永瀬正敏と土居志央梨、「二人ノ世界」悲願の上映に「救ってくれてありがとう」

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二人ノ世界」の上映が、本日9月19日になら国際映画祭2020で行われ、舞台挨拶にキャストの永瀬正敏土居志央梨が登壇した。

左から河瀬直美、永瀬正敏、土居志央梨。

左から河瀬直美、永瀬正敏、土居志央梨。

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なら国際映画祭2020の特別招待作品として、奈良のエヴァンズ・キャッスル・ホールで上映された本作。劇中では、バイク事故で体の自由を失った男・俊作と、彼のヘルパーとしてやって来た盲目の女性・華恵の関係が描かれる。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の学生を中心に約7年前に撮影され、永瀬が俊作、土居が華恵を演じた。

永瀬正敏

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上映後のトークには、映画祭エグゼクティブディレクターの河瀬直美も登壇した。今年7月に劇場公開された本作だが、舞台挨拶を行うのは今回が初。永瀬は映画祭での上映を決めた河瀬に「この映画を救っていただきありがとうございました」と感謝を伝える。当時脚本に惚れ込み、学生中心の映画への出演を決めたという永瀬は、首から下が不自由な俊作という役について「悪く聞こえてしまうかもしれないですが、すごくストレスでした。華恵は目が見えないので、ぶつかりそうになったら僕がすっと隙間を空けてあげればいいのに、それができない。ということは、実際に体が不自由な方は365日そういう思いをしているわけで……。それを胸に現場に立っていないと、と思いました」とコメント。撮影当時大学3年生だった土居は「台本を読んで華恵に“一目惚れ”したので、ハンディキャップをどう演じるかよりも、どうにかこの魅力的な役を成立させたいという思いでした」と役への思いを述べた。

土居志央梨

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本作における初めての舞台挨拶にあたり、土居は「やっと(映画が)お客さんのものになったんだな」と感慨を明かす。河瀬は、夏にコロナ禍で新作映画が上映されず、旧作がスクリーンにかけられていた状況を説明し「そんな中、本作の上映がイオンシネマさんでスタートして。こんな形でつながっていくこともあるんですね」としみじみ。宣伝費などがなく、なかなか上映につなげられなかった過去を回想し、永瀬は「土居さんをはじめ、映像の未来を担う学生たちがせっかく一生懸命作ったのに、『結局スクリーンにかからなかったじゃん』と思わせるのだけはどうしても嫌で。どうにか上映できないかと思っていたんです。僕たちが演じたのは、触れ合いたいけど触れ合えない、見たいけど見られないという役柄。奇しくも今の不自由な時代に上映されるというのも、ちょっと(胸に)来ますね」と噛み締めた。

河瀬直美

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現場での土居の様子を、永瀬は「ずっと華恵でいてくれたし、強い思いも持っていた」と証言。河瀬に「こいつはちょっとちゃうな、と(思った)?」と振られると、永瀬はと即座にうなずく。また質問コーナーにて、観客から「目が印象的だった」と言われた永瀬は、実際に体の不自由な女性に話を聞いたときのことを振り返り「その方は彼氏と一緒にいて幸せそうだったんだけど、『でも明日また死にたくなるかもしれないんですよね』ってポロッと言っていて。そのときの目がなんとも言えなかったんです」と演技の参考にしたことを明かした。

※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記

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おおとも ひさし @tekuriha

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