ステージナタリー

唐×蜷川「ビニールの城」初日に向けて、森田剛「覚悟はできてます」

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「ビニールの城」ゲネプロより。

「ビニールの城」ゲネプロより。

「ビニールの城」が、本日8月6日に東京・Bunkamura シアターコクーンにて開幕する。

同劇場の芸術監督・蜷川幸雄が当初演出する予定だった本作。5月に逝去したことに伴い、出演もする金守珍が演出を手がける「芸術監督 蜷川幸雄・追悼公演」として上演される。80年代に、劇団第七病棟へ唐十郎が書き下ろした戯曲は、生身の人間と関わらず人形しか愛せない腹話術師・朝顔(森田剛)と、かつて彼の暮らすアパートの隣室に住んでいたと話す女・モモ(宮沢りえ)、そしてモモへの無償の愛故に腹話術の人形・夕顔に自身を投影させていく男・夕一(荒川良々)が描かれる。

初日を前に、ゲネプロが公開された。舞台は多数の人形が保管されている倉庫のシーンからスタート。怪しく光るネオンサインや激しいBGMが、観客を唐の戯曲の世界に誘っていく。下手には水を湛えた空間があり、キャストが足を入れるたびにさまざまな演出効果を引き出す。

金は初日に向け、「人生の両師匠・蜷川さんと唐さんに、『どうですか?』と胸を張れる仕上がりになったと思う」と自信を覗かせる。森田も「僕らは自信を持ってこの作品をお届けする覚悟はできています」と力強くコメント。さらに腹話術の指導をいっこく堂に受けていたことを明かした。上演は8月29日まで。

金守珍コメント

私は蜷川さんの元で役者としてスタートし、その後、演出家として唐十郎の作品に取り組み続けてきたが、2010年に蜷川さんに役者として呼んでもらって以来、ここコクーンの舞台に立っている。今回の『ビニールの城』でもキャスティングされていたが、蜷川さんの死によって演出を引き継ぐことになったため、役は降りるつもりだった。ところが宮沢りえさんが、舞台にも立つべきだと背中を押してくれた。じゃあ全体は誰が見るのかと聞くと、「蜷川さんが見てくれている」と。人とつながりたい、愛したいという人間の根源的な希求をロマンチックかつ怖さを秘めて描いている『ビニールの城』は、唐作品の中でも最も美しく切ない芝居だ。蜷川さんならではの絶妙なキャスティングと強力なスタッフの元、レベルの高い稽古環境で思いっきりぶつかることができ、自分がイメージしていた以上の仕上がりとなった。おかげで演劇人生の両師匠・蜷川さんと唐さんに、「どうですか?」と胸を張れる仕上がりになったと思う。初日を迎え、今は観客の皆さんがどう評価してくださるか、ドキドキというよりもワクワクしている。

森田剛コメント

この『ビニールの城』は蜷川さんが携わった最後の作品になりますが、こんなに素敵な出演者、スタッフの方が集結していることは蜷川さんが引き寄せてくれた奇跡だと思っています。稽古を通じて、皆さんの力、思いが大事な作品だと改めて実感しました。より一つになって、初日を迎えたいです。稽古中は、蜷川さんが見守ってくれているのをみんなで感じながら、演出の金守珍さんを信じてついていきました。公演が終わった後に自分と向き合って、蜷川さんへ思いを報告できたらいいなと思っています。今回、人形を介してしか人と向き合えない腹話術師を演じるにあたり、いっこく堂さんに腹話術の指導をしていただきました。短期間の稽古でしたが、僕の出来ることを引き延ばして下さり、お芝居の延長で腹話術が出来る感覚を教えていただきました。唐十郎さんの作品はセリフが力強く、なぜだかわからないけど感動してしまう言葉が多いです。なかなかこのような作品に出会えることはないと思います。皆さん色々な視点で観劇されると思いますが、僕らは自信を持ってこの作品をお届けする覚悟はできています。素敵な言葉たちをぜひ感じて下さい。

宮沢りえコメント

大好きな蜷川さんからそっと、手渡されたモノを、ギュッと握りしめたまま、森田さんを始め魅力的な共演者と、最高のスタッフと、密度の高いお稽古を重ねました。掌の中にあるのはやっぱり、志高く作品を創るという、魂でした。劇場に観に来てくださった方に、そして、どこかで見守ってくれてる蜷川さんに、その魂を思いっ切り、届けたい。それだけです。

荒川良々コメント

初日に向けて

一生懸命やります!

唐戯曲への初挑戦について

戯曲で読んでる時はわからなかった事が稽古を重ねていくうちに台詞が身体に沁みてきます。

「ビニールの城」の魅力

観劇してくれる人が決めて下さい。

「ビニールの城」

2016年8月6日(土)~29日(月)
東京都 Bunkamura シアターコクーン

作:唐十郎
演出:金守珍
監修:蜷川幸雄
出演:森田剛宮沢りえ荒川良々 / 江口のりこ大石継太鳥山昌克柳憂怜石井愃一、金守珍、六平直政 ほか

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