「M-1グランプリ2009」大阪準決勝レポート

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ついに大詰めを迎えた「M-1グランプリ2009」。既報のとおり、過去最多の4629組がエントリーした今大会で準決勝に駒を進めることができたのは、わずか68組。昨日12月5日は、なんばグランド花月で大阪準決勝戦が行われ、29組が思い思いに4分間の漫才をぶつけ合った。

この日大きく会場を沸かせていた笑い飯。(C)吉本興業

この日大きく会場を沸かせていた笑い飯。(C)吉本興業

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MCとして登場したのは、M-1予選には欠かせない顔となっているはりけ~んず。いつもよりも控えめにアニメネタを挟みつつ、小気味よいトークで会場をリラックスさせていた。

以下、出場者のネタをダイジェストで紹介。なお、準決勝のネタは決勝戦の舞台でも披露される可能性があるので、決勝当日まで内容を知りたくない人は決勝放送後に読むことをオススメする。

●プリマ旦那
baseよしもと期待の若手コンビは「バイト」をテーマにした漫才。バイトをしている最中に偶然友達と遭遇するシチュエーションを再現していく。この日のトップバッターとして、いきなり大きな笑いを獲得。芸歴2年目とは思えない堂々としたたたずまいだった。

ガスマスクガール
交通事故に遭ったときに浮かんだ走馬燈を漫才で表現。1歳から順にどのような人生を送ってきたかをストーリー仕立てで展開していった。

かまいたち
占い師に前世が「海賊」と言われた山内が必死にそのことを否定するが、否定すればするほど、ますます海賊に近づいていき……。ネタの途中で空白の時間が生じたが、濱家の機転でなんとか持ち直し、後半にかけて大きく盛り上がった。

スマイル
ウーイェイよしたかが得意な早口言葉を次々に披露していくスマイルの代表的なネタ。テンポが良かったうえに勢いもあり、会場からは大きな拍手も。

なりきんショージ
3回戦と同じく、村上ショージが「ドゥーン!」を封印して新たな笑いを生み出すべくモノマネに挑戦するという漫才。ルミネtheよしもとでは見事にハマって爆発した部分も、この日のなんばグランド花月では同じようにはいかず。

ミサイルマン
ふくよかな西代の体型を「豚まん」に例えて、岩部がさまざまな角度からいじっていく漫才。西代のキャッチーなキャラクターが最大限に生かされ、笑いを集めていた。

コマンダンテ
2008年結成の期待の新人コンビ。「火星」の位置を知らない安田のために、石井が両手を使って太陽系の説明をするが、やがて安田の質問内容が大きくズレはじめ……。話が進むごとに会場の笑いが雪だるま式に大きくなっていくという理想的な展開を見せた。

さらば青春の光
NASAで働こうかどうか迷っている森田の話に東口が耳を貸すと、衝撃的な事実が次々と明らかになっていく。つかみで大きな笑いを取り、会場の空気をしっかりとつかんでいた。

ギャロップ
「怖い話」を再現しようと幽霊役を買って出る毛利。林はタクシー運転手となり、後部座席に幽霊を乗せるのだが、なかなか怖い話に発展せず。林のボケが徐々に加速していき、笑いが笑いを生む展開に。

ソーセージ
「いじり」をテーマにした漫才。「いじられキャラ」というものを説明するために、お互いにいじり合いをするのだが、思わぬ方向に話が展開。

とろサーモン
自転車を違法駐車するヤンキーと、それを注意する監視員のやりとりを漫才に。久保田の風貌を生かした“ちょっと足りない”ヤンキーキャラが会場にハマり、多くの笑いを集めていた。

天竺鼠
いろいろ腹が立つことがあるという川原の話を聞こうとする瀬下。ところが、いざ川原が話し始めると、要領を得ない話ばかりが延々と続く。1つのボケとボケの間隔がゆったりとした独特の間合いになっており、ボケをたたみ掛けるコンビが多い中で異彩を放っていた。

志ん茶
銀行のATMの音声をある人物のモノマネで再現。通常のATMではありえないセリフが次々と飛び出していく。ナチュラルなテンポで、モノマネのクオリティも高く、アマチュアでありながらプロのコンビと互角の笑いを獲得。

いけばな教室
こちらもアマチュアのコンビ。「世界一おいしいラーメン屋」を知っていると言い張る男が、その店までの道のりを一生懸命説明するというネタ。時折耳に残る印象的なフレーズが笑いを集めていた。

銀シャリ
干支を「ドレミの歌」のメロディーで覚えるというネタ。喋っている時間よりも歌を歌っている時間が長いという一発勝負に出た漫才だが、表現力の高さで大きな笑いを生み出した。

ソラシド
「のろいのビデオ」をナレーター役とお化け役の2人がかりで再現する漫才。低い声から高い声まで、さまざまな声色を使って観客を楽しませた。

藤崎マーケット
「好きなテレビ番組」をテーマにした漫才。「ちびまる子ちゃん」や「中学生日記」のワンシーンなど、誰もが思い浮かべることができる番組で“あるある”を展開し、笑いを集めた。

モンスターエンジン
お笑いの仕事が軌道に乗り、結婚生活を夢に描き始めた大林。「結婚なんてロクなことがない」と言い張る西森は妻役を買って出て、夫役の大林に対して次から次へと悪態をつく。予想をはるかに上回る西森の“鬼嫁”ぶりに会場も爆発。

見取り図
「彼女が欲しい」という盛山に対して、「紹介するよ」と優しく接するリリー。ところが、リリーの紹介する女性たちはいずれも個性的な面々ばかりで、盛山は徐々に疑心暗鬼にかられていく。

和牛
「ジャニーズになりたい」という水田の夢をかなえるべく、川西が指示にしたがって“ジャニーズJr.”役を演じることに。動きやリズムに合わせたボケが見事に炸裂して、大きな笑いが何度も巻き起こった。

ジャルジャル
「頼んだピザをドタキャンしたい」という後藤がその練習をすることに。ドア越しにいるピザ配達員に向かってドタキャンを試みるものの、なかなかうまくいかず……。

ダイアン
「猫って知ってる?」と話し始める西澤。初めて猫を知ったときの衝撃をある人物に例えて説明しはじめたところから会話がおかしな方向に転がっていく。

●プラスマイナス
鳥が好きすぎて、話す言葉にすべて鳥にまつわる言葉が入ってしまうという漫才を披露。

レモンティー
福岡吉本所属の芸人ならではのご当地ネタを盛り込んだ漫才。テーマは「東京に行きたい」。

アジアン
“耳について離れない歌”をより良いものにしていこうと考える歌ネタ。馬場園が提案する個性的な歌の数々に、会場からは大きな笑いと拍手が。

スーパーマラドーナ
「一匹狼の侍」を演じたい武智の希望にしたがって、田中が武智を引き立てるべく演技をしようと試みる。テンポ良く次々にボケをたたみ掛けて、大きな笑いを獲得。

千鳥
「通販番組」を見てゴルフクラブを注文するべくノブが電話をかけると、テレフォンオペレーター役の大悟の口からは思いも寄らない単語が出てくる。これまでのM-1決勝で見せてきたネタとはひと味違うスタイルで、会場が揺れるほどの笑いが起こった。

ヘッドライト
大の映画好きという和田がオススメ映画を町田に紹介していくが、そのいずれもが見当違いのタイトルばかりという漫才。涼しげに飄々とボケ続ける和田と、それに翻弄される町田のボケ・ツッコミの応酬に客席も大きく沸いた。

笑い飯
「ひよこを買ってもらえなかった思い出」をテーマにした漫才。ひよこを買ってもらえなかった子供の目の前に“ある男”が現れて、ファンタジー感あふれる提案を持ちかける。トリを務めた笑い飯は、この日一番の大きな笑いを集めていた。

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読者の反応

特急周遊カード @Cnsk_Kue2

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見取り図、ガスマスクガール、コマンダンテ、
さらば青春の光は当時1年目なんだよなぁ…

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