音楽ナタリー Power Push - 東京パフォーマンスドール

1stアルバムにして集大成! 3年半の思いを込めた「WE ARE TPD」

東京パフォーマンスドールが1stアルバム「WE ARE TPD」をリリースした。3年半の活動を経て完成した待望のアルバムには、彼女たちがライブで披露してきた先代TPDの楽曲のリアレンジバージョンや新生TPDのオリジナル曲、初音原化された楽曲を4形態に分けて全50曲収録。彼女たちが歌い続けたきた珠玉のナンバーを収めたファン待望の作品になっている。音楽ナタリーではメンバー9人に集まってもらいインタビューを実施し、1stアルバムの魅力を語ってもらった。

取材・文 / 古川朋久 撮影 / 塚原孝顕

この1枚に今のTPDのすべてが詰まっている

──結成から3年半も経っているのに今回のアルバムが1枚目なんですよね。で、今作は今まで発表してきた楽曲がほぼ入っている、言わばベスト盤のような作品になってます。

高嶋菜七

高嶋菜七 この1枚に今のTPDのすべてが詰め込まれてると言っても過言ではないですね。

脇あかり 私たちも「やっとアルバムを出せる!」って思って、リリースできることが素直にうれしかったです。しかもすごいボリュームで、改めてこんなに楽曲があるんだって気付きました。

浜崎香帆 そうそう。収録曲数を聞いて素直に驚いて。先代TPDの皆さんが歌っていた楽曲のリアレンジバージョンが多いので、最初から素晴らしい楽曲に恵まれていたことにも改めて気付いたというか。感謝しないといけないなって思いました。

小林晏夕 応援してくださってるファンの皆さんから音源化してほしい楽曲のリクエストをもらっていたので、ソロ曲やユニット曲の中には初音源化されるものもあるんです。今までライブでしか聴けなかった楽曲をたくさん聴いてもらえるので、そこもうれしいところですね。

──まさに3年半待ちに待ったという感じですよね(笑)。

高嶋 9月にTSUTAYA O-EASTで開幕した「ダンスサミット“DREAM CRUSADERS”」の初日公演でアルバムをリリースすることと3月に中野サンプラザホールで単独公演を行うことがサプライズ発表されたんですけど、そのとき自然と涙があふれてきて。この3年半の活動の中でも最大級のサプライズが2つも同時に襲ってきたので、胸がいっぱいになりました。感動でしたね。アルバムはとにかくたくさんの人に届けたいって思いました。

──3年半前の結成時を思い返してみるとダンス未経験のメンバーもいたわけですし、今これだけの数の楽曲の振りや歌詞を覚えてライブをやってることがすごいなって。

高嶋 本当ですね。自分たちとしても、よく覚えてやってきたなと(笑)。

3年半やってても心臓が飛び出そうになる

──ここからは事前にお願いしていたアンケートをもとに、アルバムに収録されている楽曲についてお話を聞いていこうと思います。まずは「何度もライブで歌ってきてるのに、いまだに緊張する楽曲」なんですけど、いかがでしょうか?

浜崎 私は「逆光×礼賛」です。この曲は私たちの楽曲の中でも一番テンポが速くて、フォーメーションもかなり激しく移動するんです。なのでよくほかのメンバーに当たってしまったり足を踏んでしまったりすることもあって。ライブが終わったあとによく謝ってます。

脇あかり

 私は「純愛カオス」。初めてシングル曲で1番のAメロを担当した楽曲なんですけど、この曲だけはなぜか歌詞を忘れそうになるんですよね。

高嶋 歌詞で緊張するのは私も同じで、「CATCH!! -Rearranged ver.- 」と「Darlin'」の2曲ですね。歌う直前まで何度も確認してるんですけど、意識すればするほど飛んでしまうことがあって。「CATCH!!」は私のソロパートのところで完全に歌詞が飛んで、その場で自作の歌詞で歌ったことがあるんですよ(笑)。それがトラウマでいまだに怖いです。「Darlin'」は私のソロ曲なので、間違ったら本当にヤバいっていうプレッシャーがあります。当たり前ですけど、自分が歌うパートが多い曲はみんな緊張すると思いますよ。

──これだけライブをたくさんやってても、いまだに緊張しちゃうんですね。

高嶋 3年半やってても、今でも口から心臓が飛び出そうになります(笑)。

神宮沙紀 私は「SURVIVAL!!」のイントロ部分で、みんなでギターを弾く振りをするんですけど……。

櫻井紗季 あー、あそこね(笑)。

神宮 最初に「ジャーン」って音が鳴って、次に私がギターを弾く振りをするんですよ。でも会場によっては音響の関係もあってそのきっかけの音が聞こえにくかったりすることがあって。以前「めざましライブ」に出演させていただいたときに、ギターの振りを空振りするという事件が起きたんですよ。おそらく観客の皆さんは「あいつ、1人で何やってるんだ?」みたいな空気になってて(笑)。

高嶋 タイミングが本当に難しい曲なんですけど、そのときは後ろで笑ってました(笑)。

神宮 トラウマですよ! それからはリハを念入りにすることにしてます。かつてないくらいに神経を研ぎ澄ませてるので、今後「SURVIVAL!!」のときには注目してみてください(笑)。

櫻井 「DREAM TRIGGER」の間奏終わりのサビの部分でメンバー全員で移動するところがあるんですけど、私は人とぶつかることが特に嫌なんですよ。でもこのタイミングでぶつからないで移動するのって本当に難しくて。隙間を縫ってなるべく当たらないように移動するようにしてます。

神宮 そんなこと思ってたなんて気付かなかった(笑)。

橘二葉 私はいさき(櫻井)とらこちゃん(飯田桜子)と一緒にやってるユニット曲の「Raining」なんですけど、傘を使ったパフォーマンスの最中に傘が開かなかったことがあって。手汗ですべって開閉をミスっちゃうこともあるので、いつも緊張感を持ちながらやってます。

櫻井 しかも狭いステージでやるときは傘を広げるとスペースがほとんどなくて当たりそうになるので、私は細心の注意を払ってます(笑)。

上西星来

上西星来 「黄・昏・蝶・々 -Rearranged ver.-」のサビまでの間が緊張します。ラテン系の曲なんですけどテンポを取るのが難しくて。あとステージ上に(脇)あかりと私だけなので、その空気感をAメロでちゃんと伝えられるかというのも課題で。

──ゴージャスな雰囲気の楽曲ですけど、意外とプレッシャーを感じながらやってたんですね。すごく堂々としてるので、あまり緊張してるとは思いませんでした。

上西 緊張感が出るといけない楽曲なので、そこは堂々とやるようにしてます。

飯田桜子 私は「TIME」です。間奏の部分でメンバー全員が横一列に並び腕で龍をイメージした動きをやるんですけど、私は腕が固くってどう滑らかに動かすかが課題で。毎回ここは緊張してますね(笑)。

小林 私も「TIME」なんですけど、曲の冒頭部分で雑踏をイメージして次々にメンバーが移動していくところがあって。そこで移動する導線がステージによって毎回違うのでみんながどう動いてくるか予想できてないと当たっちゃうから緊張しますね。

1stアルバム「WE ARE TPD」 2017年1月18日発売 / EPICレコードジャパン
初回限定盤A [CD+Blu-ray] 5000円 / ESCL-4790~1
初回限定盤B [CD2枚組] 4500円 / ESCL-4792~3
初回限定盤C [CD2枚組] 4500円 / ESCL-4794~5
通常盤 [CD] 3000円 / ESCL-4796
期間生産限定盤 [CD] 2500円 / ESCL-4797
CD収録曲
  1. Stay Gold
  2. BRAND NEW STORY
  3. DREAMIN'
  4. TIME
  5. MY UNIVERSE
  6. HEART WAVES
  7. PEOPLE
  8. ナガレボシ
  9. 逆光×礼賛
  10. 純愛カオス
  11. SURVIVAL!!
  12. DREAM TRIGGER
  13. It's Up To Me
  14. RAISE YOUR HANDS
<通常盤ボーナストラック>
  1. ダイヤモンドは傷つかない -Rearranged ver.-
  2. 恋しさと せつなさと 心強さと -Rearranged ver.-
  3. センセイのお気に入り / どるせん from TPD
  4. WEEKEND PARADISE -Rearranged ver.-
東京パフォーマンスドール ダンスサミット
“DREAM CRUSADERS”
  • 2017年2月26日(日)東京都 LIQUIDROOM
    OPEN 16:15 / START 17:00
  • 2017年3月12日(日)愛知県 DIAMOND HALL
    OPEN 16:15 / START 17:00
  • 2017年3月17日(金)大阪府 BIG CAT
    OPEN 18:15 / START 19:00
  • 2017年3月26日(日)東京都 中野サンプラザホール
    OPEN 16:15 / START 17:00
東京パフォーマンスドール
(トウキョウパフォーマンスドール)
東京パフォーマンスドール

1996年のライブを最後に活動を休止したのち、2013年6月に新生・東京パフォーマンスドールとして新メンバーで始動。高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季、浜崎香帆、脇あかり、飯田桜子、神宮沙紀、小林晏夕、橘二葉の9人で活動している。2013年8月から12月まで東京・CBGKシブゲキ!!にて演劇とライブが融合した「PLAY×LIVE『1×0』」を上演し、2014年には同演目を新たなバージョンで再演。ライブでは先代TPDから受け継いだ、MCなしで歌とダンスをノンストップで繰り広げる“ダンスサミット”を展開し注目を集める。2014年6月にデビューシングル「BRAND NEW STORY」をリリースし、8月には初の東名阪単独ツアーを実施。さらに11月と2015年4月にはZeppツアーに挑戦し、「1×0」を冠したシリーズを完結させた。2016年2月には東京・Zepp DiverCity TOKYOにて「ダンスサミット ネイキッド」と銘打った新公演を2日間にわたって3公演、すべて内容を変えて披露した。3月には浅倉大介が手がけた4thシングル「逆光×礼賛」を、8月には5thシングルをリリースした。2017年1月に1stアルバム「WE ARE TPD」を発表し、同月より「ダンスサミット“DREAM CRUSADERS”」と銘打ったライブを東名阪で開催。ファイナルは東京・中野サンプラザホールで行う。