2月14日に、東京・四季劇場[秋]にて初日を迎える
1月中旬に来日し稽古に参加している演出のジョーイ・マクニーリーは報道陣を前に、とてもいいペースで稽古が進んでいること、これまでの「ウェストサイド物語」と大きな変化はないが今回は若々しいエナジーを注入するつもりであることなどをまず笑顔で説明。そのあと約1時間にわたって、「プロローグ」や「マリア」「トゥナイト」など代表的なナンバーが披露された。
ジェット団、シャーク団の対立シーンでは、男性ダンサーたちがメリハリある動きを激しく繰り広げ、稽古場に白熱した空気が流れる。バレエを基調としたシャープな動きも、幾重にも重なると強いエネルギーを生み出し、強いぶつかり合いを見せた。
ダンスシーンとは一転、トニーとマリアのデュエットが見せ場の「トゥナイト」では、一瞬にして恋に落ちる2人の心の変化が、徐々に艶やかさを増していく歌声によって魅力的に表現される。そのシーンが終わるとマクニーリーがすっくと立ち上がり、「とてもよかった! (マスコミの)皆さんが来てくれたおかげで、2人が今日、やっとキスしてくれました!」と叫び、稽古場に笑いが起こった。
公開稽古の後、マクニーリーと、リフ役候補の松島勇気、ベルナルド役候補の萩原隆匡が取材会に出席して質疑応答が行われた。まず記者からマクニーリーに「今回は劇団四季の要請で新演出に臨まれたそうですが、マクニーリーさんご自身も新演出の必要性を感じていましたか」と質問がぶつけられると、マクニーリーは「私は常に新しい演出を求めています。『ウェストサイド物語』はある意味、時代遅れの作品になってきているのではないかと思っていたので、今回四季から新演出でというオファーがあったのはうれしかったです」と回答。「ただ、新演出だからといって作品自体を変えるわけではなく、例えば暴力シーンを激しくしたり、登場人物たちの関係性をより感情的に描き出したりという微調整を重ねているのです」と説明し、「でもそういった演出の違いは、キャストのお2人のほうがよくわかっていると思いますよ」と2人に話を振った。
すると松島は「そうですね。心の動きによってステージングも変化するのが難しいです」、萩原も「確かにとても難しい」と重ねつつ、「でもそれをどうやって表現すればいいかを演じてみせてくれるジョーイさんの姿に、みんな感動してしまって。その思いに応えたいと思っています」と答えると、松島が「そうそうジョーイさんは体全部を使って導いてくれるんですよ。あまりにそれが素晴らしいので、もうお1人で『ウェストサイド物語』ができるんじゃないかと思ってしまうくらい」と続けて、記者から笑いが起こった。
さらに本作の魅力を改めて問われるとマクニーリーは、「オリジナル版のジェローム・ロビンスの振付が古びないのは、日常的な動作とバレエの動き、動きと登場人物の感情が結びついていて、しかもバレエのテクニックとスタミナがないと踊れないものだから。2007年に四季で本作を振付した際は、そんなジェロームの振付を私は忠実に見直す役割でしたが、今回はこれまでの演出を生かしつつ、フレッシュさも取り入れていきたいと思っています」と力強く答えた。
劇団四季 ミュージカル「ウェストサイド物語」東京公演
2016年2月14日(日)~5月8日(日)
東京都 四季劇場[秋]
オリジナルプロダクション
演出・振付:ジェローム・ロビンス
音楽:レナード・バーンスタイン
作詞:スティーヴン・ソンドハイム
台本:アーサー・ロレンツ
日本プロダクション
演出:ジョーイ・マクニーリー(ジェローム・ロビンスによるオリジナルの振付の再現)
装置:土屋茂昭
照明:赤崎浩二
リンク
- 『ウェストサイド物語』作品紹介|劇団四季
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今週もやっぱり禁断症状 @kindan_J
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