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「シラノ」モチーフの別役実「鼻」開幕、車いすに乗った“将軍”役に江守徹

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文学座創立80周年記念 文学座「鼻」より。

文学座創立80周年記念 文学座「鼻」より。

文学座「鼻」が、本日10月21日に開幕した。

本作は、1994年に文学座アトリエの会として、三津田健のために書き下ろされた別役実の戯曲。“シラノ俳優”とも言われた三津田の、「シラノ・ド・ベルジュラック」への思いをベースに描かれたもので、シラノを暗示させる男四をはじめ8人の登場人物が、俳優という仕事や老い、愛、生きること、など人生のさまざまなテーマを浮き彫りにする。修道院が経営する老人ばかりの病院の裏庭に、なぜか将軍と呼ばれる1人の老人が姿を現わす。老人は庭の木の枝に、なぜか作り物の“鼻”をぶら下げていて……。

なお、文学座創立80周年を記念して上演される今回、男四を演じるのは、1983年と2006年にシラノ役を演じている、文学座代表の江守徹。共演には渡辺徹らが名を連ね、演出を鵜山仁が担当する。鵜山は「今後の文学座やこの国の行方を占うような、興味深い世界が立ち上がれば」と意気込みを述べている。上演時間は1時間15分(休憩なし)。公演は10月30日まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、11月5日に大阪・八尾プリズムホールにて。

鵜山仁コメント

この作品は「鼻のシラノ」でおなじみの、エドモン・ロスタンの名作『シラノ・ド・ベルジュラック』に想を得た、別役流不条理演劇の佳品です。文学座アトリエでの初演は1994年。私見では、これは別役 実さんによる、一風変わった文学座物語と言っていいかと思います。初演版は藤原新平・演出、文学座の初代シラノ役者である、故・三津田健さんを中心とする座組みでしたが、今回は江守 徹さんはじめ、渡辺 徹、得丸伸二、沢田冬樹、金沢映子、栗田桃子、千田美智子、増岡裕子という一騎当千の演技陣、演出が鵜山という取り合わせ。一同満を持しての上演です。今後の文学座やこの国の行方を占うような、興味深い世界が立ち上がればと楽しみにしています。皆様のご来場、心からお待ち申し上げております。

※初出時より本文の内容に一部変更がありました。

文学座創立80周年記念 文学座「鼻」

2017年10月21日(土)~30日(月)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

2017年11月5日(日)
大阪府 八尾プリズムホール 小ホール

作:別役実
演出:鵜山仁
出演:江守徹渡辺徹、得丸伸二、沢田冬樹、金沢映子、栗田桃子、千田美智子、増岡裕子 / 杉村春子(声の出演)

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