「24番地の桜の園」開幕前日、串田和美「記憶のようなものが漂う舞台に」

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「24番地の桜の園」が明日11月9日に東京・Bunkamura シアターコクーンにて開幕。これに先駆けて本日11月8日に初日前会見と公開フォトコールが行われた。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。左から小林聡美演じるリューバ、高橋克典演じるロパーヒン。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。左から小林聡美演じるリューバ、高橋克典演じるロパーヒン。

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シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」初日前会見より。前列左から串田和美、高橋克典、小林聡美、風間杜夫、後列左から松井玲奈、八嶋智人、美波。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」初日前会見より。前列左から串田和美、高橋克典、小林聡美、風間杜夫、後列左から松井玲奈、八嶋智人、美波。[拡大]

アントン・チェーホフの「桜の園」をベースに、串田和美が演出・脚色・美術を手がける本作。会見ではミュージシャンの生演奏とともに高橋克典風間杜夫八嶋智人松井玲奈美波小林聡美、串田が入場。隣人の地主・ピーシチク役を務める串田は、自身初のチェーホフ作品の演出について「チェーホフを演出することは一生ないだろうと思ってたんですが、プロデューサーと打ち合わせしてる最中、なぜか頭に『桜の園』が浮かびました」とエピソードを明かす。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。(中央)高橋克典演じるロパーヒン。

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商人・ロパーヒン役の高橋は、5年ぶりの舞台出演について「串田さんの作品には3本目の参加です。お話をいただき、1度お断りしたんですが『やってみりゃいいじゃん!』と言われ、飛び込みました。串田さんは無の世界から空気の粒を掴むように作品作りをされるので、(どうなるのか)誰にもわかりません。美しい世界が着実に組み上がっているはずです」と語った。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。

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リューバの兄・レオニード役を演じる風間はパーティから始まった稽古初日について「『こじゃれた格好して集まれ』と言われ、『何を気取ってるんだ!』と思いました。渋谷の居酒屋でいいのに……」と登壇者たちの笑いを誘いつつ、「これが串田さんのこの演劇のスタートなんだなと、後に気が付きました」と続けた。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。八嶋智人演じるペーチャ。

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万年大学生のペーチャ役を演じる八嶋は「串田さんの作りたい世界はどこまでも自由で、“無限の可能性の海”に放り込んでいただき、そこを泳ぐのはワクワクします。ただ自由にはタフさが必要で、ときには溺れかけることもありますが、自分たちで光を見つけてそこに向かって全力で泳ぐ。そういう体験をお客様にもしていただいて、なにか見つけて持って帰っていただけたら」と観客に呼びかけた。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。松井玲奈演じるアーニャ。

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リューバの娘・アーニャ役を演じる松井は「古典作品はずっと挑戦したかったのですが、実際やってみると難しく、国も生きてた時代も違う人が作り出したものをどう理解して、どう表現したらいいのか、深く考えてしまいました。串田さんからは『真面目になるな』と言われまして、できるだけ自由になれるようにしています」と述べる。続けて養女のワーリャ役を演じる美波は「自分と似ていない役を、役として“第3の目”を持って客観的に楽しむというのが、今回の役者としての1つのテーマであり課題です」とコメントした。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。舞台手前から小林聡美演じるリューバ、大森博史演じるフィールス。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。舞台手前から小林聡美演じるリューバ、大森博史演じるフィールス。[拡大]

女領主のリューバ役を務める小林は「チェーホフ作品に携わるのも初めてで、一観客として拝見していた串田さんの素敵な世界に入っていけるという光栄なことが同時に起き、お盆と正月が一緒に来た感じです」と心中を明かす。これまでの稽古については「串田さんは誰より自由で、役者というゴムを最大限に伸ばしてバチーンと離します。千本ノックならぬ“ゴム引き稽古”みたいでした」と振り返った。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。

シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」公開フォトコールより。[拡大]

串田は自身が手がけた舞台美術について「『映画の撮影をしてるのかな?』というような広間で、いろんなことが行われる。演じているのは俳優なんだけど、いろんな記憶のようなものが漂っている舞台にならないかなと。模型で実験しながら大がかりなことも考えましたが、どんどんそぎ落として、わりとシンプルになりました」と語る。最後に高橋は「最近は自分を閉じ込めて行く方向ばかりだったので、それを解放したい。芝居する瞬間に自由になることを教えていただいているような気がします」と締めくくった。

木内宏昌が翻訳・脚色を担当し、「桜の園」をもとに、チェーホフのさまざまなエッセンスを盛り込んで新たな作品を立ち上げる本作。キャストはほかに、大堀こういち池谷のぶえ尾上寛之北浦愛菅裕輔新田祐里子大森博史久世星佳が名を連ね、音楽を太田惠資、振付をBATIKの黒田育世が担当する。公演は11月28日まで東京で上演されたのち、長野、大阪を巡演する。

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シアターコクーン・オンレパートリー2017「24番地の桜の園」

2017年11月9日(木)~28日(火)
東京都 Bunkamura シアターコクーン

2017年12月2日(土)・3日(日)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール

2017年12月8日(金)~10日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

作:アントン・チェーホフ
翻訳・脚色:木内宏昌
演出・脚色・美術:串田和美
音楽:太田惠資
振付:黒田育世

出演:高橋克典風間杜夫八嶋智人松井玲奈美波大堀こういち池谷のぶえ尾上寛之北浦愛菅裕輔新田祐里子大森博史久世星佳、串田和美、小林聡美

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キウチヒロマサ @azrbjn

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