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「エリザベート」ガラコン、小池修一郎「より円熟した新発見のあるものに」

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「エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート」制作発表記者会見フォトセッションの様子。左から凪七瑠海、白羽ゆり、水夏希、彩輝なお、麻路さき、一路真輝、姿月あさと、春野寿美礼、大鳥れい、龍真咲。

「エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート」制作発表記者会見フォトセッションの様子。左から凪七瑠海、白羽ゆり、水夏希、彩輝なお、麻路さき、一路真輝、姿月あさと、春野寿美礼、大鳥れい、龍真咲。

「エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート」の制作発表記者会見が、昨日11月4日に都内で行われた。

このコンサートは、ミュージカル「エリザベート」が、宝塚歌劇団による日本初演から20年を迎えたことを記念して行われるもの。会見には、構成・演出・訳詞を手がける小池修一郎、演出の中村一徳、出演者の一路真輝麻路さき姿月あさと彩輝なお春野寿美礼水夏希大鳥れい白羽ゆり龍真咲、宝塚歌劇団専科の凪七瑠海が登壇した。

会見ではまず、1996年に初演された雪組公演から2016年の宙組公演までを振り返る10分強の映像が流れた。小池は映像を観て「それぞれの青春といいますか、宝塚歌劇団での男役、娘役の人生全てを燃焼させて、皆さんが『エリザベート』という作品に取り組んでくださったんだな、ということが伝わってきました」としみじみ。「皆さんの“一生懸命”が積み重なって20年を迎えられたと改めて思いました」と居並ぶOGらに感謝の意を述べる。さらに「それぞれの退団後の人生経験を加えて、厚みのある『エリザベート』を作っていけたらと思います。より円熟味を増した、新しい発見のあるコンサートになれば」と、期待を込めた。

続けて小池からマイクを受け取った中村は、初演で演出助手を務め、1996年の星組での再演、1998年の宙組での再々演、2002年の花組公演に参加した経歴を持つ。「10月の中ごろから稽古がすでに始まっております。トートにエリザベートはもちろんですが、アンサンブルまで非常に魅力的なメンバーが揃っておりますのでご期待ください」と稽古の充実ぶりをうかがわせた。

1996年の初演でトート役を演じた一路は、当時の会見を振り返り「トートの扮装をして皆様の前に出て参りましたときに『宝塚の男役トップスターが死神をやるのか』という恐ろしいほどの殺気を感じたんです。そこで小池先生も私も『何としてもいいものを作らなければ!』という思いが芽生えたような気がします」と語る。さらに当時は「“死”という概念の表現に戸惑いました」と言い、「歌詞にある『青い血が流れている』からインスピレーションを得て、冷たい氷のようなトート像を作っていきました」と語った。

一路に続き2代目トートを演じたのは、当時星組のトップスターだった麻路。「やるのが本当にイヤでして、若気の至りで小池先生に『やりたくありません』とお断りした経験があります(笑)。(一路率いる)雪組バージョンが素晴らしかったので、これを自分がやるプレッシャーに耐えられないと思ったんですね」と苦笑する。今回のコンサートでは「上演回数こそ少ないですが、昔のメンバーで舞台に立つ“星組バージョン”の機会を与えていただきました。今では大好きになったトートをがんばって演じます」と意欲を見せた。

「昨日衣装合わせがあったのですが、当時の衣装がそのまま残っていて。歴史のある素晴らしい作品に巡りあえたことを改めて光栄に感じました」と述べたのは、1998年の宙組公演で3代目トートに扮した姿月。楽曲について「クラシックの中にロックのテイストが入り込んでいて、楽譜を読みこむほどに難しさが増していったことをよく覚えています。それを紐解く楽しさと大変さもありましたけどね」と笑顔で語った。

2002年の花組公演で4代目トートを務めたのは、春野。「雪組の初演から6年が経っておりまして、人気と知名度が上がってきた中でトートを演じるのは本当に大変なことでした。先輩方の作品を観て描いた理想のイメージにとらわれてしまって、自分の本当の気持ちが出せなかったので苦労して……」と当時を思い出しつつ、「先輩、先生方が苦労して作られた土台を大切にしながら、今、自分が表現できることを歌に注ぎ込んでお伝えできたらと思っています」と率直な思いを語った。

彩輝は自身の退団公演で、5代目トートを演じた。「トートは向き合うと自分を思い知らされる、成長しているかどうかを肌で感じさせてもらえるような役でした」と振り返り、コンサートへの意気込みを「1人の役者として、宝塚と『エリザベート』を愛する者として、新たな気持ちで役に向き合い掘り下げ、大切に演じたいと思います」と述べた。

水は、2007年に自身の雪組トップスターお披露目公演で6代目トートを演じた際に、白羽や彩吹と3人でウィーンを訪れたエピソードを語り、今回のコンサートについては「退団後に女性に戻って“性転換”した6年間を費やし、命がけでトートを演じたいと思います!」と話して、記者たちの笑いを誘った。

また、2002年に春野の相手役としてエリザベートを演じた大鳥が「気力、体力、全てが充実しているときにこの役をさせていただいたので、楽しくて仕方ありませんでした」と当時を懐かしむと、2007年に水の相手役としてエリザベートを演じた白羽も、「(当時は)彼女の野性的な部分を出せたらと意識して演じていましたが、今回は年を重ねた分、深みや重みを出していけたら」と新たな目標を語った。

2009年の月組公演でルイジ・ルキーニ役を演じた龍は、大阪で初のエリザベート役に挑戦。「麻路さんの大きな愛と包容力と、彩輝さんの繊細な愛と妖艶な胸を借りて、波乱万丈なエリザベートの人生を歩んで参りたいと思います」と意気込んだ。

さらに2009年の月組公演でエリザベート役を演じた専科の凪七は、「この役で精神面がかなり鍛えられました。今回はもっと彼女の内面に迫って演じたいと思います」と新たな目標を掲げた。

なお公演には3バージョンあり、1996年の初演メンバーが集結する「モニュメントバージョン」、当時演じた役の衣装を身にまとって舞台を振り返る「フルコスチュームバージョン」、そして歴代キャストがさまざまな組み合わせで名曲を歌う「アニヴァーサリーバージョン」が用意されている。コンサートは12月9日から18日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、2017年1月8日から20日まで東京・Bunkamura オーチャードホールにて開催される。

「エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート」

2016年12月9日(金)~18日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

2017年1月8日(日)~20日(金)
東京都 Bunkamura オーチャードホール

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナルプロダクション:ウィーン劇場協会
構成・演出・訳詞:小池修一郎
演出:中村一徳
出演:一路真輝麻路さき、高嶺ふぶき、稔幸、香寿たつき / えまおゆう、姿月あさと、白城あやか(東京公演のみ)、湖月わたる、月影瞳 / 彩輝なお花總まり安蘭けい春野寿美礼朝海ひかる / 大空祐飛(東京公演のみ)、瀬奈じゅん(東京公演のみ)、水夏希大鳥れい / 霧矢大夢(大阪公演のみ)、紫城るい白羽ゆり凰稀かなめ(東京公演のみ)、龍真咲
特別出演:轟悠(東京公演のみ / 大阪公演はビデオ出演)、京三紗、飛鳥裕、五峰亜季、美穂圭子、凪七瑠海(東京公演のみ)
ほか

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