「ドキュメンタル」シーズン5 ケンドーコバヤシ×ハリウッドザコシショウ|2丁目劇場時代から続く“昏睡状態で見てる夢”の中

ついに配信開始された、ファン待望の「ドキュメンタル」シーズン5。“助っ人”を1人呼べるという新ルールが加わり、これまでとは違った展開にも期待が高まる。今回の参加者は千原ジュニア、ケンドーコバヤシ、ハリウッドザコシショウ、陣内智則、たむらけんじ、サバンナ高橋、ロバート秋山、かまいたち山内、狩野英孝、ジミー大西の10名。お笑いナタリーでは同期で盟友、ケンコバとザコシにインタビューを実施し、「心斎橋筋2丁目劇場の楽屋」とも表現された親しいメンバーでのバトルがどんなものだったか聞いた。“ドキュメンタルの原型”を生んだという、2丁目劇場時代のエピソードもたっぷりと語られている。

取材・文 / 狩野有理 撮影 / 佐藤友昭

ケンドーコバヤシ×ハリウッドザコシショウ「ドキュメンタル」を語る

松本さん、わかってねえな

──盟友として知られるお二人が「ドキュメンタル」という場で戦っているのはお笑いファンとしてすごくワクワクします。

ハリウッドザコシショウ そう言ってもらえてうれしいですね。なあ?

ケンドーコバヤシ いや全然。

ザコシ なんでだよ! うれしいだろ。

ケンコバ ウジ虫と言っても過言ではないお前ごときと俺みたいなきれいな蝶、ビューティーパピヨンを一緒にされたら困ります。

ザコシ まあまあ、お前のほうがきれいっていうのはわかるけどな(笑)。

左からケンドーコバヤシ、ハリウッドザコシショウ。

──「ドキュメンタル」シーズン5収録当日、あの部屋に入ってお互いの出演を知ったわけですが、驚きはありましたか?

ザコシ いや、「やっぱりかい」っていう気持ちもありました。招待状をもらったときに、なんかバヤシが来るんじゃないかとうすうす感じていたんです。で、蓋開けたらやっぱりバヤシが横にいたので「松本さん、わかってるな」と思いましたね。

ケンコバ 僕はまったく逆です。「松本さん、わかってねえな」と。こんな奴、呼ぶ必要ないんですよ。

ザコシ なんでだよ、がんばってただろ!

──(笑)。ザコシさんは初参戦でしたが、どんな戦略を立てていましたか?

ザコシ 僕は攻めないと本当にウジ虫になってしまうので、最初から攻めていこうとは思っていました。過去シーズンを観ていると、なかなかタイミングが噛み合わなくて攻撃できない場面があるじゃないですか。でも僕の芸風だといつでも突っ込めるので、企画とマッチしていたかなと思います。

──過去作も観ていらっしゃるんですね。準備というか、勉強として?

ザコシ いやいや、単純に好きな番組だから観てるんです。

ケンコバ 違います違います、勉強です。お前は“ミスタースタディ”、もとい“お笑いスチューデント”や。

ザコシ てめえだよそれは! お前こそ下調べしてきてるやろ。

ケンコバ 下調べなんかしたことないよ。

ザコシ いや、そういう芸風のくせに陰でやってるね。ズブの素人が何かやれって言われて、普通できるわけないじゃないですか。でもこの人は養成所のときからなんにでも対応できたんです。全部、下調べのたまものですわ。

ケンコバ そんなことはない。俺は生まれたときからそうやった。

ザコシ あはははは!(笑) はいはい、 言わせときますよ。

左からケンドーコバヤシ、ハリウッドザコシショウ。

シーズン5は「友達すぎた」

──冒頭「(心斎橋筋)2丁目劇場の楽屋やん」とおっしゃっている方もいたように、ケンコバさん、ザコシさん以外も気心知れたメンバーでした。中でも「うわっ」と思った人はいますか?

ザコシ 特にいなかったですけど、こいつがいたら嫌だなって思っていた芸人はいます。いなくて助かりました。

──誰でしょうか。

ザコシ (中川家)礼二です。いたら絶対速攻で負けます。昔よく僕んちで、バヤシと礼二と3人で大御所のビデオを観ながらその大御所のモノマネとかしていたんですよ。たぶんそういうのをやられたらすぐ笑っちゃいます。

ケンコバ キャラとかモノマネもそうやけど、礼二の太ももを顔に当てられるのが一番笑いますね。

ザコシ あはははは!(笑) 確かに。

──なぜですか?

ケンコバ 当時、礼二の太ももって、なんか知らないですけど42℃くらいあったんですよ。

ザコシ 常に熱いんです。ストーブかっていうくらい。

左からケンドーコバヤシ、ハリウッドザコシショウ。

──ケンコバさんはシーズン5の参加者の中で強敵だと感じる相手がいましたか?

ケンコバ 強敵ではないんですけど、「ドキュメンタル」は知らない仲じゃないけど普段あまり会わない、っていうメンツとやりたいんですよ。でも今回は特に友達すぎた。それもあって、用意してきたものを4つくらい出さなかったんです。こういう近しいメンツでやる芸ではないな、と。

──知っている仲だからこそ逆にやりにくかった。

ケンドーコバヤシ

ケンコバ それでも勝負は勝負なんですけどね。

ザコシ 僕もあれだけやってまだ出せてないものがありますから。収録前日に小道具をボストンバッグに詰めていたんですけど……。

ケンコバ お、さすがはミスタースタディやな。前日からボストンバッグがパンパンになるまで小道具準備してやがる。

──あはははは(笑)。

ザコシ ……小道具なしで行きましたからね、私は!

ケンコバ 配信見たらバレるやろ。どう説明つけんねん(笑)。

ザコシ 全部行く途中に拾ったの(笑)。いやいや、でも本当に、小道具を詰めてると「これで足りるのかな」って不安になってくるんですよ。だから持っていけるだけ持っていきました。

ケンコバ 本音を言うと何も持っていきたくないんですよ。

ハリウッドザコシショウ

ザコシ でも持ってきていいって言われているのに持っていかないのは不利でしょ?

ケンコバ 用意した道具の数だけ臆病だってことです。つまり、こいつがもっとも臆病だった。

ザコシ いちいちうるさいんだよ!(笑)

──シーズン1で、FUJIWARA藤本さんがボンドの入った巾着袋1つだけ持ってきていたのが印象的でした。

ザコシ いやでもね、藤本さんはツッコミでしょ? ボケの僕らが用意してきたものにツッコむから、用意はいらないんです。こっちが何もない状態だったらあっちだって商売上がったりですよ。だからボケがたくさん用意していかないといけないんです。臆病ではない! ただ、実際やってみると持ってきたものをバーンとボケとして出すっていうより、その場で起こったことに乗っかるほうがウケるんだなとは思いました。考えてきたものを超えたときに本当の面白さが生まれるんでしょうね。

ケンコバ 確かに、持ってきたもんだけではケリを付けられない。もちろん起点にはなるけど、そっからどう流れていくかやな。

ザコシの家で生まれた「ドキュメンタル」の原型

──観るのとやるのとでは全然違ったと思うんですが、ザコシさんの初参戦のご感想は?

ザコシ 笑いがないまま心折れずにやるっていう状況はけっこう慣れてるんですけど、さすがにここまでだと本当にスベってるんじゃないかっていう気持ちになりました。

ケンコバ お前は6時間どころか、もっと長い期間ウケてなかったやろ。

ザコシ そうね(笑)。「R-1ぐらんぷり」獲ってからもけっこうスベってるから。慣れたもんですわ。

左からケンドーコバヤシ、ハリウッドザコシショウ。

──笑い声がない中やるのは難しかったですか。

ザコシ でも楽しかったです、すげえ。もっと続けばいいなって思いました。

──6時間じゃ足りない?

ザコシ 24時間でもやったりますよ。バヤシはどう?

ケンコバ 俺は長いなって思ってたわ。めっちゃ疲れる。

ザコシ 疲れるよ。でも昔は24時間、ゲラゲラ笑いながらこんなようなことやってたやん。

ケンコバ そうやなあ。「ドキュメンタル」の原型は2人でやってたかもしれんな。お前の家で。

「ドキュメンタル」シーズン5より、ケンドーコバヤシ。
「ドキュメンタル」シーズン5より、ハリウッドザコシショウ。

──どういうことですか?

ケンコバ 2丁目劇場に出ていた頃、こいつが1時間鳴り続ける目覚まし時計を持っていて。劇場の入り時間が夕方の5時だったので、いつも明け方まで遊んで目覚まし時計を4時にセットして寝ていたんです。で、目覚ましが鳴っても絶対に止めないっていう笑かし合いみたいなことをしていました。

──止めたほうが負け?

ケンコバ そうです。いつも5時ちょうどに笑ってたよな。目覚ましが自動的に止まった瞬間に。

ザコシ アラーム音がうるさいからバヤシの耳元に持っていくんですけど、止めないんですよ。

ケンコバ 目つむったまま目覚まし持って外に出て、もう1回入ってくるとか(笑)。「もう起きてるやん!」っていう。これが「ドキュメンタル」の原型でしょうね。

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招待状を待っていた

Amazon Prime Original作品「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン5

Amazon Prime Original作品「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン5

出演者千原ジュニア / ケンドーコバヤシ / ハリウッドザコシショウ / 陣内智則 / たむらけんじ / サバンナ高橋 / ロバート秋山 / かまいたち山内 / 狩野英孝 / ジミー大西

「ドキュメンタル」シリーズ

出演者シャンプーハットこいで / 東京ダイナマイト・ハチミツ二郎 / バッドボーイズ清人 / 森三中・大島 / ロバート秋山 / とろサーモン久保田 / ニューロマンスおにぎり / スリムクラブ内間 / トレンディエンジェル斎藤 / 板東英二

パイロットシーズン
パイロットシーズン

出演者FUJIWARA藤本 / 宮川大輔 / ジミー大西 / ダイノジ大地 / 野性爆弾くっきー / 東京ダイナマイト・ハチミツ二郎 / とろサーモン久保田 / 天竺鼠・川原 / トレンディエンジェル斎藤 / マテンロウ・アントニー

シーズン1
シーズン1

出演者FUJIWARA藤本 / 宮川大輔 / ジミー大西 / バナナマン日村 / アンジャッシュ児嶋 / バイきんぐ小峠 / 森三中・大島 / ダイアン津田 / 平成ノブシコブシ吉村 / ジャングルポケット斉藤

シーズン2
シーズン2

出演者極楽とんぼ山本 / TKO木下 / ケンドーコバヤシ / 野性爆弾くっきー / フットボールアワー後藤 / サンドウィッチマン伊達 / ロバート秋山 / レイザーラモンRG / オードリー春日 / プラス・マイナス岩橋

シーズン3
シーズン3

出演者雨上がり決死隊・宮迫 / FUJIWARA藤本 / ずん飯尾 / 野性爆弾くっきー / スピードワゴン井戸田 / 千鳥・大悟 / 千鳥ノブ / 森三中・黒沢 / ダイアン西澤 / 安田大サーカス・クロちゃん

シーズン4
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