libido:主宰の岩澤哲野、清水邦夫の「署名人」で真の“自由”問う

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libido:が、「署名人」を10月6日から10日まで東京のプロト・シアターにて上演する。

libido:「署名人」チラシ

libido:「署名人」チラシ

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libido:は、演出家の岩澤哲野によって2012年に旗揚げされた演劇企画制作団体。これまでにオリジナル作品のほか、別役実の「象」や岸田國士の「紙風船」なども手がけている。また、岩澤はKUNIO・杉原邦生、東京デスロック・多田淳之介の演出助手を務めたこともある。

今回は清水邦夫の戯曲「署名人」を上演。国事犯官房で同室になった、民権運動に身を捧げる憂国の志士2人と、“署名人”の男を軸にした物語だ。上演にあたり岩澤は、「もしかすると今の我々は幻想の自由を見ていないだろうか。無責任に自己の為の自由を求めてはいないだろうか。犠牲を無視し、他者を殺してはいないだろうか」と指摘しつつ、「『署名人』において唯一の”犠牲”の目撃者である獄吏に我々を重ね、『自由』を再提出してみようと思う」と意気込む。

なお、6日は杉原、7日は多田、9日は木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一がアフタートークにゲスト出演する。

岩澤哲野 コメント

新入社員3年目の離職率が3割にのぼるという。そんなニュースを見てふと「自由」について考えた。
何かを辞めようが、諦めようが、それが簡単な今日。 選択肢(可能性)があらゆるところに溢れているのだろう。また、一人で生きることの弊害も確実に無くなってきているのかもしれない。それぐらいにこの国は自由を手に入れたd。
しかし我々はさらに自由を求める。より細部に至る自由を求めて。より良い何かを求めて。
では、今日の我々に自由は何を与えてくれるのだろう。幸福なのか。安心なのか。はたまた孤独か。そしてこの先、自由はどこに行くのだろう。その先には自己中心的で排他的な世の中が見え隠れする気もする。
人々は何かに縛られているから、何かの負荷を共にしているから自由を欲することができる。それは生きる糧にもなる。自由を求め続ける環境自体はとても豊かなものだと思う。
しかし、もしかすると今の我々は幻想の自由を見ていないだろうか。無責任に自己の為の自由を求めてはいないだろうか。犠牲を無視し、他者を殺してはいないだろうか。
『署名人』において唯一の”犠牲”の目撃者である獄吏に我々を重ね、「自由」を再提出してみようと思う。

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libido:「署名人」

2016年10月6日(木)~10日(月・祝)
東京都 プロト・シアター

作:清水邦夫
演出:岩澤哲野
出演:コウダケンタロヲ、永瀬泰生、松尾祐樹、むらさきしゅう

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※初出時、団体名の表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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