセージを贈る。そして最後に「今の僕の集大成となるこの作品が、今後は僕にとってライバルになっていくんだろうと思います」と本作への自信をのぞかせた。

「ヤクザと家族 The Family」は1月29日に全国公開。