花組芝居が坪内逍遥「桐一葉」を“ネオかぶき”に、全7段通し上演

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花組芝居が「桐一葉(きりひとは)」を、9月30日から10月10日まで、東京・あうるすぽっとにて上演する。

花組芝居「桐一葉(きりひとは)」チラシ表(宣伝美術:梅本恭子)

花組芝居「桐一葉(きりひとは)」チラシ表(宣伝美術:梅本恭子)

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“ネオかぶき”スタイルで活動する花組芝居が、坪内逍遥による歌舞伎「桐一葉」の全7段通し上演に挑戦。本作では関ヶ原の戦い後の大坂城を舞台に、徳川との交渉役を勤める豊臣の家臣・片桐且元と、且元の暗殺を企てる武将たちの姿が描かれる。脚本・演出を務める加納幸和が豊臣秀吉の側室・淀君役を演じ、片桐且元役を原川浩明が担当。

加納幸和コメント

国を挙げての文明開化で、荒唐無稽無知蒙昧な江戸以来の歌舞伎劇を否定し、内容と演出を史実に即して知識階級好みに仕立て上げた新時代劇が、明治期の「活歴(かつれき)劇」であった。それを「外形ばかり上品で情味に乏しい空疎な劇」と断罪し、「在来の丸本物や、無学と嘲られている(河竹黙阿弥などの)狂言作者の方が遥かにまし」と、江戸期の歌舞伎を改めて賛美した坪内逍遥が、「(その実践として)自分で作しようと企てた」最初が「桐一葉(きりひとは)」である。歌舞伎座が新装成って2年半、その間、新しい客層動員目的に、以前に増して軽くカジュアル化した「新作歌舞伎」の数々は、濃厚な古典歌舞伎との落差が甚だしい。同じエンタテイメントでも、古来の歌舞伎味を含んだ逍遥の「新歌舞伎」を、野卑で懐かしき江戸歌舞伎の「風(ふう)」を加え、花組芝居ならではの庶民的なネオかぶき劇に仕立て直す試みである。また、逍遥が早稲田文学で最初に発表した「全七段」の全貌を上演するのも、約50年振り(部分上演でも24年振り)である。

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花組芝居「桐一葉(きりひとは)」

2016年9月30日(金)~10月10日(月・祝)
東京都 あうるすぽっと

作:坪内逍遙
脚本・演出:加納幸和
出演:加納幸和、原川浩明山下禎啓、桂憲一、八代進一大井靖彦北沢洋横道毅秋葉陽司松原綾央磯村智彦、小林大介、美斉津恵友谷山知宏丸川敬之二瓶拓也押田健史、三上竜

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