歌いながら共感する部分が多い

──歌詞を紐解いていくと、夢アドが日本を元気にしていく、というようなメッセージが込められてますね。

ショウ　「すべてをぶっ飛ばせちゃうんだよ！ 私たちがステージに上がったら！」とでも言うような勢いが出せたらいいなと思って、そういうメッセージを散りばめてみました。

──2人は歌詞の中で共感したところはありますか？

荻野　とにかくすごい攻めた歌詞だなって思いました。いわゆる普通のアイドルだったらなかなか歌えないし表現できないんじゃないかなって。でも私たちが本当に攻める気持ちを持って歌ったらすごくカッコいいだろうなって思ったし、絶対にライブで盛り上がるなっていうのが想像できたんですよ。アイドルだったらスキャンダルとかの話題には触れないじゃないですか。「恋がしたい」とかもストレートに言わないですし。

山田　うん、びっくりした！

荻野　だからそういうフレーズを中途半端な気持ちで歌ったらリアリティがないし、それは嫌だなって思ったんです。「これはもう攻めたもん勝ちだ」と思って歌詞の世界観を表現することに徹したというか。とにかくカッコよく歌うことに集中しました。

ショウ　そう言ってもらえてよかった。

山田　（志田）友美が歌ってるパートで過去と現在を比べて思い出ばかり語る大人たちに対して「何それ、知らない」ってセリフを言うところがあるんですけど、本当にそうだなって思いました。昔のことばかり語られても、知らないですし。私たちの気持ちを代弁してくれてる曲だなって感じました。

荻野　あと「本音を言えば周りから叩かれるわ」っていうフレーズに対して「もう私たちの勝手でしょ！」ってセリフがあるんですけど、そこも本当にそうだなって。私たちのライブも観てないのによくないことを言う人っているんですけど、知ったように勝手なこと言って、本当にムカついて！

山田　あはははは（笑）。

荻野　そんなの私たち流のやり方だし、ユメトモのみんなと一緒に作ってきたものを叩くのってなんなんだろうって。

ショウ　いいね、最高（笑）。

荻野　だから歌いながら共感する部分が本当に多いんですよ！ 歌ってて気持ちがいいです！

ショウ　ステージに立つ人なら誰でもそういう思いを抱いてると思います。俺だってロックバンドをやっていてもいろいろ言われることもありますし、ムカつくことももちろんある。でもいちいち気にしないですね。アーティストに限らず、学校にいてもそういう思いを抱いてる人はいるだろうし、SNSの中でハブられてる人もいるかもしれない。

──気にし始めると何もできなくなっちゃいますもんね。

ショウ　そうです。ただ、そうやって追いつめられている人たちを鼓舞せずにはいられないというか。そういう気持ちで書いたという部分はあります。

「舞いジェネ！」はタイトルに勢いを感じる

──「舞いジェネ！」には夢アドだけじゃなくて、ショウさんとしても伝えたい思いがたくさん込められているなと感じました。

ショウ　さっきも話に出ましたが「いい時代だった」という先輩方の過去の話については重なるところがありますね。自分たちが何をやっても全部先にやられてしまっているのが悔しいというか。俺らでいうとロックバンドなので、The Beatlesやエルヴィス・プレスリーの残り火のようなものにすがっているだけなんじゃないかと思うこともあって。そういう時代をリアルタイムで体験した人の話を聞くと、余計に悔しい気持ちになったり。

──なるほど。

ショウ　なので、夢アドの皆さんが「そんなの関係ないよ！ 私たちがもっとすごいものを作るんだ！」って思いながら歌ってくれたら俺も勇気が出るし、元気をもらえるかもと考えながら書いていました。

──ショウさん自身の思いを彼女たちに託した部分もあるんですね。

ショウ　そうですね。それと、楽曲自体がそれほどアイドルっぽくないのは狙ってる部分もあって、自分がアイドルシーンを事細かに知らないこともプラスに働いたかなと。

──「舞いジェネ！」というタイトルにはどういう意図が？

ショウ　夢アドのツアータイトルに「舞」という文字が入っていたんですよ。

荻野　はい。「ユメトモの舞ツアー」です。

ショウ　それを聞いて、そこから何か面白いタイトルができないかなと思っていたのと、お客さんと一緒に歌える掛け声のようなものを入れたいなというところから考えました。あとはNeil Young ＆ Crazy Horseの「Hey Hey, My My」やThe Whoの「My Generation」という楽曲にかけてる部分も実はありまして。「My Generation」は1960年代の曲ですが、俺は学生時代にこの曲を聴いて勇気付けられたので、曲のどこかに「マイ・ジェネレーション」というフレーズを入れたかったんです。で、曲の中に忍ばせていたらメンバーがレコーディングのときに「マイジェネ」って略して呼んでくれていたそうで。

山田　うちら、勝手にすぐ略しちゃうんですよ。

ショウ　仮タイトルは最初「Hey Hey, My My」にしてましたが、そんなことがあったと聞いて、すごくいいなと思って「舞」の文字とかけて「舞いジェネ！」にしました。

荻野　タイトルに勢いを感じるからライブでタイトルコールするときにすごい気持ちいいです！ ユメトモも「よっしゃ、やったるか！」みたいに気合いが入るし。

ショウ　いいね！ そういうのも大事だよね。