10周年のサンプルが劇団活動休止、松井周個人のユニットに「変態」

今年2017年に10周年を迎えた劇団サンプルが、6月14日から25日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて「ブリッジ」を上演。それを節目として、劇団活動を休止する。

「ブリッジ」は、コスモオルガン協会という架空の新興宗教団体の信者たちを描く宗教劇。今年2017年1月に行われたワークインプログレス公演を経て、松井周をはじめ劇団員たちが、満を持して創作に挑む。なお劇団としての公演は本作が最後となり、サンプルは今後、松井周の個人ユニット、および松井の創作を含む“環境”の名称に“変態”する。

今後の展開について松井は、「公演、ワークショップ、イベント、雑誌などで、『これも演劇？』と感じていただけるような新しい出会いの場をつくって活動をつづけていくつもりです」と意気込みを語っている。

松井周コメント

サンプルは今年十周年です。
それを踏まえて、6月の本公演を節目に劇団活動を休止し、これからは松井周個人のユニットに「変態」します。
これは所属する俳優たちも含めて、それぞれが「変態」していくための区切りと考えています。
サンプルはこれまでの「劇団」としての枠を超えて、松井周を基点とする創作の「環境」全般にかかわる活動として生まれ変わります。

・「妄想（＝物語）」と直結した「遊び場」づくり
・「地域」と密接した作品づくり
・フィクションを体現する「身体」づくり

今までサンプルに関わってくれた人たちと培ってきたこの三つの方向を柱として、これまでに関わってくれた方たちとはもちろんのこと、これまでにないような新しい出会いも求めます。プロフェッショナルとかアマチュアとかにこだわらず、同じ平面の上で、その「間（あいだ）」にある表現ができたら、それが一番サンプルらしいのではないでしょうか。

公演、ワークショップ、イベント、雑誌などで、「これも演劇？」と感じていただけるような新しい出会いの場をつくって活動をつづけていくつもりです。

というわけで、6月の本公演は「劇団」としての最後の公演になりますが、テーマは「宗教」です。宗教団体の始まりと終焉がサンプルという「劇団」の終焉であり、さらに始まりであることをなんとか表現できればなあと考えています。
どうぞご期待くださいませ。