シンプルイズベストの果てしない企画

──お笑いナタリーの「ブギウギ専務」特集に大地さんが登場するのは今回が初めてです。この機会にたっぷりお話を聞かせていただければと思います。

ダイノジ大地　でも僕、ちょいちょい旅の途中で抜けてますけど（笑）。

──大地さんはスケジュールの都合で合流と離脱を繰り返されましたもんね。そもそもこの「ブギウギ奥の細道」について最初に聞いたときは、どうお感じになりましたか？

大地　正直「バカなんじゃないの？ 何言ってるの？」と思いました（笑）。いろいろな企画をこれまで芸人としてやってきましたけど、ただ歩く、っていうシンプルイズベストな企画はなかなかないです。「いつゴールするのか」と果てしなく思えました。スタートの頃は季節も秋で、スタッフさんとキャッキャ言いながら散歩感覚でやっててよかったんですけどね。

上杉周大　大地さんが「ブギウギ専務」に係長として登場して、半年後くらいにこの企画が始まったんですよ。ブギウギ専務ってどの企画も根底はシンプル、というのがあったんですけど、その中でも一番無茶した企画だったなと。

大地　あと「奥の細道」なので、よく俳句を詠みました。俳句の技術がどのくらい上がるのかなと思ったら、全然変わらない（笑）。詠んだ俳句覚えてないもん。

上杉　途中からダジャレに行ったりしましたね。

岸ディレクターへの不信感とチームワーク

──お2人と過酷な旅をともにするのがSTVの岸ディレクターです。大地さんから見た岸さんの印象は？

大地　僕、岸さんへの不信感が未だに拭えなくて、あの人のこと「鬼の子」って呼んでます（笑）。みんなで宿に泊まるときも、なぜいつも合宿みたいに3人部屋なんだ！と。

上杉　日中は歩いてるから、楽しみと言えば部屋での飲み会なんです。岸さんはものすごくお酒に強くて、大地さんも好きで、僕は好きなんですけどあんまり強くない。そこである日、大地さんと結託して、岸さんに「早めに寝ましょう」って言おうとしたこともありましたね。

大地　あったあった。

上杉　でも大地さんは、いざ飲み始めると楽しくなっちゃうから、「そろそろ寝ましょうか」って言っても「うるせえ！」って結局断られて（笑）。だから毎回、朝は顔パンパンなんです。

大地　次の日も歩くって言ってるのに、カメラの前でみんな顔がむくんでる（笑）。ただ、そうやって酒飲みながらバカ話をするのが、旅に活きたりもするんです。演者とスタッフを含めたチームワーク、一体感はありましたね。