お笑いナタリー PowerPush - ナタリー×「龍三と七人の子分たち」

ジジいいね! 龍三と七人の応援団

大久保佳代子 編

たけしさんからお声がかかれば、若干の濡れ場とかもやります

──この映画に出てくるジジイは、女性から見て男としてのカッコよさを感じますか?

左から、ジジイたちと敵対するグループの西(安田顕)、徳永(下條アトム)、北条(矢島健一)。

義理と人情の人たちなのかもしれないですけど、奥底でつながっている感じとか男気とかは潔いしカッコいいですよね。大事なものは崩さないぞっていう。もちろんそうやって描いているんでしょうけど、敵対するグループは表面的な悪知恵ばっかりで、つながりが見えなくてカッコ悪い。対比して見たときに、やっぱり今の若者がオレオレ詐欺みたいな悪さをしてるのはカッコ悪いなって。

──ほかに北野映画の特徴が出ていると感じられた場面があったら教えてください。

観ていてちょっとうらやましかったのが、ちょいちょい出てくる女の人が、いい感じにリアルにブスなところ。私、知り合いなんですけど、池谷のぶえさんを起用するところとか面白いですよね。たけしさんの映画に出てくる女の人って、妙にリアルで生々しいんです。

──大久保さんにぴったりですよね。

大久保佳代子

そうなんです。ちょっとバラエティを一緒にやりすぎていて、そういう人は使わないのかな。ちょい役でもいいから出してほしいですよ。自分で言うのもなんですけど、私も哀愁的なものはたるんできた背中から出ているんじゃないかと。中年のおばさんみたいな役で使ってくれないかなって。たけしさんからお声がかかれば、若干の濡れ場とかもやりますし(笑)。ファンクラブにも入っていたのでね。

──こうしてインタビューが掲載されれば、いつかご本人様の耳にも届くかもしれませんよ。

いや、届かなくていいです。大丈夫です。今、バラエティでちょっとだけ会えるくらいがいいんです。

ジジイ狙いでいこうぜ!

──初めてバラエティでたけしさんとお会いしたときのことを覚えていますか?

大久保佳代子

「(たけしの健康エンターテインメント!みんなの)家庭の医学」だったと思うんですけど、初めて一緒になったとき、「おはようございます」って挨拶しても、目を合わせない感じで、「おう」って横を通り過ぎていったんです。「うわー! 動いてる! 生で! 本当にいるんだ!」っていう感動から、収録が2時間くらいあるんですけど、1回だけ「でもおねえちゃんはさ」って言ってくれて。名前を覚えてもらってもいないの。「おねえちゃんって言った!」と思って。もうだから舞い上がっちゃって。いつも収録中は「このコメントを言わなきゃ」みたいにグルグル考えてるんですけど、もうそっち方向に。「あっ、おねえちゃんって私のことを言った! 今2秒だけ私のことだけ考えてた!」って。本当に感動しましたね。でもね、不思議なもので、そういうのは3、4回で慣れるんですよ(笑)。

──楽屋裏での思い出話などがあったら教えてほしいです。

楽屋裏とかはないですね。収録以外ではほぼしゃべったことがないですし。ただ、若い頃からガダルカナル・タカさんと仲良くさせてもらっていて、1年に1回くらいは飲み会をセッティングして、たけしさんの裏事情を聞くっていうことはやってますけど(笑)。そうそう、私、オフィス北野の手帳を使ってるんですよ。たぶんかれこれ5年くらい。あるルートから入手してるんですけど、その手帳を使い出したらテレビの本数が増えてきたので、勝手なジンクスもあって。私がどれだけ好きで、事故のときも泣いたりとかね、復帰したとき「スーパーJOCKEY」をどんな気持ちで観ていたかっていうのを、たけしさんに伝えるべきか、伝えないほうがいいのか……いや、伝えないし伝わらないほうがいいですかね。

──最後に、同世代の女性にこの映画をオススメするとしたら、どんなところをオススメしたいですか?

左から神風のヤス(小野寺昭)、五寸釘のヒデ(伊藤幸純)、ステッキのイチゾウ(樋浦勉)、若頭のマサ(近藤正臣)、龍三親分、はばかりのモキチ、カミソリのタカ(吉澤健)、早撃ちのマック(品川徹)。

同世代の女性に伝えたいのは、「ジジイってカッコいいよ」ということです。ジジイ狙いでいこうぜっていう。藤竜也さんは口説いてきたらもう全然ウェルカムですよ。小野寺(昭)さんとか、実際若々しいですし。下の世代が考えてることはわからないけど、ジジイはカッコいいし、かわいいし、男気がある。そういうジジイでも観に行く?って誘い合って観に行ってもらいたいですね。

「龍三と七人の子分たち」 2015年4月25日 全国公開

「龍三と七人の子分たち」

70歳の高橋龍三(藤竜也)は、「鬼の龍三」と呼ばれおそれられていた元ヤクザの組長。ある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族で構成される「京浜連合」と因縁めいた関係になる。詐欺や悪徳商法を繰り返す「京浜連合」にお灸を据えるため、博打好きの兄弟分「若頭のマサ」(近藤正臣)や寸借詐欺で生活する「はばかりのモキチ」(中尾彬)、戦争に行ったこともないのに今でも軍服に身を包む「神風のヤス」(小野寺昭)、ほかにも「早撃ちのマック」「ステッキのイチゾウ」「五寸釘のヒデ」「カミソリのタカ」という異名を持つ仲間たちと「一龍会」を結成。次々に「京浜連合」の活動を妨害していくが……。

スタッフ

監督・脚本・編集:北野武
音楽:鈴木慶一

キャスト

龍三親分:藤竜也
若頭のマサ:近藤正臣
はばかりのモキチ:中尾彬
神風のヤス:小野寺昭
早撃ちのマック:品川徹
ステッキのイチゾウ:樋浦勉
五寸釘のヒデ:伊藤幸純
カミソリのタカ:吉澤健
京浜連合ボス・西:安田顕
京浜連合・北条:矢島健一
京浜連合・徳永:下條アトム
龍三の息子・龍平:勝村政信
キャバクラのママ:萬田久子
マル暴の刑事・村上:ビートたけし

毎週更新!カウントダウン・インタビュー

「龍三と七人の子分たち」オフィシャルサイトにて掲載中
芸人 松村邦洋
モデル 今井華
タレント 武井壮
ナタリー×「龍三と七人の子分たち」
EXILE / 三代目 J Soul Brothers NAOTO
芸人 大久保佳代子
マンガ家 清野とおる
Dream / E-girls Aya
監督 北野武
大久保佳代子(オオクボカヨコ)

1971年5月12日、愛知県生まれ。92年、大学在学中に幼馴染の光浦靖子とお笑いコンビ、オアシズを結成し、同年にテレビデビュー。「めちゃ×2 イケてるッ!」や「ロンドンハーツ」などで見せた明け透けなキャラクターが注目を集めた。現在は「めちゃ×2 イケてるッ!」「白熱ライブ ビビット」「旅ずきんちゃん」「ゴゴスマ」「ゴチャ・まぜっ天国!」など、多くのレギュラー番組に出演中。バラエティ番組以外でも、テレビドラマ、舞台、執筆など幅広く活動している。2014年には、借金をしている女性限定のアイドルグループ、ザ・マーガリンズのゼネラルマネージャーに就任した。4月26日に同グループの2ndライブ「借金は“LIVE”で返せ 大久保佳代子と歌謡祭」への出演を予定している。


2015年4月21日更新