「舞台『青の祓魔師』島根イルミナティ篇」PR

「舞台『青の祓魔師』島根イルミナティ篇」特集 宮崎秋人インタビュー|強い絆で結ばれた2人が演じる、奥村兄弟の“存在感”

サタンの息子でありながら、悪魔を祓う祓魔師(エクソシスト)を志す奥村燐と、その双子の弟・奥村雪男を中心に描いた加藤和恵のマンガ「青の祓魔師」。2012年に舞台化、昨年16年には北村諒、宮崎秋人らをキャストに迎えて「京都紅蓮篇」が上演された。

このたびステージナタリーでは、9月上旬に実施されたプレ稽古にて、奥村雪男役を演じる宮崎にインタビュー。ライバルであり良き友でもある北村との関係性、宮崎が厚い信頼を寄せる演出家・西田大輔と、「舞台『青の祓魔師』」を作り上げていく行程について話を聞いた。また先日行われた奥村燐役・北村のインタビューも公開中。こちらも併せてチェックしてほしい。

取材・文 / 興野汐里 撮影 / 福田俊介

きたむーには安心して背中を預けられる

──プレ稽古、お疲れさまでした(参照:「青の祓魔師」始動!プレ稽古に北村諒ら参加、西田大輔「史上最高の舞台に」)。アクションの稽古が始まった瞬間、宮崎さんの目の色が変わったように感じました。オンとオフのスイッチはどのタイミングで入れているんでしょうか。

宮崎秋人

人が板の上に立ったときですかね。ほかの人が演技しているときは、いいところを何か1つでも盗めたらと思って集中して見てます。自分の演技に関しては、いかにミスを減らして、周りの共演者を煽れるかっていうのを「青エク」の現場では特に意識してますね。

──かなりのハイスピードで殺陣付けが進んでいましたが……。

いつもあんな感じですよ(笑)。前作「京都紅蓮篇」のとき、きたむー(北村)の殺陣が先に付いたんですが、きたむーは西田さんと何度もご一緒してるだけあって、西田さんがやって見せた動きを1回で覚えちゃうんです。「これはヤバい、自分も1回で覚えなきゃ」と思って必死で食らい付いていったらあの速さになりました(笑)。殺陣を付けてもらっているときは、西田さんが周りをどうとらえているか、西田さんには今どんな景色が見えているのかを想像しながら観察してます。

──稽古中、北村さん演じる燐と、宮崎さん演じる雪男が背中合わせになるシーンがとても印象的でした。

きたむーも僕も、お互いの殺陣をたくさん見てきているので、安心して演じられますね。きたむーの姿が見えていなくても、信じて背中を預けられます。

──今回の「島根イルミナティ篇」は、奥村兄弟がほかの祓魔塾のメンバーを盛り立てていくストーリー展開になっています。

北村諒演じる奥村燐。

周りのキャストを気遣ったり、サポートに回る役どころは、きたむーにお願いしていて。自分は祓魔塾の先生という立場もあるので、1歩引いて見ていることが多いですね。それは前作から同じスタンスでやっています。正直、僕もみんなと仲良くしたいんですけどね(笑)。

──演じるキャラクターによって共演者の方との接し方を変える、と?

輪の中心にいるような役だったら積極的に絡んでいくので、その作品での立ち位置によりけりかもしれません。前回も意識的にみんなと距離を置こうとしたわけではないんですけど、結果的にはきたむーとしか話さなかったような気がします。でも、馴れ合わなかったですね。2人で発破をかけ合って、お互いにあら探ししてました(笑)。

──以前、北村さんにお話を伺ったとき、「僕がフワフワしているぶん、秋人がしっかり締めてくれる」とおっしゃっていたんですが、(参照:「舞台『青の祓魔師』島根イルミナティ篇」特集 北村諒インタビュー)宮崎さんから見たお二人の関係性は?

きたむーも燐を演じることを意識しながら共演者に接してると思うし、自分も自分で、雪男としてしっかりしなきゃっていう気持ちがあるので、「青エク」の現場での僕たちは、役ありきでこういう関係性になったのかなと思います。プライベートだと2人ともフワッフワしてますけどね(笑)。

──お二人はよく一緒にゲームをやっているとお聞きしました。

そうなんですよ。きたむーとはオンラインゲームで同じタイトルをプレイしたり、サバゲー(サバイバルゲーム)に行ったりしてます。

──プレ稽古の囲み取材でも少し話が出ていましたが、今作から宝ねむ役で参加する樋口裕太さんともゲーム内で交流があるそうで。樋口さんも「やっと秋人くんに会えた!」と喜んでいらっしゃいましたね。

半年くらい前かな? 裕太の出演作を観に行ったときに挨拶はしていたんですが、まさか共演すると思っていなくて。以前から素敵な役者さんだなと思っていたので、今回共演できてすごくうれしいです。

──樋口さんと同じく新キャストの大久保聡美さん(神木出雲役)もプレ稽古に参加されていました。

宮崎秋人

実は僕、女優さんとどういう話をしたらいいかわからなくて……。男性キャストばかりの作品に出演することが多いので、女性と共演する機会があまりないんですよ。今日は話せないだろうなと思っていたんですが、彼女もゲーム好きということが発覚して。裕太ときたむーとゲームの話をしてたら、「何のゲームやってるんですか?」って話しかけてくれて、オススメのパソコンのマウスがあることなんかも教えてくれて。「なんていい子なんだ!」と思いましたね(笑)。

──樋口さんや大久保さんを迎えた新しいカンパニーに期待大ですね。

今回はみんなとご飯に行けたらいいなって思ってます(笑)。

もうね、大好きです、西田さん

──前作「京都紅蓮篇」上演決定の際、もともと作品が好きだったとおっしゃっていましたが、(参照:「青の祓魔師」が北村諒、宮崎秋人で新たに舞台化!京都紅蓮篇、8月に上演)「青エク」にはどんな印象を持っていましたか?

僕はまず、アニメから入ったんです。アニメで使われている楽曲もカッコいいですが、何より登場人物1人ひとりの特徴や人間関係が細やかに描写されている。そこがすごく魅力的な作品だなと思いました。それから原作マンガを読んで、どんどん理解を深めていって。今回の「島根イルミナティ篇」は特にそうですが、燐と雪男だけでなく、出雲だったり、(出雲の母である神木)玉雲だったり、(志摩)廉造だったり、ほかのキャラクターにもそれぞれスポットが当たるので、登場人物みんなに愛が持てる作品だなと思いました。

──ご自身が演じる雪男の第一印象は?

宮崎秋人演じる奥村雪男。

雪男はそうですね……「ハッキリしろよ!」って思いました。もちろんすごく好きなんですけど(笑)。立場上ではみんなの先生だけど、思春期をこじらせてて、ちゃんと15歳なんだなって。あとはやっぱり、兄である燐には敵わないんだなって雪男を見ていると思います。それでもがんばって背伸びしてるところがすごく愛おしい。

──実際に演じてみて、雪男と共通点はありましたか?

雪男は、周りからできる奴って思われがちだけど、蓋を開けてみたらコンプレックスの塊じゃないですか。そういうところは似てるかも、と演じていて感じました。

──ご自身にもコンプレックスが?

雪男ほどヘビーじゃないですけどね!(笑) 僕も基本的にネガティブなので、劣等感を抱えながら日々を過ごしてます。自分はまだまだだから、慢心しちゃいけないと常に思っていて。ありがたいことに、「がんばってるね」とか「ストイックだね」と言ってもらうこともありますが、やらなきゃできないし、やったらできるようになることがたくさんあるからやる。ただそれだけです。なので、ネガティブなところに関してあまり後ろめたいとは思ってないですね。たぶん、ポジティブで楽観的な性格だったらそれに甘んじていただろうし、これぐらいがちょうどいいのかなって。

──宮崎さんの謙虚さが周りの方にも伝わっているんでしょうね。そんな宮崎さんが雪男を演じるにあたって、こだわったポイントはどこでしょうか。

宮崎秋人

雪男って、しゃべっていないときこそ本音が出てるんじゃないかと思っていて。ほかの作品で活発な役を演じることが多かったので、何も話していないときのほうが伝えられることもあるんだっていうことを雪男という役を通して学びました。舞台を観てるときって、どうしてもセリフを言ってる人に目がいきますけど、ふと雪男にお客さんの視線が移ったときに、しゃべっていない場面でも“雪男がまとっている空気の濃さ”をしっかり伝えられたらいいなと思います。

──西田さんの作品に参加されたのは、「京都紅蓮篇」が初めてでしたが、実際に演出を受けてみていかがでしたか?

……もうね、大好きです、西田さん。出会えてよかったなって思いました。西田さんって本当に人心掌握術に長けた方なので、前作の稽古に入ってすぐ、自分に自信がないところとか全部見透かされちゃったんです。西田さんは僕の親友にもそんな話をしていたらしくて。

──親友というのは?

松田凌って奴なんですけど(笑)。8月の「青エク」の直後だったから、9月の「瞑るおおかみ黒き鴨」のときだったかな? 「お互い持ってるものが違って面白いな、お前ら2人」って話を凌にしてくれたみたいで。ほかにも、「秋人は今後の演劇界を担っていく男だと思う」といろいろな取材で紹介してくださったり、僕の性格を把握して奮い立たせてくださるので、本当にすごい方だな……と。

──プレ稽古の囲み取材で、「西田さんが前作の稽古であまり構ってくれなかった」とおっしゃっていましたが、それも宮崎さんの性格を考慮してなのでしょうか。

そうかもしれないです。きたむーは「ここはもうちょっとこうしたほうがいい」ってアドバイスしてもらってたんですが、自分は特に何も言ってもらえなくて。「絶対言わせたる!」って燃えてましたね(笑)。ダメ出しがないからといって合格ではない、と僕が納得しないことを理解したうえで演出してくださっていたのかなと思います。

奥村燐役 北村諒インタビューはこちら
「舞台『青の祓魔師』島根イルミナティ篇」
舞台「青の祓魔師」島根イルミナティ篇

2017年10月20日(金)~29日(日)
東京都 Zeppブルーシアター六本木

2017年11月2日(木)~5日(日)
兵庫県 新神戸オリエンタル劇場

原作・脚本協力:加藤和恵(集英社「ジャンプスクエア」連載)
脚本・演出:西田大輔

キャスト

奥村燐:北村諒
奥村雪男:宮崎秋人

勝呂竜士:山本一慶
志摩廉造:才川コージ
三輪子猫丸:土井裕斗

杜山しえみ:松岡里英
宝ねむ:樋口裕太
朴朔子:小槙まこ

神木出雲:大久保聡美

ルシフェル:横田龍儀
親衛隊上官:稲村梓
外道院ミハエル:原勇弥

メフィスト・フェレス:和泉宗兵
神木玉雲:田中良子

ほか

宮崎秋人(ミヤザキシュウト)
宮崎秋人
1990年東京都出身。2012年「ミュージカル『薄桜鬼』斎藤一編」で永倉新八役を演じ、翌13年「舞台『弱虫ペダル』箱根学園篇~眠れる直線鬼~」の新開隼人役で人気を博す。以降「舞台『弱虫ペダル』」およびドラマ「弱虫ペダル」シリーズに同役で出演。2015年、俳優集団D-BOYSに加入。主な出演作に「舞台『東京喰種 トーキョーグール』」「ライブ・ファンタジー『FAIRY TAIL』」「Dステ20th『柔道少年』」「男水!」など。また来年2018年1月27日に映画「ちょっと待て野球部」が公開され、4月には舞台「PHOTOGRAPH51」の公演を控える。