M-1王者パンクブーブー、「まだ実感沸かない」

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12月20日、「M-1グランプリ2009」の決勝戦が六本木・テレビ朝日内スタジオで行われ、パンクブーブーが優勝、同日記者会見が行われた。

カメラマンから大量のフラッシュを浴びるパンクブーブー。写真左、佐藤哲夫。写真右、黒瀬純。

カメラマンから大量のフラッシュを浴びるパンクブーブー。写真左、佐藤哲夫。写真右、黒瀬純。

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決勝進出記者会見のネタ順抽選で「残り物には福がある」と、ほかのコンビにくじ引きを譲って8番目の出番となったパンクブーブー。準決勝でも会場を沸かせた「アパート」を一巡目のネタにして651点と高得点をマーク、最終決戦では3回戦で見せた「陶芸家への弟子入り」ネタで2006年のチュートリアル以来となるパーフェクトを達成し、見事優勝を勝ち取った。

会見で優勝の感想を聞かれた黒瀬は第一声に「ちょっとまだ実感が沸かない」と、優勝直後にもかかわらず緊張した面持ちでコメント。「これからテレビに出てフリートークですべろうものならこの先はない」と語り、恐怖が先に立っている様子だった。一方、佐藤は「大会前に紳助さんが『吉本芸人はM-1で勝ったらギャラが1.8倍になる』とおっしゃっていたんですけど、僕のギャラが1.8倍になっても食っていけない」と報道陣を笑わせた。会見に立ち会った大会委員長の紳助は「いくらなん?」とすぐさま質問。たじたじになりながらも、佐藤は「たぶん13万くらい……」とリアルな給料事情を明かした。

紳助は総評で「笑い飯が良かったですね。楽屋で友達からのメールを見てたら、笑い飯の“鳥人”のことばかりでした」と語りつつも、パンクブーブーについても「決勝ではダントツでした。体操競技で言えばノーミスですね。ちゃんと着地まで完璧でした」と手放しで絶賛。続けて、「NON STYLEはイマイチでしたわ。テレビにたくさん出るようになって、そっちに比重が行ってた。えらいもんで、M-1だけに1年間かけてきて一生懸命漫才を勉強して来てる人間と練習量が違う。そのぶんの差が出たか。でも、さっき聞いたけど(パンクブーブーは)芸歴が15年やって。15年やったらあれくらいはできるでしょう!」と笑わせた。

また、会見の場で、人気番組「行列のできる法律相談所」(日本テレビ・読売テレビ系)のプロデューサーからパンクブーブーに出演オファーが来た旨を紳助が報告。「(優勝後にバラエティ番組を)2周まわってアカンかったらクビや。M-1チャンピオン8組の中で輝いているのは、ブラックマヨネーズとチュートリアルの2組ですよ」とM-1王者たちの現状を分析しながら、「彼らはM-1のあとに番組に出てフリートークでちゃんとヒットを打ち続けている。頑張ってください」とエールを送った。

M-1グランプリも来年で10年目。紳助は「いいところで終わるのもいいんじゃないですか」と、気になる今後のM-1について語り、最後の質問として優勝賞金の使い道を2人に尋ねた。ところが、パンクブーブーは「母親の借金の返済」(黒瀬)、「全部貯金」(佐藤)とリアルな返答。「大きくならへんな」と紳助もあきれ顔を見せながら、「自分を信じて、金が入ったら自分に投資しないと。バチッと行きいな、根性ないなぁ。俺が23歳で売れたときなんか、ギャラで国債買うたで!」と報道陣を沸かせ、総評を締めくくった。

会見一問一答

──去年の自分たちと何が一番大きく違っていたか?

佐藤哲夫(以下、佐藤):あんまり変わってないです。

黒瀬純(以下、黒瀬):そうですね、まったく同じ答えです。M-1にしっかり向き合おうぜということで、M-1用のスーツと靴を買ったりしましたけど。

──本日を迎えるにあたって先輩やタレントさんから言われたひと言は?

黒瀬:宮川大輔さんから電話がかかってきまして、「言うとくけど、優勝してもお前らモテへんからな!」と言われました(笑)。ほかにも中川家の礼二さんからも「適当にがんばったらええから」と言っていただいたり、品川庄司さん、次長課長の河本さんにも声をかけていただきました。

佐藤:僕らが福岡吉本の頃からかわいがってくれている博多・華丸大吉さんからも朝メールをいただきました。「福岡吉本からM-1決勝に残っただけで凄いことだから、あとはウイニングランだと思ってやってこい」と言われ、ガチガチになっていたのがほぐれて気持ちよく漫才ができました。

──いままでで一番キツかったのは?

黒瀬:営業でいろんなところに行ったんですけど、鮎釣りの祭りで、イカダで川の真ん中まで連れて行かれて川岸に向かって漫才をするっていうのがありました。ネタが終わったら、釣り人たちが一斉にエサを投げ込むっていう(笑)。でも、漫才は基本楽しいんで、つらいなと思ったことはないです。

佐藤:楽しいことでもあり、目標でもあったんですけど、やっぱりM-1が一番苦しかったなと。M-1で初めてガッツリ漫才と向き合ったので、3年目くらいから相方とも本気でケンカするようになりました。

──お互いに声をかけるとしたら?

黒瀬:「これから頑張っていこうよ」っていうのと、「いまから毎日オーディションだね」っていうことですね。

佐藤:一番肝心なところで泣いて欲しかったなと(笑)。DVDになるんだし。ビックリしました。

黒瀬:申し訳ない!テンパりすぎて、意味がわかりませんでした。

──今後出演したい番組は?

佐藤:やりたいことが多すぎて、まとまっていないです(笑)。

黒瀬:まだカメラとか、テレビのシステムすらわからないので。そこはマネージャーと話し合って、僕たちの実力を加味しながら考えていきたいです。

佐藤:楽しくいきたいね。

──フリートークはNON STYLEに比べて自信ある?

黒瀬:そうですねえ………。

佐藤:全然ダメじゃん!完全にフリーズしちゃったよ。

黒瀬:はい、勝てません!

佐藤:これからです、これからです!

黒瀬:成長を見てください! 2年後、3年後を見据えたおつきあいをしてください!

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